入れ歯を希望しています。保険と自費の入れ歯はどう違うのでしょうか? blog

2015.08.13

入れ歯には二種類あり、保険治療内で作ることのできる入れ歯と、患者の自費負担で作ることのできる入れ歯があります。
要するに、保険適用となる入れ歯と保険適用外となる入れ歯が存在するわけです。

これらは単にシステムが異なるだけでなく、入れ歯自体の作りも異なっています。
ここでは、そんな入れ歯をテーマにして、保険と自費による入れ歯の違いについて説明していきます。

1. 保険適用の入れ歯の特徴

保険適用の点からイメージできるとおり、費用が安いのが最大の魅力です。
ただし、質に関してはそれほど誇れるものではなく、万人向けを意識した作りになっているのが特徴です。
当然一人ひとり噛み合わせなどが異なりますし、その意味で、装着しても安定しないことがあります。

患者さんごとの視点に立った作りは実現されていないため、隙間ができてしまったり、不具合が起こりやすくなってしまうのです。
これは、保険適用で使用できる部品が限られていたり、作成に時間をかけるほど赤字になってしまうという、いわゆる歯科医院側の都合によって起こり得る問題です。

また、不具合に関してですが、起こり得る問題としては、痛い、入れ歯が外れてしまった、噛み合わせが悪いなどの症状があります。
こうした場合は歯科医院で調整してもらう必要があります。

2. 自費の入れ歯の特徴

一言で表現するならオーダーメイドであり、高額な費用になるものの、質に関しては確かなものになります。
患者さんごとの特徴に合った入れ歯を作成し、そのチェックも丁寧で精密なものになります。
また、その分完成までに時間がかかり、保険の入れ歯の最低倍以上の期間が必要になります。

ちなみに保険適用の入れ歯が一ヶ月から一ヶ月半程で完成するのに対し、自費の入れ歯の場合、早くて三ヶ月、時間がかかると八ヶ月近くの期間がかかることもあります。
ただし、その後のメンテナンスの手間は全く逆となります。

保険の入れ歯は、頻繁な不具合でその都度通院が必要なのに対し、自費の入れ歯は普通に使っていれば問題が起こるケースも少ないのです。
このため、定期メンテナンスという意味で言えば、年に一度でも充分対応できます。

3. 製作の過程

自費の入れ歯は高額な分、質は高いものになるため、保険適用の入れ歯と比較すると、製作の過程にも大きな差があり、その一例をここで紹介します。
保険適用の入れ歯の場合は、まず診断と型取りを行い、その後噛み合わせと歯並びをチェックして完成です。

一方自費の入れ歯の場合は、最初の診断と型取りまでは同じですが、その後に大きな差が出ます。
まず咬合器に装着し、治療計画を立てていき、さらに残った歯に対して抜歯や治療の処置を行います。
その後治療用の型を取り、顎の動きや仮合わせで細かくチェックします。

それに問題がなければ、ここで初めて本格的な型取りを行い、これが最終形になります。
このように、完成度だけでなく、そこまでの過程にも大きな違いがあります。
当然しっかりと考えられて作られているのは自費の入れ歯の方であり、こうした完成度が費用の高さにも繋がっているのです。

4. どちらがおススメか

費用の差をどう考えるかによりますが、それを抜きにすれば自費の入れ歯の方がおススメです。
ファッションのオーダーメイドと違い、入れ歯のオーダーメイドは日常生活において利点があるからです。
保険の入れ歯の場合は熱を伝えにくく、味覚も薄くなってしまうため、濃い味が好みになってしまいます。

こうなると健康上の問題にも関わってきますし、外見上の見た目の違いもあります。
正直入れ歯の生活を歓迎する人はいないでしょうし、それでも入れ歯が必要になった場合、少しでも自然の歯の感覚で生活できることを望む人が大半です。

そう考えた時、それが叶うのは明らかに自費の入れ歯になるのです。
もちろん、保険の入れ歯が悪いというわけではありません。
国が認めたものであることには間違いないですし、あくまで質の差を比べた上の話です。

いかがでしたか?
最後に保険と自費の入れ歯の違いについてまとめます。

  1. 保険適用の入れ歯の特徴 :費用が安いのが魅力。時間と部品に制限があり、不具合が起こりやすい
  2. 自費の入れ歯の特徴 :いわゆるオーダーメイド。高額な分、患者にあった質の高い入れ歯が特徴
  3. 製作の過程 :自費の入れ歯の方が、完成度が高い分、それまでの過程も精密で時間をかけている
  4. どちらがおススメか :費用の差をどう捉えるかによるが、質を考えれば自費の入れ歯が優れている

これら4つのことから、保険と自費の入れ歯の違いについて分かります。
違和感や完成度を重視するなら自費の入れ歯、費用の安さを重視するなら保険の入れ歯を選ぶべきです。
また、それぞれの入れ歯を使用している人の意見や感想をネットで調べてみるのも手です。
入れ歯の生活に少しでも負担や支障が少なくて済むよう、慎重に選ぶようにしてください。