インプラント治療ってなんですか? blog

2016.05.05

歯科の世界で最近話題の治療と言えば、インプラントです。
失った歯を取り戻せるというフレーズを聞いて、興味を持った人も多いでしょう。
では、そもそもインプラントとは一体どんな治療方法なのでしょうか?
ここでは、インプラント治療についての説明をしていきます。

インプラントとは

効果としては入れ歯と同じように、失った歯の代わりになる歯をつくるための治療です。
ただし、技術や仕様は入れ歯とは全く異なっており、天然の歯と同じ感覚で生活することが可能です。
構造としては人工の歯の根を骨に埋め込み、その上から人工の歯を被せます。
骨にもしっかりと定着しているため、見栄えも使い勝手も天然と歯と変わらないのが特徴です。

最も、セラミック治療などの普及を考えると、
見栄えが天然の歯と変わらない点に関しては、今では珍しくないのかもしれません。
しかし、人工の歯の根をつくり出せる治療は、現状ではインプラントのみになっています。
つまり、歯が全くない状態からでも、天然の歯と同じ感覚で使用できる歯をつくり出せるわけです。

インプラントの仕組み

簡単に構造を説明すると、インプラントは3つのパーツからつくられています。
土台となる人工の歯の根、さらには人工の歯、そしてそれらを連結するアバットメント、
これら3つのパーツでインプラントはつくられています。
人工の歯は見栄えも耐久性も質が高く、人工の歯の根はしっかりと安定しています。

このため、結果的に天然の歯と同じ感覚で使用することが可能であり、第2の永久歯とも呼ばれています。
また、人工の歯の根を埋め込むことから想像がつくかもしれませんが、インプラント治療では手術を行います。
さらに、見栄えの良さを兼ねている以上、基本的にインプラントは審美治療であって保険が適用されません。
つまり、大掛かりな治療になる上に治療費が高くなり、これがインプラントの欠点でもあるのです。

治療の流れ

治療の流れを簡単に説明すると、まず精密検査やカウンセリングを行います。
ここでは現在の口内の状態の確認はもちろんですが、費用や治療期間に関する説明もあります。
もちろん、患者さんも様々な疑問点や不明点があるでしょうから、この時点で質問することもできます。
その後、実際の治療に入ります。まず一次手術を行い、人工の歯の根であるインプラントを埋め込みます。

一次手術後は定着期間を設け、長くて半年ほど期間を空けることになります。
そしてインプラントと骨がしっかりと結合した後、今度は二次手術を行ってアバットメントを装着します。
ここで再び数週間の期間を空け、最後は人工の歯を被せて治療完了です。
治療はこれで終わりですが、その後は定期的にメンテナンスのための通院が必要になります。

治療後のメンテナンス

治療後のメンテナンスは、インプラントを安全に使用する上では欠かせないものです。
と言うのも、インプラントは歯周病に弱く、歯周病の進行によってはインプラントが抜け落ちてしまうからです。
そもそもインプラントは、人工の歯の根があるからこそ安定しているわけです。
一方、歯周病は進行すると歯茎が痩せてしまうため、インプラントの安定性が失われてしまうのです。

歯周病は自覚症状がないため、患者さん自身で発見することはまず不可能です。
このため、定期的にメンテナンスを行い、徹底的に歯周病予防をすることが必要不可欠になるのです。
もちろん、メンテナンスはインプラントの調整をする意味も含んでいます。
理想としては月に1度、長くても1年に1回はメンテナンスのために通院することをおすすめします。

インプラントの欠点

失った歯を取り戻せるという魅力的なメリットがあるものの、インプラントにはデメリットも存在します。
まず治療が高いことで、あくまで平均になりますが、1本につき30万円以上の費用が掛かります。
治療期間も長いため、費用が高いことを考えても、決してお手軽な治療とは言えないのが欠点です。

また、インプラント自体が高い技術を要する治療となるため、
実際にインプラントできる歯科医院が少ないのもデメリットになります。
このため、虫歯治療のように近くの歯科医院に通うイメージとは全く異なります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラント治療とは何なのかについてまとめます。

  1. インプラントとは :人工の歯の根を埋め込み、天然の歯と同じ感覚の人工の歯が手に入る治療
  2. インプラントの仕組み :人工の歯の根、人工の歯、これらをつなぐアバットメントの3つのパーツで構成
  3. 治療の流れ :精密検査、一次手術、定着期間、二次手術、再び期間を空けてから被せ物をつけて完了
  4. 治療後のメンテナンス :治療後は定期的にメンテナンスのための通院が必要。歯周病は天敵
  5. インプラントの欠点 :費用が高くて治療期間も長いため、治療においてお手軽さはない

これら5つのことから、インプラント治療とは何なのかが分かります。
手術が必要な治療である以上、インプラントは決してお手軽な治療方法ではありません。
しかし、失った歯を取り戻せる点には大きな魅力がありますし、コンプレックスの解消にもなります。
入れ歯やブリッジを検討している人は、ぜひインプラントも選択肢の一つとして考えてみてください。