虫歯を削るときのリスクや対処法について解説 blog

2024.07.07

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。

今日は、虫歯治療において避けられない「歯を削ること」について、その必要性、リスク、そして適切なケア方法についてご説明します。歯を削る治療は日常的な処置の一つですが、それに伴うリスクや疑問を持つ方も多いことでしょう。この記事を通じて、歯を削る治療の背景にある理由と、患者様が知っておくべき情報を提供します。

虫歯を削るときのリスク

  1. 削ったところから虫歯になりやすくなる

歯を削る際、歯のエナメル質が取り除かれることで、元々の保護層が失われます。この結果、削った部分の周辺に微細な隙間が生じることがあり、これが新たな虫歯の発生源となり得ます。これらの隙間は、日常的なブラッシングでは清掃しきれない場合が多く、細菌が容易に侵入して繁殖しやすい環境を提供してしまいます。そのため、定期的な歯科検診と専門的なクリーニングがさらに重要になります。

  1. 痛みや知覚過敏の原因となる

歯の削除はしばしば歯の内部にある歯髄(神経と血管の束)に近づくため、処置後には痛みや知覚過敏が発生する可能性があります。特に、冷たいもの、熱いもの、甘酸っぱいものを口にした際に、削った歯が敏感に反応することが一般的です。この痛みや過敏反応は通常一時的ですが、場合によっては長期間持続することもあります。

  1. 歯髄を取らなければいけない場合のリスク

虫歯が深く進行し、歯髄に到達してしまった場合、感染した歯髄を取り除く必要があります。この処置を根管治療と呼び、感染した神経を全て除去した後、その空洞を清掃し、消毒して密封します。しかし、この治療は歯を生体材料としては「死んだ」状態にするため、その後の歯はもろくなり、破折するリスクが高まります。また、根管治療後の歯は、以前よりも咬合力に対する耐性が低下するため、日常生活での注意が必要

 

 

歯を削った後の痛みに対する対処法

歯科治療後に削った歯で感じる痛みや違和感は一般的で、通常は治療の一部として予想されるものです。しかし、これらの症状が持続する場合は、注意が必要です。以下に、持続する痛みへの効果的な対処法を詳しく解説します。

適切なペインコントロール

歯を削った後の痛みはしばしばありますが、適切な痛み管理により快適に過ごすことが可能です。多くの場合、歯科医師は痛みの程度に応じて非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を処方します。これらの薬剤は、イブプロフェンやアスピリンなど、市販薬としても広く利用されているものです。これらの薬は、痛みや腫れを引き起こすプロスタグランジンの生成を阻害し、症状の軽減に効果的です。

冷却療法

治療直後の数時間は、対象部位に冷却パックを適用することが推奨されることがあります。冷却は血管を収縮させ、炎症と腫れを抑える効果があります。ただし、この方法は歯科医師の指示に従って行うことが重要です。

後続の診察

治療後の痛みが数日以上続く場合、それは単なる一時的な反応ではなく、削った部分に潜在的な問題が再発している可能性があります。例えば、治療が不完全であったり、削除した部分に微細な亀裂が生じていたりすることが考えられます。このような場合、追加の診察を受けることが必要です。歯科医師はX線検査や視診により、問題の原因を特定し、必要に応じて根管治療やさらなる修復を行うことがあります。

適切な口内ケアの継続

また、日常の口内ケアを見直すことも重要です。適切なブラッシングとフロッシングは、新たな虫歯のリスクを減らし、治療部位の清潔を保つのに役立ちます。特に、治療を受けた部位は慎重に扱う必要があり、硬い食べ物を避けるなど、一時的な食事制限が推奨されることもあります。

 

 

まとめ

歯を削る治療は虫歯の進行を阻止し口内の健康を取り戻すために行われますが、リスクが伴います。治療前には、歯科医と相談し、可能な限りリスクを理解することが重要です。特に、削った歯は元の強度を失うため、正しいオーラルケアが一層重要になります。日々のブラッシングやフロッシング、定期的な歯科検診を通じて、歯を削る必要を最小限に抑えるべきです。最終的には、適切なケアと予防策が、虫歯治療におけるリスクを低減します。本記事をお読みいただきありがとうございます。何かご不明な点や、お悩みがございましたら、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。