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痛みがないので治療の必要はないように感じるのですが、 歯周病はどうなった時が治療のタイミングですか? blog

2016.08.26

虫歯はすぐに治したいという人が多いものの、歯周病は治療を急がない人がほとんどです。
これは、歯周病には痛みなどの自覚症状がないため、軽視してしまっているのが理由だと思われます。
確かに、歯周病には自覚症状がないため、虫歯に比べて苦痛のない病気と思うかもしれません。
しかし、歯周病も早期治療しなければ、虫歯同様に進行して酷い結果を招いてしまうのです。
では、歯周病をすぐに治療しないとどうなるか、治療が遅れることで生じるデメリットを説明します。

1. 歯を失う

実は、日本人が歯を失うきっかけになる理由で最も多いのは歯周病です。
初期段階では歯肉の炎症程度の症状ですが、これが進行するとやがて歯を支える骨を溶かします。
そして、歯と歯肉の隙間を大きくしてしまい、歯がグラつくようになってしまうのです。

ちなみに、冒頭で“歯周病は自覚症状がない”と言いましたが、
ここまで進行すると歯がグラグラするといった自覚症状を感じるようになります。
さらに進行することで歯は完全に支えを失い、最後にはとうとう抜け落ちてしまうのです。
自覚症状が気になった時には相当進行している、それが歯周病の怖いところでもあります。

2. 治療費が高くなる

初期段階と進行した段階では、歯周病の治療内容は全く異なります。
当然、進行した状態での治療の方が大掛かりになり、それが費用にも影響してきます。
現実的な言い方をしてしまえば、酷くなってから治療するほど治療費も高くなってしまうのです。

特に、結果的に歯を失うことになった場合の治療費は深刻です。
セラミック治療やインプラント治療で歯を取り戻そうとした場合、
これらの治療では保険も適用できないため、10万円単位の治療が発生してしまいます。

3. 治療期間が長くなる

歯周病が進行してしまえば、それだけ治療にも時間が掛かります。
上記では治療費を問題にしましたが、それだけでなく時間にも影響してくるのです。
治療に時間が掛かれば、通院する期間も当然長くなるからです。

数回の通院で済んだところが、症状が酷くなってから治療を受けたことで、
数ヶ月の通院が必要になるなんてこともあり得るのです。
つまり、すぐに治療しなければお金も時間も余分に掛かってしまうということです。

4. 治療内容に差が出る

歯科医院の治療にイヤなイメージを持っている人は多いと思います。
歯を削る、歯を抜く、歯茎を切開する、確かにこれらの治療には怖さを感じますし、
大人ですら「歯医者は嫌い」と言うのにも頷けます。
しかし、初期の治療ならそんな大きな治療を行うことはありません。

初期段階の歯周病治療なら、プラークコントロールと歯石の除去がメインになります。
しかし、進行するとこれらだけでなく、大きな治療が必要になってしまいます。
必要であれば抜歯や歯周外科手術を行わなければなりません。
治療のタイミングが遅くなることで、こんなにも治療内容に差が出てしまうのです。

5. 家族や恋人にうつってしまう

歯周病は細菌によって感染するため、人にうつることがあります。
しかも唾液を通じてうつるため、キスや食器の共用にリスクが生じてしまうのです。
それはすなわち、家族や恋人にうつしてしまう可能性が生まれることを意味します。
また、あなたが男性だとして恋人や妻が妊娠している時は特に要注意です。

妊婦が歯周病になってしまうと、早産や低体重児を産むリスクを招くことになるのです。
つまり、治療をしなければそれだけ家族や恋人の口内の健康を脅かすことになってしまうのです。
自分のためだけではなく、大切な家族や恋人のためでもあると思って、
一刻も早く歯科医院に行って治療を受けてください。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病を治療するタイミングについてまとめます。

  1. 歯を失う :今は平気でも、歯周病が進行すると歯がグラつくようになってやがて抜け落ちてしまう
  2. 治療費が高くなる :進行してから治療すれば、それだけ治療内容も大掛かりになって費用も高くなる
  3. 治療期間が長くなる :進行してから治療すれば、それだけ治療期間も長くなってしまう
  4. 治療内容に差が出る :初期段階と進行してからとでは治療内容が異なる。進行すると抜歯や手術が必要
  5. 恋人や家族にうつってしまう :歯周病は人にうつる。キスや食器の共用など、唾液を通じてうつってしまう

これら5つのことから、歯周病を治療するタイミングが分かります。
言うまでもなく、治療は早ければ早いほどいいですし、放置してしまえば後悔するのは自分です。
自覚症状がないために軽視されがちな歯周病ですが、進行すればこれだけのデメリットが生じます。

また、治療が早ければ早いほどいいというのは歯周病に限ったことではありません。
虫歯や他の口内の病気にも同じことが言えますし、身体の病気全てに対して言えることです。
自覚症状だけで判断せず、病気に対しては早期治療が基本であり、重要であることを知っておいてください。