みなさんこんにちは。京王井の頭線「浜田山駅」から徒歩0分、杉並区の歯医者「浜田山おとなこども歯科」です。
「昔、銀色の詰め物を入れたけど、あれって大丈夫なの?」
「最近“アマルガム”が身体に悪いって聞いて不安…」
このような声を患者さまからいただくことがあります。
アマルガムとは、過去に多くの歯科治療で使われていた金属の詰め物ですが、現在では使用される機会が少なくなっています。では、「アマルガムは体に悪いの?」「取るべき?そのままでいい?」といった疑問にどう答えればよいのでしょうか。
今回の記事では、歯科用アマルガムの正体、メリット・デメリット、除去の必要性や注意点までを徹底解説します。
1. アマルガムとは?
アマルガムとは、水銀(Hg)を主成分とした金属合金の歯科用詰め物のことです。
主に虫歯治療後の小さな穴(窩洞)を埋めるために、1950〜1990年代を中心に広く使用されてきました。
【アマルガムの主成分】
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水銀(約50%)
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銀、スズ、銅などの金属粉末
歯科医院で水銀と金属粉を混ぜて練り合わせ、柔らかいうちに虫歯を削った穴に詰め、短時間で硬化させることができるため、当時は非常に重宝されていました。
2. なぜアマルガムは使われなくなったのか?
一時代を築いたアマルガムですが、現在ではほとんど使われなくなっています。その理由は以下のとおりです。
a. 水銀による健康リスクの懸念
水銀は神経毒性があるとされ、体内に蓄積すると中枢神経障害や免疫異常の原因になる可能性があると報告されています。<br>
歯科用アマルガムからは微量の水銀蒸気が発生するとされ、長期間の使用や大量の詰め物がある場合、健康への影響を懸念する声が高まりました。
b. 金属アレルギーのリスク
水銀以外にも、アマルガムに含まれる銀やスズ、銅などの金属により、金属アレルギーや口腔内の粘膜異常を引き起こすことがあります。
c. 審美性が低い
銀色のため見た目が目立ちやすく、審美歯科の観点からも不人気になっています。前歯部や笑ったときに見える小臼歯などでは特に敬遠されがちです。
d. 他の素材の進歩
近年では、コンポジットレジン(白いプラスチック樹脂)やセラミックの進化により、アマルガムの代替となる材料が多数登場しました。
3. アマルガムをそのまま放置しても大丈夫?
最もよくある質問がこちらです。
結論から言えば、「すべてのアマルガムが危険というわけではないが、状況に応じて検討が必要」です。
【放置しても比較的問題ないケース】
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しっかり接着されており、ひび割れ・脱離・腐食が見られない
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虫歯の再発がない
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金属アレルギーの兆候がない
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妊娠していない・免疫疾患などの既往がない
【除去や交換を考えた方がよいケース】
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表面に劣化・黒ずみ・腐食がある
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周囲の歯や歯茎が変色している
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しみる・痛むなどの症状がある
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金属アレルギーが疑われる
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審美的な改善を希望する場合
4. アマルガム除去時の注意点とリスク
アマルガムを除去する際には、水銀蒸気や微粒子の吸引を防ぐための特別な処置が必要です。
当院では、以下のような対策を徹底しています:
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ラバーダム防湿で口腔内への拡散を防止
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口腔外バキュームを併用し、空気中の蒸気を吸引
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マイクロスコープ下で最小限に除去
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身体への負担が少ないよう、数回に分けての除去も対応
また、妊娠中の方や免疫疾患のある方は、除去のタイミングや可否について慎重な判断が必要です。
5. アマルガムを除去した後の詰め物は?
除去後の詰め物には、以下のような素材が選択肢としてあります:
a. コンポジットレジン(CR)
保険適用があり、小さな範囲に適応。審美的にも自然です。
b. セラミックインレー
強度と審美性に優れ、見た目の美しさを求める方におすすめ。
※自費診療になります。
c. ゴールドインレー
金合金による高精度な詰め物。耐久性重視の方に。
※見た目より機能性重視の方向けです。
6. アマルガム除去の費用の目安
当院では、安全な除去と精密な修復をセットでご提案しています。
【費用の一例(税込)】
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アマルガム除去処置(1歯):5,500〜11,000円
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CR修復(保険内):1,500円程度(自己負担3割の場合)
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セラミックインレー:49,500〜77,000円
※カウンセリング時に詳細をご説明いたします。
7. よくある質問Q&A
Q1. アマルガムは体にどれくらい影響があるの?
A. 微量の水銀蒸気は発生しますが、すぐに健康被害を及ぼすわけではありません。ただし長期的な観点や個人差もあり、不安な方には除去をおすすめします。
Q2. 除去することで水銀が体に入るのでは?
A. 当院では、水銀拡散を最小限に抑える除去法を採用しており、リスクはほとんどありません。
Q3. アマルガムは保険で入れ直せますか?
A. 保険での再修復はCR(コンポジットレジン)となり、アマルガムを再使用することはほとんどありません。
Q4. セラミックにするメリットは?
A. 審美性が高く、変色や劣化が少なく、長期的に安定した修復が期待できる点が魅力です。
まとめ|アマルガムは必要に応じて見直しましょう
アマルガムは、かつて多くの虫歯治療で使われてきた実績ある素材ですが、現代では健康リスクや審美面から使用が減ってきています。
「昔の詰め物が心配…」「今後の虫歯予防も考えて見直したい」
そんな方は、安全に除去し、身体にやさしい素材で修復することを検討してみてはいかがでしょうか?
アマルガムの除去に関するご相談は、初回カウンセリングにて丁寧にご説明いたします。
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医療法人社団名月会 浜田山おとなこども歯科 理事長 山口昌良