被せ物は、歯茎が黒く変色するとお聞きしたのですが… blog
2016.04.28
“被せ物をしていたところの歯茎が黒く変色してしまった”、長く被せ物をしていた人の中には、そんな経験をしたことがある人もいると思います。
これは被せ物の種類によって起こり得ることで、例え口内を清潔にしていても発生する問題です。
全ての被せ物で起こるわけではないため、その要因を知っておくことで歯茎の黒ずみは回避できます。
１. 金属の被せ物に注意
歯茎が黒く変色するのは、被せ物に金属を使用している場合に起こります。
真っ先に対象となるのが銀歯で、被せ物として銀歯を使用すると、長期間の使用で歯茎が黒く変色します。
これは銀歯の金属が唾液などで溶けていることが原因です。
金属は水分のある場所ではイオン化する特徴があり、唾液で満たされる口内もこれに該当します。
そして溶けた成分が歯茎を覆うことで、歯茎が黒く変色してしまうのです。
銀歯は見た目の悪さが欠点とされていますが、歯だけでなく歯茎の見た目も悪くするということです。
いくら清潔さを維持しても銀歯は劣化するため、ある意味これは防ぎようのない問題です。
また、こうした仕組みで変色する以上、溶けた成分の覆う箇所によっては歯も変色させてしまいます。
２. 一部のセラミックも該当する
銀歯が変色を招くのではなく、正確には金属の被せ物が変色を招いているわけです。
このため、歯茎を変色させる被せ物は銀歯だけとは限りません。
種類によってはセラミックでも同じ症状が起こるため、選ぶ際には注意が必要です。
該当するのは金属を用いたセラミックであり、例えばメタルボンドがこれに該当します。
メタルボンドは表面こそセラミックですが、中身は金属でできています。
このため、劣化の度合いによっては全く同じ症状が起こって変色することがあるのです。
また、ハイブリッドセラミックもタイプによっては変色が起こります。
プラスチックとのハイブリッドなら問題ないですが、金属とのハイブリッドだと変色する可能性があります。
３. 被せ物以外の要因に注意
実際に歯茎が黒く変色している場合は、その原因を安易に考えないことが大切です。
と言うのも、ここで挙げたように被せ物が原因の可能性もありますが、そうでない場合もあるのです。
例えば歯周病が原因の可能性だってありますし、単にメラニン色素の影響で変色している可能性もあります。
こうしたことが原因だった場合、例えオールセラミックにしたところで問題は解決しないのです。
セラミックの被せ物は確かに美しいですが、費用が高額と言う欠点があります。
「歯茎の変色＝被せ物が原因」と安易に判断してセラミックにした時、もし原因が全く別になるとしたら、症状は改善されないわけです。
症状が改善されない上にセラミックの高額な費用が発生する、これでは無意味な治療になってしまいます。
４. 歯茎が黒く変色することの問題点
ピンクの歯茎が黒く変色するのは、何か病気だと思って不安になってしまいますね。
実際に歯茎が黒く変色すると何の問題があるのか？それは変色した原因によって異なります。
例えば被せ物の影響だった場合、問題点は何よりも見栄えの悪さです。
逆に言えば、見た目が気にならないのであれば深刻に考えることはありません。
しかしこれが歯周病や虫歯の影響だった場合は、当然それらの治療が必要になってきます。
つまり、歯茎の変色が病気の危険信号であることもあれば、そうでないこともあるのです。
この点から考えても、やはり歯茎が変色した時にはその原因を正確に知ることが大切です。
５. 被せ物で変色した際の治療方法
銀歯などの被せ物による影響で黒く変色した場合、治療方法は被せ物を変えることです。
非金属に変えることで対処できるため、セラミックやプラスチックの被せ物に変更します。
最も、ここで見た目の良さを意識するならセラミックがおすすめですし、金属が混ざった被せ物を一切使用できない以上、選択としてはオールセラミックになります。
ただし、変色してから長年経過している場合は、セラミックに変えてもすぐに改善されないことがあります。
この場合はレーザーを使って付着した色素を落とす方法で治療できます。
もちろん専用の歯科用レーザーなので、これも歯科医院で受けることができます。
まとめ
いかがでしたか？
最後に、被せ物で歯が黒く変色するのかについてまとめます。
- 金属の被せ物に注意 ：銀歯などの金属の場合、唾液などで金属がイオン化されて歯茎を黒くする
- 一部のセラミックも該当する ：金属が原因なので、メタルボンドなどでも起こり得る
- 被せ物以外の要因に注意 ：歯茎が黒いのは被せ物が影響とは限らない。例えば歯周病の可能性もある
- 歯茎が黒く変色することの問題点 ：見栄えの問題、危険信号の可能性など、変色の原因によって異なる
- 被せ物で変色した際の治療方法 ：オールセラミックに変える。変色の期間によってはレーザー治療
これら５つのことから、被せ物で歯が黒く変色するのか分かります。
銀歯は見た目の悪さが欠点ですが、今回のことを考えるとそれは歯だけに限ったことではありません。
歯茎の変色にも関わっており、歯だけでなく歯茎の見た目も悪くしてしまうのです。
こうした事態を防ぐには、金属を一切使わないオールセラミックを被せ物にすることです。
