痛まない虫歯は治療しないでもいい? blog

2015.11.12

虫歯があるのに、痛くない。
痛くなければ歯医者に行かなくてもいい?それとも行った方がいい?
と、心配になる人も多いのではないでしょうか?
では、痛まない虫歯とはどういった状態なのでしょうか。
放っておいた場合はどうなるのでしょうか。

1.歯の表面に黒い点がある

歯の表面(エナメル質)が虫歯になりかけています。
エナメル質だけが虫歯になった場合、痛みはありません。
しかし、そのままで放置すると虫歯はエナメル質の下(象牙質)まで進行してしまい、しみるなどの痛みを感じることもあり、そうなると治療も痛みを伴います。
また、表面的に見えないだけで奥まで進行している場合もあります。
判断せず専門家の診断を受けたほうが安心です。
小さな虫歯なら、痛みなく治療できますし、治療せず経過観察される場合もあります。
この場合はこれ以上進行しないように適切なブラッシング法や生活習慣の改善などのアドバイスをしてくれますので、ぜひとも歯科医院を受診することをお勧めします。

2.穴は開いていないが、黒っぽく透けている

エナメル質の一部が溶け、虫歯が象牙質の中で広がっている状態です。
エナメル質は硬く、象牙質は柔らかいため、エナメル質は残って、象牙質があっという間に進行してしまいます。
象牙質に広がった虫歯が神経から離れている場合などは、まだ痛みを感じないことがあります。
放っておくと虫歯が神経近くまで進行し、痛みがでてきます。
さらに進行すると神経の治療も必要になり、治療時の痛みや、通院期間も長くなってしまいますので、気が付いたら早急に受診しましょう。

3.治療した歯の下で虫歯になっている

レジン(プラスチック)や金属などで治療が終わった歯は虫歯にならないと安心していませんか?
レジンや金属は年月と共に摩耗、劣化し、隙間が開いてしまいます。
その隙間から細菌が入り込み、痛みがないまま虫歯が進行していることがあります。
歯ぐきが腫れたり、歯茎に水泡のようなものが現れたり、噛んだ時の違和感など小さな変化を見逃さないようにすることで発見することができます。
お口の中に金属の詰め物や、ブリッジなどがたくさん入っている方は特に注意が必要です。
また、定期的な健診を受けることで小さな異常を見つけて早期発見につながることもあります。

4.大きな穴が開いているのに痛くない

虫歯が進行して神経に到達してしまい、神経が死んだ状態です。
そこに達するまでに痛みはあったはずですが、神経が死んでしまうと痛みがなくなります。
神経の治療をし、しっかり消毒したあとは金属やセラミックで修復します。
放置すると、残っている歯が割れたり、折れたりして、抜歯になってしまうかもしれません。
また、細菌が根っこの先に膿を作って歯ぐきが腫れたり、あごの骨を溶かしたり、全身に細菌が回ったりと歯だけの問題ではなくなってしまうこともあります。
なるべく早く治療しなければなりません。

5.詰め物が取れた

詰め物が取れたけど、痛くないし、虫歯の治療も終わっているから大丈夫、と放置している方多いですね。
詰め物が取れた状態は象牙質がむき出しになって、虫歯に対してとても無防備な状態です。
象牙質は柔らかく、神経にとても近いのであっという間に虫歯に感染し、広がってしまいます。
また詰め物が取れた歯は、割れたり欠けたりしやすいので注意が必要です。
痛みが出ていないうちは詰め物で対処できますが、神経まで進行して痛みが出てきた場合は、神経の治療になることもあります。
詰め物が取れたら、速やかに歯科医院を受診することをおすすめします。

6.歯ぐきが下がった大人の虫歯

子どものエナメル質は薄く、未完成なので虫歯になりやすいのですが、大人はエナメル質も硬く、厚いので本来は虫歯になりにくいのです。
しかし、大人は年齢を重ねるごとに歯ぐきが痩せて下がったり、強いブラッシングを続けているせいで歯ぐきが下がったりと歯の根っこがむき出しになっていることが多く、そこから虫歯が進行してしまいます。
また、中高年になると象牙質は厚くなり、神経の入っている空間が狭くなります。
すると虫歯が神経まで到達するのに時間がかかり、痛みがないままどんどん進行して、気が付いた時には抜歯しかできない状態になっていることがあります。
正しいブラッシング法やデンタルフロスの使い方、歯ぐきのマッサージなど、歯ぐきが下がらないよう予防していくことも大切です。

まとめ

  • 痛みと虫歯の進行は関係がない
  • 治療しなくてもいい痛くない虫歯は初期の虫歯だけ
  • 放置すればするほど、虫歯は進行し、治療も大掛かりになる
  • 治療が終わった歯が最も危険
  • 定期健診は歯と全身の健康を守ってくれる

いかがでしたか?
痛くないからと言って自己判断せず、まずは歯科医院を受診しましょう。
定期健診で管理してもらうと同時に、自分の歯を守る方法をしっかり身につけ、一生自分の歯で暮らしましょう。