虫歯の治療は痛いですか? blog

2015.11.05

虫歯の治療といえば、キーンという「嫌な音」と「痛い」というイメージをお持ちの方が多いと思います。
虫歯の治療は痛いからと先延ばしにしていませんか?
しかし、その判断が痛い治療と痛くない治療とを分けているとしたらどうでしょうか?
じつは、虫歯の進行度によって治療法や痛みが大きく変わってきます。

虫歯の進行度と治療法

虫歯は進行度によってCO~C4の5段階に分類され、それぞれ治療法が異なります。

CO 初期の虫歯
歯に穴が開く前の状態です。痛みはなく、穴も開いていないことから自分では気がつかず、歯科検診などで発見されることが多いです。
お口の中の環境を整え、正しい歯磨きやフッ素塗布などで改善できます。
C1 中期の虫歯
歯の表面のエナメル質に穴が開いた状態です。この時点で痛みはありません。
ただし、放っておくとどんどん進行します。穴の開いた部分をレジンや金属などで修復します。
C2 後期の虫歯
虫歯がエナメル質の下、象牙質に達した状態です。
神経には到達していないので強い痛みはありませんが、象牙質の知覚によって冷たいものや甘いのものがしみることがあります。
穴の開いた部分を削り、金属などで修復します。
削る際の水や風によってしみる場合は麻酔が使われることもあります。
C3 後期の虫歯
虫歯が歯髄(歯の神経)に達した状態です。ズキズキとした痛みがあります。
神経が炎症を起こしているので麻酔が効きにくく、削るときにも痛みを感じることがあります。
麻酔をした後、神経を取る治療をします。神経の治療が終わったら金属などで修復します。
1~3ヶ月くらいかかります。
C4 末期の虫歯
虫歯が進み、根っこだけになった状態です。神経はすでに死んでいることが多く、痛みは感じなくなっています。
根っこの先端には膿の袋を形成していることもあります。
虫歯が根っこにまで到達した場合には歯を残すことは難しく、抜歯になることもあります。
抜歯の後は入れ歯やブリッジ、インプラントなどで修復します。

痛みの原因は?

虫歯の治療は、初期で発見できれば「痛くない」。
しかし、中期以降になると「痛い」ということがお分かりいただけましたか?

ではなぜ痛いのでしょうか?

その1 従来の治療法による痛み
従来の治療法は、虫歯に感染した部分を全部削り取る方法です。
虫歯の取り残しがないように、健康な歯も削ってしまい、削る量が多くなってしまいます。
また、削る際に使うドリルのような機械の振動や熱は歯にダメージを与え、痛みを起こします。
削るから、痛いと言えます。

その2 麻酔による痛み
痛くないようにと打ってくれる麻酔が痛いことがあります。
麻酔が効きにくい部位というのもあります。
何とか乗り越えても麻酔が切れた後に痛みがやってくることもあります。

では、痛くない麻酔と治療法はどのようなものかみていきましょう。

痛くない麻酔

表面麻酔
麻酔で痛いのは、針を刺す瞬間です。
そこで、針を刺す歯肉に麻酔薬を塗布して、痛みを感じにくくすることができます。
電動注射器
なるべく細い針でゆっくり麻酔薬を注入することで痛みを軽くできます。
電動注射器は少量で効率の良い麻酔が可能です。

削らない&痛くない治療法

ドックスベストセメント

歯を削らずに、または削る量を最小限に抑えます(痛みはありません)
虫歯の部分を洗浄、殺菌し虫歯の原因菌を無菌化するミネラル薬剤を塗布したあと、コーティングします。
従来の治療法であれば、神経を取らなくてはいけないような神経に近い虫歯も、神経を取らずに治療することができます。
痛くないのでお子さんにも使えます。

カリソルブ治療

虫歯に薬剤を塗布し、軟らかくなった虫歯の部分だけを特殊な道具を使って除去する方法です。
歯を削るドリルのような機械はほとんど使わないので振動や熱を与えることもありません。
神経に近い虫歯でも、神経を残すことが可能になります。

kesslers(ケスラーズ)システム

お口の中の虫歯菌を特定することで、目には見えないような初期虫歯を発見し、さらにオゾンを使って殺菌します。
なってしまった虫歯を初期の段階で食い止めるというものです。

レーザー治療

虫歯を瞬間的に高熱で蒸発させる方法です。痛みや振動はなく、健康な歯は傷めずに治療できます。
小さなお子さんの乳歯にも使うことができます。

まとめ

いかがでしたか?
歯を削らない、神経も残せるかもしれない、痛くないと、いいこと尽くしのようですが、上記のような治療はどこの歯科医院でも取り扱っているわけではありません。
費用も保険適用外になるため、医院によって変動があります。
まずはかかりつけの歯科医院でご相談されることをお勧めいたします。
本当の痛くない虫歯の治療法はやはり早期発見、早期治療です。
痛みが出る前に歯科医による定期的な検診を受けることがとても大切です。