虫歯の症状を教えてください blog
2015.11.10
虫歯と言えば痛いものと思っていますが、初期の段階では痛みはありません。
自覚症状がないのに歯科検診に行ったら、虫歯だったということはよくありますね。
では、虫歯の症状とはどんなものがあるのでしょうか。
虫歯はその進行ぐあいによりCO、C1、C2、C3、C4と5段階に分けられます。
CO(シーオー)
ごく初期の虫歯または要観察歯といわれるものです。
虫歯の原因となる「細菌(ミュータンス菌)」から出される「酸」によって歯の表面からカルシウムやリン酸という大切な成分が溶け出します。
これを「脱灰」といいます。
虫歯から守ってくれる再石灰化
私たちの体には自然治癒力が備わっています。
お口の中も同じで、脱灰によって失われたカルシウムやリン酸は唾液によって補給され、エナメル質をもとの状態に戻してくれます。これを再石灰化といいます。
お口の中では、この再石灰化と脱灰を繰り返しているわけですが、このバランスが崩れると虫歯になると言えます。
- 症状
- 脱灰した歯の表面は白っぽくなり、艶が失われた状態です。
虫歯という名前がついていますが、痛みはなく、黒く変色したり、穴が開いているということもありません。この段階では削るなどの治療は必要ありません。
ただし、放置しておくと進行してしまいます。 - 予防法
- 間食を控え、規則正しい食生活を送ることが再石灰化を促し、虫歯予防につながります。
歯の質を強化するためにもフッ素塗布は効果的です。
C1(シーワン)
COから進行した虫歯です。
- 症状
- 脱灰によってエナメル質が溶かされ、穴が開いてしまった状態です。
さらに穴が開いた部分が黒や茶色に変色してきます。
まだ表面にあいた小さな穴なので痛みはありません。
ただし、甘いものを食べたときにしみることもあるようです。
C1まで進行してしまうと再石灰化によって修復されることはありませんので治療が必要です。
進行が遅い場合は経過観察されることもあります。 - 一般的な治療法
- 穴の開いた部分を少し削り、コンポジットレジンを詰めます。
麻酔の必要はなく、一日で治療が終わります。
C2(シーツ―)
さらに進行してエナメル質をこえ、象牙質にまで到達した虫歯です。
- 症状
- この段階になるとようやく虫歯の自覚症状が現れます。
冷たいものや熱いものがしみたり、痛みを感じます。
歯の表面に黒い穴が開いているのが見た目にもはっきりわかります。
エナメル質に比べて、象牙質は柔らかく、虫歯の進行がとても速いので早急に治療が必要になります。 - 一般的な治療法
- 麻酔をかけ、虫歯の部分をけずりとり、型を取ります。
後日、出来上がった銀歯(インレー)をセメントで接着します。 - 削らない治療
- 痛くない、削らない治療法(ドックスベストセメント)では、洗浄、殺菌した後お薬をつめて、コーティングするだけで終了です。
C3(シースリー)
C2よりさらに進行し、象牙質をこえ歯髄(歯の神経)にまで到達した虫歯です。
- 症状
- 大きく穴が開いて黒く変色しています。見た目は小さな穴でも奥で広がり神経まで到達しているものもあります。
また、詰め物の下で虫歯になっている場合もあります。
しみる、ズキズキ痛む、歯ぐきが腫れるなどの症状があります。
まれに、症状が何もない場合もあるので注意が必要です。 - 治療法
- 神経に到達しているため、麻酔をかけて治療をします。
虫歯の部分を機械で削り、歯の根っこの部分にある歯の神経を針のようなもので取り除きます。
C4(シーフォー)
C3よりさらに進行した虫歯で、虫歯菌は歯槽骨まで達しています。
- 症状
- 歯の上の部分は崩壊し、根っこだけが残っている状態です。
神経は死んでいて、痛みはありません。(痛いのを通り越した状態ということです)
感染した歯槽骨は溶け出し、膿を作っている場合があります。
歯ぐきは腫れて、炎症を起こします。(歯ぐきが痛いと感じることがあります)
虫歯菌が骨に達したことで、全身に回り他の病気を引き起こすことがあります。(歯性病巣感染) - 治療法
- 抜歯か保存かに分かれます。
健全歯質が多く残っている場合や歯槽骨の状態が良いなどの場合は神経の治療をして歯を残すことがあります。
まとめ
- 虫歯は初期の段階では痛みがない。
- 初期の段階では自然治癒力により再石灰化して治してくれる。
- 初期の段階で治療することで痛みのない治療を受けることができる。
- 虫歯を早期発見するためには定期検診が大切。
- 規則正しい食生活は虫歯を予防し、又は進行を遅らせることができる。
- 痛みがなくなったのは治ったのではなく神経が死んでしまった。
- 虫歯を放置すると、全身の健康に悪影響を及ぼすことがある。
いかがでしたか?
虫歯になりたくない、なってしまっても痛くない治療を受けたいとは、だれもが思うことです。
ご自分のお口の中に関心を持つことは予防の一歩につながります。
早期発見、早期治療のためにもぜひ定期検診をおすすめします。