プラークと歯石に注意していれば、歯周病は完全に予防できますか? blog

2016.09.01

歯周病の要因を考えた時、誰もが真っ先に思いつくのがプラークと歯石です。
確かに歯周病菌はこれらの中に潜んでいますし、実際に歯周病になった人の大半が、
プラークや歯石を除去しきれていなかったことが要因になっています。
そこで、ここではプラークと歯石にさえ注意していれば歯周病はできるのかについて考えていきます。

1. 人からうつることもある

残念ながら、プラークと歯石に注意するだけで歯周病を完全に予防できるとは限りません。
と言うのも、それ以外の要因で歯周病になることがあるからです。
その一つとして挙げられるのが、唾液を介しての人からの感染です。

歯周病は唾液を介して人にうつる病気です。
このため、いくらプラークや歯石に注意していても、恋人や家族が歯周病になっていると、
キスや食器の共用によって歯周病をうつされてしまうことがあるのです。

2. 糖尿病が歯周病を招くこともある

糖尿病になると唾液の分泌量が減少しますが、唾液は口内を洗浄する役割を果たしているのです。
唾液の分泌量が減少することで洗浄効果が弱まるため、
そうなると口内が細菌まみれになってしまいます。そして、その中には歯周病菌も含まれているのです。

つまり、糖尿病になることで唾液の分泌量が減少し、それによって歯周病菌もより繁殖してしまうわけです。
これらの点から、糖尿病は歯周病を招く要因になるのです。
また、糖尿病になると身体の抵抗力も低下するため、それによって歯周病にも感染しやすくなるのです。

3. 喫煙が歯周病を招くこともある

喫煙も歯周病を招く要因になります。
まず、タールが付着することで通常よりもプラークや歯石がつきやすくなります。
さらに、ニコチンによって免疫力も低下するため、歯周病菌への抵抗力も低下するのです。

そもそも喫煙は身体に悪影響を及ぼすとして知られていますが、
身体だけでなく口内にも悪影響を及ぼすということです。
ちなみに、喫煙者が非喫煙者に比べて歯周病になる確率が高いことはデータでも証明されています。

4. 歯石はブラッシングで除去できない

いくらプラークや歯石に注意すると言っても、歯石になってしまえば自身ではどうにもなりません。
歯石はプラークが石灰化したもので、歯石になってしまうとブラッシングでは除去できないのです。
ちなみに、歯石とは歯の根元や歯と歯の間にできる白い塊のようなものです。

また、現実的に言えばプラークを完全に除去することも困難です。
歯の表面に付着しているヌルヌルがプラークですが、食べカスのように目に見えるものではないため、
余程丁寧なブラッシングを心掛けない限り除去しきれないでしょう。

5. 疲労が歯周病を招くこともある

睡眠不足やストレスなどで疲労すると、それが原因で歯周病になることもあります。
一見無関係に思うかもしれませんが、これは疲労の蓄積が身体の免疫力を低下させるためです。
免疫力が低下すれば細菌の繁殖を抑制できなくなり、結果的に口内の細菌も繁殖します。

それらの中には歯周病菌も含まれるため、
口内の細菌が繁殖すれば歯周病になる可能性もそれだけ高くなるわけです。
規則正しい生活をすることも、歯周病予防に関わるということです。

6. 自身の力だけで予防するのは困難

そもそも、歯周病を完全に予防するには自身の力だけでは困難です。
日常生活の中にも歯周病の要因は潜んでいますし、
ここで説明したように歯石に至ってはブラッシングでは除去できません。
完全に歯周病を予防するには、歯科医院で定期検診を受けるべきです。

と言うのも、定期検診なら口内のクリーニングによって歯石を除去できますし、
正しい歯磨きの方法を指導してもらうこともできます。
また、最大の利点は仮に歯周病を引き起こした場合、
本来なら気付けない初期段階でも発見し、治療できることです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、プラークと歯石に注意していれば歯周病は完全に予防できるかについてまとめます。

  1. 人からうつることもある :唾液を介して人にうつることがある
  2. 糖尿病が歯周病を招くこともある :唾液の分泌量が減少するため、細菌を洗浄しきれなくなる
  3. 喫煙が歯周病を招くこともある :タールによって通常以上にプラークや歯石がつきやすくなる
  4. 歯石はブラッシングでは除去できない :そもそも歯石に至ってはブラッシングでは除去できない
  5. 疲労が歯周病を招くこともある :疲労によって免疫力が低下するため、細菌が繁殖してしまう
  6. 自身の力だけで予防するのは困難 :完全に予防するには、歯科医院の定期検診が欠かせない

これら6つのことから、プラークと歯石に注意していれば歯周病は完全に予防できるかが分かります。
結論から言うと、プラークと歯石への注意だけでは完全には予防できません。
歯周病の要因は日常生活の中にも潜んでいる上、歯石は歯科医院のクリーニングでしか除去できません。
このため、完全に予防するためには毎日のブラッシングに加え、歯科医院で定期検診を受けるべきです。