交通事故で歯をなくした場合でも、インプラント治療はできますか? blog

2016.05.27

歯を失うと聞くと、一般的には老化によるものや、歯周病などの病気が原因だと考えがちです。
確かにそれは正論ですが、時には交通事故のような不意なトラブルで歯を失うこともあります。
では、インプラントはそういった不慮の事故による場合でも行える治療なのでしょうか?
ここでは、交通事故で歯をなくしたケースを前提に、インプラント治療について説明していきます。

交通事故でもインプラントできる

交通事故で歯を失った場合も、インプラント治療をすることは可能です。
と言うよりも、実際にそれが理由でインプラント治療を希望する人はたくさんいます。
交通事故である以上、綺麗に歯だけが抜けることはないですし、口内も損傷しているでしょう。
だからと言って、インプラントできないことはありません。

また、交通事故に限らず、不慮の事故で歯を失った場合も同じことが言えます。
転んだ、仕事中の機械のトラブルなど、日常生活で歯を失う要因は意外と多く存在しています。
これらの場合も基本的にインプラント治療は可能ですし、このような事故の場合はブリッジなどに比べて、
むしろインプラント治療を選択した方が効果的なケースもあるのです。

保険の適用について

インプラントは基本的に保険が適用されず、それは審美目的の治療を兼ねているからです。
しかし、事故などで顎の骨が損傷し、インプラントをせざるを得ないケースもあるのです。
このため、こうした場合で行うインプラント治療においては、保険が適用されることが国で定められたのです。
ただしそのための条件は厳しく、単に事故が理由というだけでは保険は適用されません。

例えば、顎の骨が一定の割合以上損傷しているなど、国が定めた条件を満たしていなければなりません。
また、保険が適用されるのはあくまで治療費のみになります。
さらに、例え国が定めた条件を満たした損傷だとしても、それだけではまだ保険は適用されません。
と言うのも、特定の条件を満たした医療機関で治療しなければならないという条件もあるのです。

インプラントできない可能性

交通事故で歯を失くした場合もインプラント治療ができるのか?その答えはイエスになります。
しかし交通事故と別にして、患者さんの状態によってはインプラントできないケースがあります。
事故に遭った患者さんがそのケースに該当してしまうと、インプラントできない可能性もあるのです

例えば、重度の歯周病や糖尿病を持っている患者さんです。

この場合、歯を失う要因に関わらず、歯周病や糖尿病自体が問題になるのです。
重度の歯周病だと骨が失われ、インプラントを埋め込めないことがあります。
また、糖尿病で血糖値のコントロールができていない場合も、インプラントできない可能性があります。
つまり、交通事故による損傷は問題なくても、全く別の理由でインプラントできないこともあるのです。

損害賠償など

交通事故で歯を失ったとなると、状況によっては損害賠償などの話も出てきます。
ただし、これは歯科医院で対応できる問題ではないですし、歯科医にその専門知識はありません。
法律の専門家に確認する必要がありますし、その場合は裁判に発展することもあるでしょう。

しかし、実際に損害賠償にインプラントの治療費が認められた判例もあります。
状況によっては認められないケースもあるでしょうし、残念ながらそれについてのアドバイスはできません。
このため、交通事故や仕事などで歯を損傷した場合は、損害賠償や労災について専門家に相談してください。

骨の状態を優先

インプラントは手術が必要ですし、具体的には歯の骨に人工の歯の根を埋め込む手術をします。
このため、交通事故で歯を失った場合は、インプラント治療自体は可能なものの、
優先すべきは骨の状態ということになってきます。

要するに、骨がインプラントを埋め込める状態になっているかどうかです。
ここで骨に問題があった場合、骨の回復を待ったり、骨を増やすための治療を行うことになります。
こうして骨の状態を完全にした後、実際にインプラント治療するという流れになります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、交通事故で歯をなくした場合もインプラント治療できるのかについてまとめます。

  1. 交通事故でもインプラントできる :交通事故で歯を失った場合も、インプラントすることは可能
  2. 保険の適用について :交通事故によるインプラントは、条件によっては保険が適用できる
  3. インプラントできない可能性 :歯周病や糖尿病など、全く別の理由でインプラントできないことはある
  4. 損害賠償など :インプラントの治療費が賠償に含まれるか、このあたりは法律の専門家に相談
  5. 骨の状態を優先 :まずはインプラントできるだけの骨の状態を作ることを優先する

これら5つのことから、交通事故で歯をなくした場合もインプラント治療できるのかが分かります。
交通事故で歯をなくした場合でもインプラント治療はできますし、
損傷の状態によっては、むしろインプラント治療が最もおすすめの場合もあるのです。
ただし、骨も損傷してしまっている場合は、その治療が優先となることもあります。