噛むと激痛が走るのですが、これはなに? blog

2016.03.08

食事の際など、噛んだ時に激痛が走るのは、歯の根の周りの膜が炎症を起こしている可能性があります。
これは歯根膜炎と呼ばれる症状で、治療しない限り食事すら困難になってしまいます。
ここでは、そんな歯根膜炎の症状、さらには治療や予防の方法を解説していきます。
噛むたびに激痛を感じるのは苦しいですが、これは歯が送っている大切な危険信号でもあるのです。

1. 炎症の理由の重要性

歯根膜炎の場合、そもそもなぜ歯根膜が炎症を起こしたかが問題です。
と言うのも、炎症の原因によっては治療内容が全く異なってくるからです。
また、噛むと痛いというだけで歯根膜点と断定はできないですし、あくまで可能性が高いだけです。

このため、どちらにしても歯科医院で診察を受ける必要がありますし、実際に歯根膜炎だったとしても、その原因を突き止め、それに見合った治療を受けてください。
また、何が原因だとしても、自然治癒することはないため、放置するのは厳禁です。

2. 虫歯が原因での炎症

虫歯は、虫歯菌という細菌によって引き起こされるもので、この細菌が歯根膜に感染してしまうことで炎症を起こし、歯根膜炎になってしまうのです。
この場合、歯の根の部分を治療することになります。

まず、細菌が感染している神経を除去し、さらに消毒することで対処します。
神経の除去は痛みを伴いますが、麻酔を行うことで痛みを和らげることができますし、治療後においても痛み止めを飲むことができます。

3. 歯周病が原因での炎症

歯周病が進行すると、歯の骨を溶かしてしまうため、歯の安定性が失われます。
この状態になると、歯の根の周りにある歯根膜が炎症を起こすことがあるのです。
この場合は、主に二つの治療が必要になります。

一つは歯周病自体の治療で、これは歯周病の要因になる歯石やプラークの除去を行います。
また、不安定になった歯を元どおり安定させるため、溶けてしまった骨を再生させる治療も行います。
こうして、歯の根の周りの骨を修復させることで、歯根膜炎を治療することができるのです。

4. 外傷が原因での炎症

ぶつけるなどの衝撃で歯がダメージを受けることによって、歯根膜が炎症を起こすこともあります。
この状態だと、歯根膜を安静にさせるために、専用の接着剤などを使って治療します。
また、あまりに痛みが激しいと神経が死んでしまうこともあります。

このように、神経が死んでしまった場合は、歯の根の治療も行う必要があります。
最も、ここまでの外傷となれば、自身でも心当たりがあるでしょうし、同時期に噛むと痛むようになったのであれば、外傷が原因の歯根膜炎の可能性が高いでしょう。

5. 歯ぎしりが原因での炎症

歯ぎしりは歯に大きな負担をかける要因で、これによって歯根膜が炎症を起こすことがあります。
また、歯ぎしりする人はそれが続く傾向がありますし、長期間歯ぎしりが続いてしまうことによって、最終的に歯根膜炎になってしまうのです。

この場合、何よりも歯ぎしりするクセを改善する必要があります。
無意識での行為なので、改善は難しいと思うかもしれませんが、歯科医院では歯ぎしりによるダメージを防止するための、専用のマウスピースも取り扱っています。

6. 予防方法

基本となるのは、しっかりと歯磨きをすることです。
虫歯や歯周病が原因で歯根膜炎が起こり得ることを考えると、当然虫歯や歯周病対策が必須です。
それには丁寧なブラッシングは欠かせないですし、デンタルフロスなどを使用するとなお効果的です。
また、自身の力だけで完全な予防を実現するのは正直言って不可能です。

このため、歯科医院で定期健診を受けることをおススメしますし、定期健診を受けることで、こうした予防はもちろん、症状の早期発見や早期治療も叶うのです。
ちなみに、定期健診の中では正しい歯磨き方法の指導を受けることもできます。
つまり、定期健診を受けることで、自身で行える予防も、より効果的なものになるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、噛むと激痛が走るのはなぜかについてまとめます。

  1. 炎症の理由の重要性 :歯根膜炎の可能性が高いが、炎症を起こした要因によって治療も異なる
  2. 虫歯が原因での炎症 :虫歯菌が歯根膜に感染したパターン。細菌が感染した神経を除去して対処
  3. 歯周病が原因での炎症 :プラークや歯石を除去して歯周病を治療。さらに、溶けた骨を再生して対処
  4. 外傷が原因での炎症 :歯根膜を安静にさせる。専用の接着剤を使って対処
  5. 歯ぎしりが原因での炎症 :歯ぎしりをしなくなれば改善。難しいならマウスピースを使って対処
  6. 予防方法 :丁寧な歯磨きと歯科医院での定期健診。この二つを実践すればかなりの予防になる

これら6つのことから、噛むと激痛が走るのはなぜかが分かります。
歯根膜炎の場合、単にそれを治療しただけでは解決になりません。
なぜなら、問題の根本となる歯根膜炎を引き起こした要因を改善しない限り、再び歯根膜炎を引き起こす可能性があるからです。
他の原因の可能性もあるため、こうした自覚症状があった場合は、必ず歯科医院で診察を受けてください。