歯周病の治療にはどんなものがあるの? blog

2015.10.08

成人のほとんどが悩まされているという歯周病ですが、治療はどのような方法があるのでしょうか。
歯周病の治療は大きく基本治療、歯周外科治療、メンテナンスの3つに分けられます。
歯周病の進行度によって基本治療だけ受けるのか、その後外科治療を受けるのか変わります。

基本治療はプラークを取り除くための治療です。基本治療によって対応しきれない場合に外科治療に移ります。
プラークを取り除く基本治療に対し、外科治療は骨の形を整えたり、抜歯を行います。

また、治療が終わったからといって歯周病が完治したわけではありません。
健康な状態を維持するためにメンテナンスが必要です。歯周病が悪化しないように、すべての人が維持する治療を受けなければいけません。

歯周基本治療

歯磨き指導

磨き残しのチェックなどをしながら、正しい歯磨き方法を指導します。
意外と正しい歯磨きができている人は少ないです。
歯ブラシの選び方から磨き方まで改善することで歯周病治療になります。

噛み合わせや詰め物の調整

噛み合わせが悪いと歯周病を進行させる原因となります。
また、詰め物がきちんと適合していないと細菌が溜まりやすくなってしまいます。
そのような口の中の不具合を治していきます。

生活指導

喫煙や食生活などで歯周病の治療が遅れてしまうことがあります。
禁煙指導など日常生活を改善することが歯周病治療になります。

プラークコントロール

歯ブラシやデンタルフロスによってプラークが付かないようにすることをプラークコントロールと呼びます。
プラークは毎日口の中で発生します。プラークコントロールを続けることで、歯周病が改善されていきます。
つまり、プラークコントロールができれば、歯周病治療のほとんどが完了することになります。
歯周病に見られる出血や口臭といった症状が改善されます。

スケーリング

スケーリングは歯石を取り除くための治療です。
歯がツルツルになり、プラークが付きにくい環境をつくります。
歯石ができる原因はプラークと唾液です。歯石があると細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
しかし、歯石は歯磨きで取り除くことが難しく、スケーリングで砕いて取るしかありません。

ディープスケーリング

歯石は歯茎の中で硬くこびりついてしまう場合があります。
その際に歯石を取り除くための治療がディープスケーリングです。
器具を使ったり、超音波振動で歯石を取り除いていきます。
注意しなければいけないのは、歯茎を正常な状態にしてからでないと歯石を完全に取り除くことができません。
歯周ポケットに溜まっていたプラークが除去され、細菌が入りにくくなります。
そして、歯周ポケットの深さが4mmまでであればディープスケーリングで対応することができますが、5mm異常になると外科治療をしなければ歯石の除去ができません。

歯周外科治療

フラップ手術

歯周ポケットの深さが5mm以上になるとディープスケーリングではなく、外科治療のフラップ手術となります。
5mm以上になると歯茎の入り口から歯石を除去できません。そのため、歯茎を切開してすべての歯石を取り除いていきます。
歯の根は複雑な形をしています。必要であれば歯茎の中にある骨の形を整えて、歯周ポケットを調整します。
フラップ手術は1時間程度で完了します。

歯周組織再生療法

歯を支える骨が最低限残っていなければ、骨を再生するための治療が必要になります。
人工の骨を入れることで骨が再生され、深くなった歯周ポケットを改善し、プラークを溜まりづらくします。
こちらの再生療法も1時間程度で完了し、溶けてなくなった骨を再生します。

歯周病の最新治療法

ジスロマック(抗生物質)

抗生物質のジスロマックを使って歯周病菌を殺していきます。
強い抗生物質であるため、数週間効果があります。
歯石を取り除き、バイオフィルム内の細菌を死滅させます。抗生物質なので、身体に良い最近まで殺してしまいます。
治療後はメンテナンスをして元に戻らないようにしなければいけません。
ベリオバスターというスプレー剤でプラークをコントロールします。

3DS(専用マウスピース)

3DSという専用のマウスピースを歯科医でつくり、歯磨き後にマウスピースを使って治療します。
マウスピースに薬を含み、歯周ポケットの隅々に浸透させます。薬の効く時間が長いという利点があります。

プロバイオティクス(善玉菌)

歯磨き後にプロバイオティクスというタブレットを舐めて、歯周病菌をなくしていきます。
使い続けないと歯周病菌が復活してしまいます。歯科医だけでなく市販でも同じような商品(バイオガイヤプロデンティス)を
購入することができます。

まとめ

歯周病の治療方法は重症度によって変わってきます。
基本治療だけで済めば良いですが、重症であれば外科治療となってしまいます。
不調に気づいたら、早めに治療することをお勧めします。
また、新しい治療方法も出てきているので、自分の身体に合った方法を選ぶと良いでしょう。