インビザライン矯正が難しい症例について|その理由について解説 blog

2024.06.29

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。

インビザライン矯正は、透明なマウスピースと取り外しが可能な特徴から非常に人気がありますが、残念ながらすべての症例に適しているわけではありません。特に複雑な歯並びの問題や重度の歯の動きを伴うケースでは、他の矯正方法の方が効果的なこともあります。今回は、インビザライン矯正が難しいとされる症例と、その理由について詳しくご紹介します。

インビザライン矯正が難しい症例について

 

インビザライン矯正は多くの場合に非常に効果的ですが、すべての症例に適用可能なわけではありません。ここからはインビザライン矯正が難しいとされる症例を紹介します。

 

重度の歯周病

歯周病が進行し、支える骨が損なわれている場合、矯正中に歯が抜けるリスクが増大します。歯周病が安定しても、骨の質が回復しているかどうかにより、矯正可否が決まります。

 

重度の叢生

歯が大幅に重なっている状態で、必要なスペースが不足している場合、インビザラインだけでの治療は困難です。こうした状態では通常、抜歯後に広いスペースを作り、矯正を行います。

 

受け口(下顎前突)

下の歯が上の歯よりも前に出ている受け口は、顎の骨の位置自体が問題であるため、単に歯を移動させるだけでは不十分です。外科手術との併用が必要になることが多いです。

 

出っ歯(上顎前突)

出っ歯の場合も、上の歯が下の歯よりも前にあり、顎の骨格に問題があるため、インビザラインだけでの治療が難しいです。矯正と外科手術を組み合わせる必要があります。

 

過蓋咬合

上の前歯が下の前歯を過度に覆う過蓋咬合は、顎関節に大きな負担をかける可能性があり、顎関節症を引き起こすリスクがあります。この症例も、骨格の問題が関連しているため、インビザラインだけでは対応が困難です。

 

抜歯の数が多い場合

多数の抜歯が必要な場合、インビザラインでは歯を移動させるための十分なスペースを確保することが難しくなります。特に、多くの歯を動かす必要がある場合、従来の矯正方法が適しています。

 

 

インビザライン矯正が難しい症例の治療方法

 

重度の叢生や大きな歯列の不正整合

これらの症例では、通常のインビザラインよりも強い力を必要とするため、従来の金属ブラケットを使用した矯正が推奨されることが多いです。ブラケットとワイヤーを用いることで、より大きな力を均等に歯に適用し、短期間で効果的に歯を動かすことが可能です。

 

受け口や出っ歯(骨格性の問題)

顎の骨自体の位置が問題となる受け口や出っ歯には、単に歯を移動させるだけでは不十分で、顎の手術を伴う矯正治療が必要になることがあります。これには、外科的矯正(Orthognathic surgery)が含まれ、顎の位置を整えた後に細かい調整を行うためにインビザラインを使用することもあります。

 

回転が必要な歯

特定の歯が大きく回転している場合、リンガルブレース(裏側矯正)が有効です。これは歯の内側にブラケットを取り付ける方法で、見た目を気にする大人の患者にとって適切な選択肢となります。リンガルブレースは目立たない上に、インビザラインでは難しい精密な力の調整が可能です。

 

垂直的な移動が必要な場合

歯を上下に大きく移動させる必要がある場合、特に下方向への移動(歯を押し下げる)には、ヘッドギアを併用した矯正治療が選ばれることがあります。これにより、必要な方向への大きな力を確実に適用することができます。

 

抜歯後の広範囲なスペース

抜歯が伴う症例では、空いたスペースを効率的に利用して歯を動かすために、テンポラリーアンカレージデバイス(TADs)が用いられることがあります。これは小さなスクリューを一時的に顎骨に埋め込み、それをアンカーとして使用することで、効果的に歯を引き寄せることができます。

 

まとめ

インビザライン矯正は多くの症例で有効ですが、特定の条件下では難しい場合があります。主な難しい症例には重度の歯周病、重度の叢生、受け口、出っ歯、過蓋咬合、抜歯が多いケースなどがあります。これらの症例では、歯を支える骨の問題、歯の大きな移動需求、骨格的な問題が原因でインビザラインだけでは対応が困難です。治療には外科手術や従来の矯正方法が必要になることがあり、矯正計画は患者の具体的な状態により慎重に策定されます。また浜田山おとなこども歯科・矯正歯科ではインビザライン矯正や歯並びについてのご相談を無料で対応しておりますので、気になる方は是非一度当院へお越しください。