歯を失う原因の1位が歯周病ってホント? blog

2015.10.06

日本で歯周病になっている人の割合は25歳~34歳で75%、35歳~64歳で80%というデータが残っています。
成人男性のほとんどが歯周病になっているのです。そして、歯周病は歯茎の炎症から始まり、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
歯を失う原因で最も多いのが、この歯周病です。厚生労働省の調査によると、75歳以上で残っている自然歯の平均数は10本を下回っています。
医学の進歩によって寿命は長くなっても、歯の寿命は短いままです。
元気に生きるために、歯を残すということはとても重要なことです。食べる喜びは、生きる喜びに繋がります。

そして、歯周病の恐さは口の中だけではありません。深刻な全身疾患をも引き起こしたり、悪化させる可能性があるのです。
健康的に生きるために、真剣に歯周病の治療や予防について考えなくてはいけません。

歯周病にはこんなリスクがある

歯周病菌は血管内に血栓をつくりやすいため、全身疾患を引き起こすリスクを高めます。
例えば、心筋梗塞や脳梗塞、狭心症が挙げられます。また、歯周病菌が肺に入り込むことで肺炎になることがあります。
妊娠中の女性は、早産や低体重児出産の恐れがあるので、注意しなければいけません。
他にも歯周病は糖尿病や骨粗鬆症とも関連性が深いと言われています。

妊娠中の女性が歯周病によるリスクが高まる理由は女性ホルモンの分泌が関係しています。
思春期や開経前、妊娠中は女性ホルモンが多量に分泌され、歯周炎を生じやすくなります。
同じように更年期障害や骨粗鬆症も、治療に女性ホルモンであるエストロゲンが使用されるので、歯周病に影響を与えます。
特に更年期は体の不調やストレスも感じやすいため、注意したい時期です。
このように歯周病になりやすい時期や特徴を知っておくことで、日ごろのケアや予防に役立ちます。

こんな人は歯周病に気をつけたい

女性の妊娠中や更年期のように歯周病を引き起こしやすい特徴を理解しておきましょう。
快適な生活を送るために、正しい知識を身につけて予防措置をとることが大切です。

喫煙者

タバコの有害物質は免疫力を低下させます。
そのため、歯周病を引き起こしやすくなります。

間食の多い人

食べている時間の長い人は、口腔内の自浄作用が追いつきません。
細菌の繁殖が進み、歯周病菌を増やしてしまいます。

ちゃんと噛まない人

食事中によく噛まないと唾液の分泌が少なくなります。
間食の多い人と同じように、自浄作用が働かず歯周病菌を増殖させます。

ストレスの多い人

睡眠不足や過労など不規則な生活を送っている人は歯周病の感染リスクを高めます。
日常生活を見つめなおすことも歯周病を防ぐ方法です。

このような人たちは特に歯周病に気をつけましょう。
歯は失ってしまってからでは手遅れです。治療はできても、完全に元の歯に戻ることはありません。
健康な歯を保つことが、どんな役割を持つのか理解しておきましょう。

なぜ健康な歯が大切なの?

歯周病が全身の健康を損なう恐れがあるように、歯が持つ役割というのはとても大きいものです。
気づきづらいことですが、歯があることで私たちはこのような力を発揮しています。

食べ物を噛むことができる

食べ物はしっかりと噛むことで胃腸の負担を減らすことができます。
噛むことができなくなると、口から食べ物を入れることができなくなります。
食べることができなくなった病人は、どんどん生きる気力を失っていきます。
食べるということは、生きていく上でとても大切な行為なのです。

食べる楽しみを増やす

歯があることで、人間は「歯ごたえ」「温度」を感じることができます。
歯で味わいを感じことで、食べる楽しさが増していきます。
食べる楽しみを奪われると、人はとてつもないストレスを感じることになります。

異物の飲みこみを防ぐ

歯で口に入れた物を分別し、異物の飲みこみを防いでいます。
魚の骨や付着したプラスチックなどを飲みこんでしまうと危険な事態になることがあります。
そのような状況を防ぐ役割を歯は持っているのです。

きれいな発音をする

入れ歯を外した老人が正しい発音をできないように、歯がなくなると言葉を発することが難しくなります。
伝えたいことが伝わりづらいというのは大変なことです。歯が生えそろっているから、正しい発音で言葉を発することができるのです。

力を入れる

力を入れるときは歯を食いしばります。つまり、歯を食いしばるための奥歯がないと、力が入りません。
歯があるからこそ、力が出やすくなるのです。

顔のバランスを整える

左右の歯どちらかが揃っていないと、顎の筋肉や骨にズレが出てきます。
それぞれの成長に影響があり、顔のバランスが崩れてくることがあります。

まとめ

歯科医は歯が痛くなってから行くと思っている人がいるのですが、決してそうではありません。
特に、歯周病は気づきづらい症状であるため、定期健診や日常のケアが大切です。
治療を繰り返せば、歯にダメージが蓄積されます。治療が重なることでいずれ歯を失ってしまうことがあります。
何よりも大切なのは歯周病を予防することです。早めの発見と治療が、あなたの歯を長く守ってくれます。