子供に虫歯を感染させない方法について詳しく教えてください。 blog

2015.07.13

虫歯菌は実は感染症

虫歯というものは風邪やインフルエンザと同様に菌による感染症です。
人は産まれた時口腔中には虫歯の原因菌であるミュースタンス菌などはいません。その後、どこかで直接的、もしくは間接的な感染経路で感染します。

虫歯の原因菌であるミュースタンス菌は空気感染をしません。
唾液にのみ原因菌が存在します。
なので、くしゃみや咳等の飛沫感染や直接唾液等に触れ、もしくは口の中に入ることで感染を起こします。

一番感染の可能性があるのはご家族からです。

中でも一番可能性の高い感染経路としては親や兄弟等の同居している家族から感染することが多いです。
家族と同じ箸やスプーンで食事をする、同じコップで飲み物を飲む等普段何気ないことが感染経路になります。
もしこの感染経路を絶ちたいのであったらなら、食器や箸は別のものを使用する、回し食べや回し飲みは絶対に行わないことが良いでしょう。
しかし、世界に虫歯菌が口の中にいない人などいないのでは…と思います。

もちろん、子供が使うものは完全に大人のものと分け、接触も避ければ感染は防ぐことができるかもしれません。
しかし、虫歯菌に感染させないことよりも虫歯に感染させないことよりも、虫歯にならないようにすることが大切なのではないでしょうか?

虫歯になりにくい口腔内環境を作るには

先ほども申しましたが、虫歯菌に感染せずに一生を過ごすことはまず不可能と考えられます。
生きていく中で絶対に何かの感染経路を経て虫歯菌に感染します。
もし1匹でも虫歯菌が口の中に入れば、もう繁殖は始まります。

口腔内は唾液で満たされており、栄養も豊富なので虫歯菌の最良の住処で、隠れる場所もたくさんあります。

なので、虫歯菌に感染しないよう注意するよりも虫歯にならないように気を付けなければなりません。

では実際にどのようなことを行えばいいのでしょうか?

食事

まずは食事です。虫歯菌の栄養素は糖質と言われています。
簡単にいうと甘いものです。
もちろんお米等の日本人の主食の中にも入っています。
この糖質を糧に虫歯菌は繁殖を行います。
しかし、現代の食事で糖質を取らないことは不可能なので、食べた後のセルフケアが大切になります。
もし食べた後に歯磨き等のセルフケアを行わなかった場合、口腔内が常に虫歯になりやすい環境になってしまうので注意しなければなりません。

そしてバランスの取れた食事を規則正しく朝・昼・晩の3食食べること、そして、そのあとにしっかり歯磨きなどのセルフケアを行うことが望ましいです。
また、子供は間食もすると思います。
特に人工甘味料を使用したおかしの中には大量の糖質が入っています。
代表的なものでチョコレートや飴、ガムなど、コーラやスポーツ飲料水の中にも大量の人工甘味料が入っています。

では何を食べればいいの?と思うでしょう。
それは、蒸かしたさつまいもやバナナ、リンゴなどの果物や牛乳やお茶などの飲み物など、自然のものに近い食べ物や飲み物が虫歯になりづらいものと言われています。

また、ダラダラ食いやダラダラ飲みなど、常に食べ物、飲み物を口の中に入れておくと虫歯になるリスクが高くなります。

よって、規則正しくバランスの取れた食事と、歯にやさしい食べ物、飲み物を与えるだけで虫歯になるリスクは大きく減少させることができます。

歯磨き

次に、セルフケアのお話をします。
一番効果の望めるセルフケアは歯磨きです。
しかし、歯磨きの嫌いな子供はたくさんいると思います。
そして子供にはなぜ歯磨きをしなければならないか理解することは難しいでしょう。
なので、子供には毎日歯磨きをする習慣をつけ、最後に大人による仕上げ歯磨きが重要になってきます。

子供にとって歯ブラシは異物でしかありません。まずは歯ブラシを口に入れることに慣れさせる必要があります。
そして自分で歯ブラシに興味を持ったらくわえせる程度で十分ですので子供自身にやらせてみるのもよいでしょう。
実際大人でも上手に歯磨きができている人はほとんどいませんし、まして子供に上手に歯磨きをさせようなんてことは不可能です。

まずは小さいころから歯磨きを習慣付けさせ、少しずつ歯磨きの必要性や重要性、方法を教えていけば自然と自分自身で虫歯になりにくい口腔内環境を作ることができると思います。

フッ素化合物の使用

歯磨きに加えてフッ化物配合のケア用品を使用するとも望ましいでしょう。
皆さんは『再石灰化』ということを聞いたことがありますか?

普段、口腔内は中性に保たれています。
しかし、食べ物や飲み物を口の中に入れると口腔内は酸性になります。
酸性になると歯が脆くなりそこに虫歯菌が付着し浸食することで虫歯になります。
しかし、人間の唾液には口の中をアルカリ性にさせる作用があり、食事後に自然と中性に戻っていきます。
これを再石灰化と呼び、この作用によって中性に戻された口腔内は再度虫歯になりにくい状態になります。

その再石灰化を促進させる効果があるとして今注目されているのがフッ化物です。
フッ化物は市販されている歯磨き粉などのケア用品に配合されています。
そこで、そのフッ化物を直接口腔内に塗布、もしくはスプレー状のものを吹きかけることにより、再石灰化を促進させることが可能で、所謂虫歯に強い歯になります。

そして、定期検診で虫歯予防を行うことで虫歯になるリスクを大きく下げることができます。
ぜひ浜田山おとなこども歯科・矯正歯科で小児歯科を受診し、お子さんを虫歯から守ってください。