重度の歯周病とはどのような状態?放置するリスクと治療法 blog

2024.07.01

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。

今回の記事では、歯周病が進行して重症化するとどのような状態になるのか、またそのリスクと具体的な治療方法について深掘りしていきます。重度の歯周病はただの歯の問題に留まらず、全身の健康にも大きく影響を及ぼす可能性があります。適切なケアと予防策を知ることで、これらのリスクを最小限に抑え、健康な生活を送るための一助となることを願っています

 

重度の歯周病とはどのような状態?

重度の歯周病は、歯茎の重い炎症と深い歯周ポケットの形成が特徴です。この段階での歯周病は、顕著な歯茎の退縮、慢性の感染、および歯の動揺や喪失につながる可能性があります。

重度の歯周病を放置すると

歯が抜け落ちる

重度の歯周病が進行すると、歯を支える周囲の骨(歯槽骨)が徐々に破壊されます。これは、歯周病細菌が引き起こす慢性の感染炎症により、歯茎から分泌される酵素が歯槽骨を溶解させるためです。初期段階では歯茎の出血や腫れが見られ、進行すると歯が動揺し始め、最終的には歯が自然に抜け落ちるか、抜歯が必要になる状態に至ります。早期発見と治療が遅れると、回復が困難になり、永久的な歯の喪失を招く可能性があります。

全身疾患や妊娠のトラブルにつながる

重度の歯周病は、口内環境だけでなく全身の健康にも影響を及ぼします。

糖尿病

歯周病は糖尿病の管理を複雑にします。歯周病が引き起こす慢性の炎症は、体全体のインスリン感受性を低下させ、血糖値のコントロールを難しくすることが知られています。また、糖尿病患者は感染症にかかりやすく、歯周病の治療が困難になることもあります。

動脈硬化

歯周病が原因で体内に炎症物質が増えると、これが血管壁に影響を与え、動脈硬化を促進することがあります。動脈硬化は心筋梗塞や脳卒中などの重大な心血管疾患のリスクファクターです。

誤嚥性肺炎

特に高齢者の場合、歯周病による口内の細菌が食べ物や唾液とともに気管に入り込み、肺炎を引き起こすことがあります。これは誤嚥性肺炎と呼ばれ、高齢者の死亡原因としても重要です。

妊娠のトラブル

妊婦が重度の歯周病を持つと、胎児への悪影響が懸念されます。研究により、歯周病は早産や低体重児出産のリスクを増加させることが示されています。歯周病の炎症因子が胎盤を通じて胎児に影響を与える可能性があるため、妊娠中は特に歯周病の管理が重要です。

 

重度の歯周病の治療法

 

歯周外科治療(フラップ手術)

歯周外科治療、特にフラップ手術は、進行した歯周病の治療において重要な手段です。この手術では、歯肉を一時的に持ち上げ(フラップとして)、下にある歯石や感染組織を直接的に取り除きます。また、歯肉の形状を調整して再配置することで、清掃しやすく維持しやすい歯周ポケットを作り出します。治療後は、歯肉が元の位置に戻され、縫合されます。

歯周病組織再生療法

歯周病組織再生療法は、進行した歯周病によって破壊された骨や歯周組織を再生するための方法です。生体材料(グラフト材)、生物学的調節因子、および特定のバリア膜を使用して、自然な再生プロセスを促進します。目的は、失われた組織の機能と構造を回復させ、歯を自然な状態で支持することです。

歯周補填治療

歯周補填治療は、失われた歯周組織(主に骨)を補うために、合成材料や自身の骨を使用する治療です。この治療は、特に深い骨欠損が存在する場合に適用され、歯周ポケットの深さを減少させ、さらなる骨吸収を防ぐことを目指します。

抜歯

重度の歯周病で治療が困難または不可能な場合、抜歯が最終手段として考慮されることがあります。感染が広範囲に及ぶか、構造的な損傷が著しい場合に抜歯が行われ、その後インプラントやブリッジによる補綴治療が行われることが一般的です。

 

歯周病の予防法

毎日の正しい歯磨き

効果的なブラッシング技術を実践し、プラークの蓄積を最小限に抑えます。

生活習慣の見直し

バランスの取れた食事、禁煙、定期的な運動などが重要です。

歯科医院での定期的なケア

プロフェッショナルなクリーニングと定期的なチェックアップで、初期の問題を早期に発見し対処します。

まとめ

本記事をお読みいただきありがとうございます。重度の歯周病は多くの健康上のリスクを伴い、適切な予防と治療が不可欠です。ご自身の症状にご不安がある場合は、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください。