インプラントの手術時間はどのくらいかかりますか? blog

2016.07.12

インプラント治療で患者さんが最も気になるのは手術についてでしょう。
歯科治療で手術ということ自体、聞き慣れない人も多いでしょうし、
“顎の骨に穴を空ける”という手術内容に不安を抱く気持ちも分かります。
そこで、ここでは手術の時間をテーマにして、インプラント治療における手術時間を説明していきます。

1. 手術の方式と本数で異なる

インプラントの手術内容は患者さんによって異なります。
インプラントの本数はもちろん、手術の方式にも種類があるのです。
基本的には二回法といって、それぞれ期間を空けて二度の手術を行うのが一般的です。

ただ最近は、一回法といって一回の手術で終える治療方法を導入している歯科医院もあるのです。
こうしたインプラントの本数、さらには手術の方式によって手術時間は異なります。
もちろん、本数が多いほど手術時間は長くなりますし、
一回法よりも二回法の方がトータルの手術時間が長くなります。

2. 一回法の場合

埋め込むインプラントが1本であれば、大体20分ほどで手術は終わります。
ちなみに、2本~3本であれば40分ほど、4本~6本であれば80分ほどになります。
中には10本希望する患者さんもいますが、その場合は120分ほどの手術時間になります。

また、1本増えるごとに手術時間も絶対に長くなるとは限りません。
上記で挙げたように、2本でも3本でも同じ40分ほどで終わります。
さらに、ここで挙げた時間は手術が長くなった場合を想定しているので、
早ければ記載した時間よりもそれぞれ20分ほど早く終わります。

3. 二回法・一回目の手術

基本的には二回手術を行うと説明しましたが、内容としては一回目の手術でインプラントを埋め込みます。
そして二回目の手術で、埋め込んだインプラントに土台を取りつけます。
手術時間は一回目の方が長く、1本であれば大体15分ほどになります。

また、一回法と同様に本数に比例して手術時間も長くなり、2本~3本であれば30分ほどになります。
そして、上記で紹介した一回法と同じ例えで挙げていくと、4~6本であれば70分ほど、
仮に10本希望する患者さんがいたとすれば、100分ほどの手術時間になります。

4. 二回法・二回目の手術

二回目の手術はインプラントに土台を取り付けるために行うもので、
一回目の手術に比べると簡単な手術になります。もちろん、その分手術時間も短くなります。
上記までと同様の例で時間を挙げてみると、1本の場合はおよそ10分です。

2本~3本であればおよそ20分、4本~6本であればおよそ30分、10本の場合でおよそ60分です。
これもやはり長めの時間で紹介してあるので、実際にはこれより短くなることもありますし、
仮に長くなったとしても極端に長くなることはありません。

5. 骨を増やす手術

これは絶対に行うわけではありません。インプラント治療では顎の骨にインプラントを埋め込むため、
顎の骨が不足している患者さんはそのままでは手術を行うことができません。
そういった場合、骨を増やす手術を別に行い、それによってインプラント治療を可能にするのです。

骨を増やす手術自体いくつかの方法がありますが、
インプラントを埋め込む手術と同時に行う場合は15分ほど掛かります。
インプラントを埋め込む前に行う場合は長くなり、一般的には30分ほど掛かりますが、
膝などなら骨を持ってくるなど、大掛かりな手術になると120分以上掛かるものもあります。

6. 手術の痛みや恐怖

患者さんによっては、手術時間よりも痛みや恐怖の方が気になる人もいるでしょう。
そこで、これらに関しても若干説明しておきます。
まず手術の痛みですが、これは麻酔を使用するためそこまでの痛みはありません。

また、不安や恐怖についてですが、歯科医院によってはこれらの対策として、
鎮静法といって点滴タイプのリラックスできる麻酔を使用しているところもあります。
鎮静法を使えば、眠ったような感覚で落ち着いて手術できるため、不安や恐怖を感じずにすみます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントの手術時間はどれくらいなのかについてまとめます。

  1. 手術の方式と本数で異なる :手術の方法、インプラントの本数によって手術時間は異なる
  2. 一回法の場合 :インプラント1本でおよそ20分。本数が増えればそれだけ時間は長くなる
  3. 二回法・一回目の手術 :インプラント1本でおよそ15分。二回目の手術と合わせると一回法より長くなる
  4. 二回法・二回目の手術 :一回目よりも簡単な手術で、1本でおよそ10分
  5. 骨を増やす手術 :顎の骨が不足している場合に行い、一般的には30分ほど。大掛かりな方法だと長い
  6. 手術の痛みや恐怖 :麻酔で痛みは軽減。歯科医院によってはリラックスできる鎮静法を導入している

これら6つのことから、インプラントの手術時間はどれくらいなのかが分かります。
平均で数十分単位になるので、手術時間そのものはそこまで長くありません。
ただし、骨を増やす手術を行ったり、埋め込むインプラントの本数があまりに多いと、
それだけ手術時間は長くなってしまいます。