定期健診は何故必要なのですか? blog

2015.09.08

まずは虫歯にならないために

皆さんが虫歯にならないようにするために、毎日歯磨きをすると思います。
歯磨きは一番簡単で手軽にできるセルフケアです。
しかし、どうしても歯磨きだけでは虫歯の予防をしきれません。
それは、虫歯になりやすい、なりにくい等の体質も関係しますが、一番は歯磨きの仕方にあります。
皆さん今行っている歯磨きの仕方はいつどこで習いましたか?
多くの人は知らない間に歯磨きの習慣がついていると思います。
そして、歯磨きの方法も知らない間に身についていると思います。
ですがはたして皆さんが行っている歯磨きの方法は本当に正しいものでしょうか?
歯磨きには正しい方法が存在します。
もちろん、その方法をやったからといって完全に虫歯にならないわけではありませんが、少なくとも虫歯になるリスクは軽減されます。
歯磨きの仕方を間違えてそのままずっと過ごすと、磨きやすいところはいいですが、磨きにくいところは磨き残しをしてしまい、結果虫歯になってしまいます。
定期検診では、その磨き残しや歯石のクリーニングと正しい歯磨きの方法を教えてくれます。

歯肉炎・歯周病の予防

虫歯だけでなく、定期検診を受診することで歯周病の予防にも繋がります。
定期検診の時、歯のクリーニングと共に歯茎の検診も行います。
健康な歯茎はピンク色をして引き締まっていますが、歯周病にかかっている歯茎は赤くはれ上がり、ぶよぶよしていて少し触っただけでも出血が見られます。
しかし、これは重度の歯周病の方の特徴で、歯周病には至りませんがその予備軍である歯肉炎はパッと見ただけでは素人には判断できません。
ですので、歯肉炎から歯周病にならないように早い段階で食い止めるためにも定期検診で歯茎の状態も見てもらう必要があります。
もし、歯肉炎・歯周病が見られたら、歯茎のマッサージや薬の処方、ひどい場合ですと外科的処置が必要になります。
まだ、軽度の段階で発見されたならば、治癒も早いですし外科的処置など体に負担がかからずに治療することが可能です。
もし、重度の歯周病になったならば、歯茎が痩せて、歯を支えている歯槽骨という骨が吸収され、歯がぐらぐらしたり最悪の場合歯を抜かなければならないなどの処置が必要になります。
歯を失う原因は虫歯だけでなく歯周病も関係します。
ですので、年に数回決められた期間で定期検診を受診することで虫歯や歯周病を軽度のうちに発見することが可能になります。

噛み合わせの確認

人間の顎は骨でしっかり固定されているわけではありません。
筋肉や腱で支えられているので、噛み癖や噛み合わせの状況で顎の位置が変化してしまいます。
もし、虫歯を治したところに歯科補綴物を入れて、それが原因で顎の位置が変化して噛み合わせが合わなくなってしまったら、口の中全体のバランスが崩れてしまいます。
まだ、歯の痛みや顎の痛みが出た場合は、少しの調整で済む場合がありますが、それでも修正できないと肩こりや頭痛など体全体のバランスが崩れてきて至るところに影響が出てきます。
もちろん、自分の歯が無かったりもともと変な噛み合わせの方も顎の位置が変わったりします。
そして、長い時間をかけて体に悪影響を与えます。
そうならないためにも、歯科医師による噛み合わせの確認と調整が大切になっていきます。
もし、軽度ならば少し歯や歯科補綴物を削って調整を行えば治癒しますが、あまりにも噛み合わせが悪いならば、歯科補綴物を再度作り変えたり歯科矯正を行い、噛み合わせの改善を行います。
こうなると、治療期間長くなりますし治療費も高くなってしましますので、悪くならないうちに正しい噛み合わせに戻して長期的に安定させることが定期検診を受診することで可能になります。

予防と患部の早期発見のために定期検診を受診してください

虫歯も歯周病もすぐになったりはしません。長い時間をかけて少しずつ進行します。
ですので、患者さん自身は自分の口腔内の変化に気付きにくいかもしれません。
ですが、もう歯が痛くなったり歯周病で歯茎がブヨブヨしたり出血が見られたら手遅れなのです。
そうならないためにも、定期検診で口腔内の小さな変化を見つけてもらい、虫歯や歯周病の進行をストップさせることが重要だと思います。
もし、虫歯を痛みが出るまで気付かずにいたら、神経を取ったり最悪の場合歯を抜かなければなりません。
しかし、もし痛みが出る前に虫歯を発見できたのならば、虫歯菌に侵された部分を少し削り取るだけで治療が済む場合もあります。
つまり、発見が早いほど治療期間も短いですし治療費も安く済みます。

歯は、人間の体の中で唯一治癒能力がなく、一度失ってしまったら新しく生えてくることはありません。
ですので、虫歯や歯周病にならないためにも定期検診を受診してください。
そして、歯科衛生士によるクリーニングと正しい歯磨きの方法を教わり、虫歯と歯周病にならない口腔内環境つくりを行いましょう。