歯周病で歯が抜けるって聞きましたが、若ければ抜ける心配はないですか? blog

2016.09.13

歯周病は進行すると歯が抜けてしまいます。
歯が抜けるのは怖いことですが、若い人に至ってはこれを深刻に考えないケースがあるのです。
と言うのも、「歯が抜ける=高齢者」のイメージが強いため、
若い自分にとっては無縁の問題だと判断してしまうからです。
ここでは、いくら歯周病でも若ければ歯は抜けないかどうかについて説明していきます。

1. なぜ歯周病で歯が抜けるのか

これは、歯周病の症状そのものが直接の理由になります。
歯周病は歯の根の骨を溶かしてしまう病気であり、支えを失ったことで歯が抜けてしまうわけです。
また、歯周病になると歯と歯茎の間に歯周ポケットという隙間が生まれ、
進行するに比例してこの隙間も大きくなるのです。

そして、隙間が大きくなればなるほど歯はグラついてしまうのです。
つまり、歯周病で歯が抜ける理由は年齢とは何の関係もありません。
歯周病になること、それ自体が歯を失うきっかけになってしまうのです。
と言うことは、例え若くても歯周病になった以上、歯を失う危険性があることになるわけです。

2. 若くても歯周病になるのか

そもそも、若くても歯周病になるのかが疑問だと言う人もいます。
これは「歯周病=歯が抜ける病気」、「歯が抜ける=高齢者」のイメージから、
「歯周病=高齢者がなる病気」と考えてしまう人が多いからです。
しかし、実際には若くても歯周病になるのです。

歯周病は文字どおり歯の周りの病気であり、すなわち歯茎の病気です。
つまり、歯と歯茎がある時点で誰もが歯周病になる可能性を持っているわけです。
そして、歯周病はプラークや歯石に含まれる歯周病菌によって引き起こされます。
このため、ブラッシングをおろそかにしていれば、例え10代や20代の人でも歯周病になってしまうのです。

3. 初期段階での発見の難しさ

歯周病で歯が抜けるのは、重度のレベルまで進行した場合の話です。
初期段階で歯が抜けることはないため、
例え歯周病になってもこの段階で治療すれば大きな問題にはなりません。
しかし、歯周病を初期段階で発見するのは難しいのです。

と言うのも、歯周病の初期段階では虫歯のような自覚症状がなく、
痛んだりしみたりといったことがありません。
初期段階で発見するには日頃から歯科医院で定期検診を受ける習慣をつけるのが一番です。
また、歯科医院で定期検診を受けておけばこの上ない歯周病予防にもなるのです。

4. 歯周病の現状

ここまで説明してきたとおり、歯周病は年齢問わず誰もが注意しなければならない病気です。
実際に、歯周病は日本人にとって深刻な問題になっています。
まず、成人のおよそ7割以上が歯周病だと言われており、
さらに歯周病は歯を失う要因としてトップに位置付けられているのです。

これは、いかに日本人が歯周病に悩まされているかを証明する数値でもあります。
確かに、痛んだりしみたりしない分、虫歯に比べると優しい病気のイメージがあるかもしれません。
しかしそれは自覚症状がないと言い換えることもでき、早期発見と早期治療を難しくさせているのです。
歯科医院で定期検診を受ける習慣を持たない限り、歯周病に悩まされるという現状は変わらないでしょう。

5. 歯周病の怖さは歯を失うことだけではない

ここでは歯周病と歯が抜けることを一つのテーマにしてきましたが、
歯周病の怖さはそれだけではありません。
歯が抜けるのは確かに怖い症状ですが、歯周病にはそれ以外の怖さもあるのです。
まず、人にうつしてしまう危険性があることです。

唾液を介してうつるため、キスをする恋人同士や食器を共有する親子間でもうつります。
さらに、妊娠している女性にとって歯周病は早産を招く恐れがあるのです。
これはデータでも明らかになっていることです。
歯周病を患った状態だと早産を招くリスクが、健康時のおよそ7倍以上になると言われているのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、若ければ歯周病で歯が抜けることがないのかについてまとめます。

  1. なぜ歯周病で歯が抜けるのか :歯の根の骨を溶かしてしまうため。つまり、年齢は全く関係ない
  2. 若くても歯周病になるのか :歯と歯茎がある時点で、誰でも歯周病になる可能性を持っている
  3. 初期段階での発見の難しさ :初期段階では自覚症状がないため、歯周病に気付くことすら難しい
  4. 歯周病の現状 :日本人の成人の7割以上が歯周病。さらに歯を失う要因も歯周病がトップ
  5. 歯周病の怖さは歯を失うことだけではない :人にうつる危険性があり、早産を招くリスクも高まる

これら5つのことから、若ければ歯周病で歯が抜けることがないのかが分かります。
若くても歯周病になりますし、進行すれば歯が抜ける可能性も充分にあるというのが答えです。
また、人にうつしたり早産を招く危険性がある以上、歯周病の怖さは歯が抜けることだけではないのです。
このため、虫歯同様に歯周病に対しても、年齢問わずしっかりとした予防を行っていく必要があるのです。