ホワイトニングでなぜ、歯が白くなるのですか? blog

2015.12.22

黄ばんだ歯を白くするホワイトニング、以前は芸能人やアイドルだけが行う治療のイメージでしたが、今では一般的なものになりつつあり、実際に希望する人も多くいます。
では、そもそもホワイトニングで歯が白くなるのはなぜなのでしょうか?
と言うのも、仕組みが分からない以上、治療に不安を感じる人も多いと思います。
そこで、ここでは、ホワイトニングの仕組みを分かりやすく解説していきます。

1. ホワイトニングの仕組み

治療時に使用するホワイトニング剤には、過酸化水素や過酸化尿素が含まれています。
そして、これらの成分は、一定温度になることで変化が起き、水と酸素に分解されます。
この時に発生した酸素が、歯の着色を無色透明に分解してくれるのです。
最も、歯が変色しているのは、歯の表面のエナメル質ではなく、その奥にある象牙質です。

このため、無色透明に分解しただけでは、ただエナメル質が透けるだけで、象牙質は変色したままになります。
そこで、過酸化水素や過酸化尿素の特性を利用して、エナメル質の表面の構造を変化させるのです。
こうすることで、エナメル質は透けなくなり、象牙質の黄ばみは隠れ、歯が白く見えるようになるのです。
例えるなら、透明なガラスを曇らせることで、その先にあるものを見えなくするというわけです。

2. ホワイトニングの持続効果

上記で説明したように、仕組み上は歯を白く見せているだけであり、エナメル質の変化がキーになっています。
そして、この変化は永久には続かず、少しずつ元の形に戻ろうとしてきます。
また、それ以前に、新たな汚れが付着して、ホワイトニング効果を妨げることもあります。

つまり、ホワイトニングの効果は永久ではないのです。
このため、一度のホワイトニングで放置してしまえば、いずれ元の変色した歯に戻ってしまいます。
しかし、定期的に歯科医院に通うことによって、ホワイトニングの持続効果を長くすることはできます。

3. ホワイトニングができない人

ホワイトニングを行うには、口内が健康であることが前提になります。
このため、虫歯や歯周病がある人は、ホワイトニングを行うことはできません。
もちろん、それらを治せば行えるので、まず治療を優先して、歯を健康にしてからという手順になります。
また、妊婦や授乳中の女性にもおススメできません。

実際のところ、胎児や母乳に影響があるかどうかは、現時点ではっきりと解明されていません。
つまり、影響があるかもしれないし、ないかもしれないという、漠然的な状況なのが現実です。
しかし、影響がある可能性がゼロでない以上、できるだけ避けた方がいいでしょう。
もちろん、授乳を終えた後は、口内が健康であればホワイトニングを行うことができます。

4. 効果の過信に注意

歯が白くなると言っても、どんな歯のどんな変色も白くできるというわけではありません。
歯の症状によっては、ホワイトニングでも大きな効果を期待できないことがあります。
例えば、テトラサイクリンによって激しく変色した歯は、ホワイトニングでも充分な効果は得られません。
テトラサイクリンは、以前は子供の風邪薬に含まれていたため、今の30代前後の人に多い変色のパターンです。

また、金属の被せものを使用した影響で変色した歯にも、効果は期待できません。
さらに、虫歯などによって神経が死んでしまっている場合にも、充分な効果は得られないと言われています。
これらの症状に当てはまる人は、ホワイトニングを行っても、思ったような白さにならない場合があるのです。

5. ホワイトニングが適さないと感じた人へ

あなたが妊娠していたり、テトラサイクリンに心当たりがあるなど、ここまでの説明で、ホワイトニングに適さないと感じた人もいるのではないでしょうか。
そういった場合は、他の手段でも歯を白くできるため、それを簡単に紹介しておきます。

まずマニキュアの使用です。これは歯科医院で専用のマニキュアを塗り、歯を白くする方法です。
マニキュアの種類によって持続期間が変わってくるため、あなたの希望に合った期間で選んでください。
また、つけ爪のように白いセラミックを貼りつける方法もあり、これはラミネートベニアと呼ばれる治療法です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、ホワイトニングでなぜ歯が白くなるのかについてまとめます。

  1. ホワイトニングの仕組み :薬剤に含まれる過酸化水素と過酸化尿素の特性を利用し、歯を白く見せている
  2. ホワイトニングの持続効果 :永久には続かないが、歯科医院に通うことで長持ちさせることは可能
  3. ホワイトニングができない人 :虫歯や歯周病がある人。妊婦や授乳中の女性もおススメできない
  4. 効果の過信に注意 :テトラサイクリンや金属の影響による変色は、充分な効果を得られないことがある
  5. ホワイトニングが適さないと感じた人へ :マニキュアの使用など、歯を白くする方法は他にもある

これら5つのことから、ホワイトニングでなぜ歯が白くなるのかについて分かります。
ちなみに、ここで説明したホワイトニングの説明は、あくまで歯科医院で行うホワイトニング治療の説明です。
市販のホワイトニング歯磨き粉とは全く意味が異なってくるため、その点には注意してください。