歯医者さんに腕の差はありますか? blog

2015.09.01

歯科医師は技術職です。

歯科医師には腕の差は関係あります。
現在技術の進歩により機械が自動的に治療行為を行ってくれるようなものも出てきましたが、まだまだ人の手によって歯科治療を行うことが多いです。
もちろん、指先の器用さも大切ですが、経験や知識がなければ患者さんに適した治療をすることは難しいと思います。

例えば、虫歯になった歯を削るとき、腕が悪い方は削りすぎ、もしくは削らなさすぎてその歯をダメにしてしまうことも考えられますし、その時に歯茎や隣り合っている歯を誤って削ってしまうこともあります。
それだけではありません。
歯型を取るとき、噛み合わせを調整するとき…ほぼすべての医療行為に歯科医師が直接関わってきます。
なので、手先の器用さなど熟練した技が必要なことは確かだと思います。
もちろん、お若くしてお上手な先生もいらっしゃいますので、一概に若い先生はダメ、ベテランの先生が良いとは言い難いですが、ある程度臨床経験のある歯科医師が信頼できるのではないでしょうか。

歯科医師は技術だけではありません。

手先が器用に越したことはありませんが、それだけでは良い歯科医師ということは難しいと思います。
私が思うには、専門の学会や勉強会に所属しており、常に新しいことを学び取り入れているかということだと思います。
もちろん、大学で一通りの治療内容の実習や知識を学びます。
しかし、大学のみの技術や知識ですとどうしても追いつかない…ということが日々の治療を行っていると出てきます。
また、医療は日々進化しており、大学で習ったことが一昔前のこと…なんてこともあるかもしれません。
もちろん、新しい知識があればよいというわけでもありませんが、少なくとも、自分に多くの引き出しを持っており、患者さんの病状に合わせて適切な診査診断をして治療計画を立て、歯科治療を行っていかなければならないと思います。
大学では最低限度のことしか教える時間もないと思いますし、卒後研修医として多くの臨床に携わり学んでいくものです。
ですので、大学卒後にそのまま勉強もせず診療を行うと、自分の中のレパートリーが限られてしまうため、臨機応変に診療を進められない…なんてことがあると思います。
また、学会に所属してしっかりした勉強、また研修を受けることで専門医の認定も取得することができます。
例をあげますと、歯周病の専門医や噛み合わせの専門医、近年ですとインプラントの専門医などがあり、しっかりとした専門知識を持っていなければなれないものがあります。
このような認定を持った専門医は少なくとも良い技術と知識を持っているのではないかと思います。

腕のいい歯科医師がいる歯科医院がよい歯科医院ではありません。

もちろん、腕の良い歯科医師がいることはその歯科医院は良い歯科医院なのかもしれません。
しかし、歯科医療は歯科医師のみが行うことではありません。
歯科医療には歯科医師のほかに、歯周病の治療を行ったりメインテナンスを行う歯科衛生士、そして歯科補綴物を製作する歯科技工士がいます。
もし腕の良い先生がどんなによい治療を行っていても、そこでメインテナンスを行う衛生士の技術や知識が不足していれば、長期に安定する治療は行えませんし、もし歯科技工士の技術や知識が不足していたら、口の中で安定して使用できる歯科補綴物は提供されません。
歯科治療はチーム医療と言われており、誰か1人欠けてしまえば満足した歯科治療を提供することができません。
そして、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士に患者さんを入れることで効果の高いそして満足していただける歯科医療を行うことができます。
現在、歯科医師だけでなく歯科衛生士、歯科技工士にも認定を与えている学会もあり、それが一つの判断材料になるのではないかと思います。

治療費に惑わされないでください

日本の歯科診療は、健康保険が適応できるものとそうではないものが存在します。
健康保険適応内の診療ならば、全国どこの歯科医院に行っても同じ治療費で診療を受けることができます。
しかし、健康保険適応外の所謂自費診療は歯科医院ごとに異なっています。
ここで、安いところから高いところまであります。
もし、スーパーのように同じものを販売しているのであれば1円でも安いところで買い物をしたいですが、歯科治療はそうはいきません。
やはり、安さを売りにしている歯科医院は何か裏があるのでは?と頭のどこかにおいておかなければいけないと思います。
腕の良い先生は良い治療を提供できます。
つまり、時間も技術も最大限使って患者さんに良い歯科医療を行います。
よって治療費も比較的高額になってしまう、と考えられます。
また、使っている材料や機材、また歯科補綴物を製作する歯科技工士も技工料が異なります。
どうしても良いものを使用すると高くなってしまうのは仕方がないことだと思います。
ですので、あまりにも他院と比べて治療費が安いならば、注意しておかなければならないのではないかと思います。