浜田山駅徒歩0分|MTAセメントで歯を守る根管治療を実施しています|浜田山にある歯医者|浜田山おとなこども歯科・矯正歯科

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〒168-0065 東京都杉並区浜田山3-30-6 1階

週刊浜田山 BLOG

浜田山駅徒歩0分|MTAセメントで歯を守る根管治療を実施しています

みなさんこんにちは。京王井の頭線「浜田山駅」から徒歩0分、杉並区浜田山にある歯医者「浜田山おとなこども歯科」です。

「根の治療をしたのに、また痛みが出た…」
「なるべく歯を残したいけど、抜歯しかないと言われた」
そんなお悩みをお持ちの方はいませんか?

従来の根管治療では、根の先の炎症や再発のリスクが課題でした。しかし、近年注目されている「MTAセメント」を使った根管治療により、従来よりも高い治癒率と予後の安定性が期待できるようになってきました。

今回の記事では、**「MTAセメントを使った根管治療とは?」**というテーマで、メリットやデメリット、よくある疑問までわかりやすく解説します。

この記事を読んでわかること:
・MTAセメントとは何か
・MTAセメントを使うメリット・デメリット
・保険適用の有無や費用感
・当院での対応や症例の一部

この記事を特に読んでいただきたい方:
・再根管治療でお悩みの方
・できる限り歯を抜かずに残したい方
・MTAセメントの費用や実際の効果を知りたい方


1.MTAセメントとは?

MTA(Mineral Trioxide Aggregate)セメントは、1990年代にアメリカで開発された歯科用材料です。正式名称は「ミネラルトリオキサイドアグリゲート」といい、主成分はシリケート系の無機化合物。

MTAセメントの主な特徴は以下の通りです:
・生体親和性が非常に高い
・封鎖性が高く、細菌の侵入を防ぐ
・硬化後も水分に強く、口腔内の環境に適応
・カルシウムイオンを放出して自己修復作用を促す

もともとは、神経を残す治療(生活歯髄切断)や根尖孔の穿孔(パーフォレーション)修復、根尖部の逆根充などで使用されてきましたが、近年では根管治療における封鎖材としても活用されています。


2.従来の根管治療との違い

従来の根管治療では、ガッタパーチャ(GP)というゴムのような材料を使って根管内を封鎖するのが主流です。これは保険診療の範囲で行えるため一般的ですが、完全に封鎖できず根尖病変が再発する可能性があることが問題視されています。

一方でMTAセメントを使用すると、以下の点で優れています:

比較項目 従来法(GP) MTAセメント使用
封鎖性 中程度 非常に高い
生体適合性 普通 高い
再発の可能性 やや高い 低い
保険適用の可否 適用可 自費診療

3.MTAセメントを使った根管治療のメリット

a. 封鎖性が非常に高い
MTAは微細な隙間にも入り込みやすく、細菌の再侵入を防ぎやすいため、根管内の再感染リスクを大幅に軽減できます。

b. 抗菌作用がある
硬化時にpHが高くなり、自然な殺菌効果が期待できます。再発しやすい感染根管治療でも高い治癒率が期待できます。

c. 生体親和性が高く、周囲の組織と調和する
体が異物と認識しにくいため、炎症が起きにくく、歯根の先端部の自然治癒もサポートします。

d. 歯を保存できる可能性が広がる
従来なら抜歯対象となっていた症例でも、MTAセメントを使えば保存可能になることがあります。


4.MTAセメントを使った根管治療のデメリット

a. 自費診療となることが多い
現時点ではMTAを用いた根管充填は保険適用外となるケースがほとんどで、費用負担が生じます(後述)。

b. 操作が難しく、高度な技術が必要
MTAの取り扱いには高度な知識と設備が必要で、すべての歯科医院で対応しているわけではありません。

c. 硬化に時間がかかる
MTAは水分を含んで硬化するため、硬化完了までに時間がかかるという欠点もあります。


5.MTAセメントはどんな症例で使う?

当院では以下のようなケースでMTAセメントを用いた根管治療を検討します。

  • 根尖病変のある歯

  • 根尖孔が開いている歯(オーバーインストゥルメント)

  • 再根管治療でも治癒しないケース

  • 小児の外傷歯や未完成根への処置

  • 穿孔(パーフォレーション)への封鎖


6.MTAセメント治療の費用と期間

●費用の目安(当院の場合):

  • 前歯:55,000円(税込)〜

  • 小臼歯:66,000円(税込)〜

  • 大臼歯:77,000円(税込)〜
    ※根の状態によって変動します。初診時に必ずご説明いたします。

●治療期間の目安:

  • 1回〜3回程度で完了(炎症の程度や部位による)

  • 治癒経過を観察するため、経過観察を数ヶ月行うこともあります


7.MTAセメントに関するよくある質問Q&A

Q1. MTAセメントを使えばどんな歯でも残せますか?
A. 必ずしもすべてのケースで保存できるわけではありません。歯根の破折や広範囲の骨吸収がある場合は、保存が困難なこともあります。

Q2. なぜ保険が効かないのですか?
A. 日本の保険制度では、MTAセメントを使った根管充填は保険外診療とされているため、自費になります。

Q3. 子どもでもMTAセメントは使えますか?
A. はい。特に外傷による未完成根の処置においては、MTAの使用が非常に有効です。

Q4. MTAと他の自費根管治療材料(バイオセラミック系)との違いは?
A. バイオセラミック系も近年注目されている材料ですが、MTAは歴史が長く、臨床実績が豊富です。当院では症例に応じて適材を選択しています。


8.当院のMTAセメント治療のこだわり

浜田山おとなこども歯科では、歯を1本でも多く残すことをモットーに、顕微鏡(マイクロスコープ)を使った精密根管治療を行っています。
その中でMTAセメントは、再発リスクの低減と、長期的な歯の保存のために欠かせない材料の一つです。

また、治療後も3ヶ月〜半年ごとの経過観察を行い、必要に応じてCT撮影も活用しながらフォローしています。


まとめ:抜かずに残せる可能性を広げるMTAセメント治療

MTAセメントは、これまで抜歯を勧められていたようなケースでも**「歯を残す選択肢」**を提供できる画期的な材料です。<br>
特に再根管治療や難症例において、より確実な封鎖と生体親和性の高さが大きな強みとなります。

費用はかかりますが、それ以上に「自分の歯を長く使える」という価値を提供できると考えています。

もし現在、根の治療でお悩みの方や、抜歯をすすめられてお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。
24時間WEB予約はこちらから:
👉 https://apo-toolboxes.stransa.co.jp/user/web/21539/reservations

医療法人社団名月会 浜田山おとなこども歯科 理事長 山口昌良