歯周病を放置しておくとどうなってしまうのか、詳しく教えてほしいです blog

2016.09.20

歯周病は虫歯のような痛みがないため、どうしても放置してしまう人がいるのが現実です。
我慢できないほどの激痛に襲われる虫歯はともかく、自覚症状のない歯周病は軽視されがちです。
しかし、だからと言ってそのまま放置しておくのは厳禁で、
歯周病が進行すれば取り返しのつかない事態を招く恐れもあるのです。
ここでは、実際に歯周病を放置するとどんな結末になるかを説明していきます。

1. 初期段階

この時点では歯茎が腫れる程度の症状なので、確かに大きな支障はありません。
そもそも、この段階で歯周病と気付くのが困難なくらいです。
初期段階の歯周病を放置する人の大半は、放置したと言うよりも気付かなかったというケースがほとんどです。

また、その他の症状としてはブラッシング時に歯茎が出血しやすくなりますが、
これも虫歯のように痛みやしみを感じることはありません。
初期段階で歯周病に気付くためには、歯科医院で定期検診を受ける習慣がないと難しいでしょう。

2. 中期段階

歯周病になると歯と歯茎の間に隙間が生まれますが、中期段階ではその隙間が5ミリほどに広がります。
また、歯の根の骨も一定量溶かされてしまうため、歯がグラつくようになってきます。
このため、中期段階になればこのグラつきが分かりやすい自覚症状にもなるのです。

ちなみに、歯周病になると口臭がするようになるため、
歯のグラつきと合わせて中期段階になると日常生活にも支障が出てきます。
歯と歯茎の間の隙間が広がることでそこにさらにプラークが溜まるため、進行もより早くなります。

3. 重度の段階

歯と歯茎の間の隙間は7ミリほどになり、最終的に歯の根の骨も完全に溶かされてしまいます。
こうなると、歯はグラつくどころが抜けてしまいます。
歯周病で歯が抜けると聞いたことがあるかもしれませんが、それはこの重度の段階のことを示しています。

また、ここまで放置してしまうと例え治療を受けたとしても、歯を残して治療できるとは限りません。
どうしても抜歯が必要になるケースもあるでしょうし、
もし歯が抜けてしまえばそのせいで歯並びも徐々に悪くなってきます。

4. 治療内容の違い

病気というのは進行すればするほど症状が重くなり、それに比例して治療も大掛かりなものになります。
これは歯周病も例外ではなく、放置すればするほど治療内容に影響してくるのです。
例えば、初期段階ならプラークや歯石の除去、プラークコントロールで完治させることが可能です。

しかし、中期段階になると場合によっては歯周外科手術が必要になることがありますし、
重度の歯周病に至っては抜歯が必要になることもあるのです。
当然治療期間も長くなり、それだけ治療費も高くなってしまうのです。

5. 歯を失った後の対処方法

歯周病が進行するといずれ歯を失ってしまいますが、失った歯を取り戻すことはできません。
対処としてはセラミックや銀歯を使用するか、もしくはインプラント治療を行うなどが挙げられます。
しかし、どの方法においても一長一短あります。

銀歯は費用が安いものの、見栄えの点で天然の歯に大きく劣ります。
一方、セラミックやインプラント治療なら天然の歯に近い美しさがあるものの、
保険が適用できないために費用は相当高額になってしまいます。

6. 歯を失う以外の問題点

歯周病は最終的に歯を失ってしまい、それが歯周病の最大の怖さでもあります。
しかし、歯周病による問題はそれだけではないのです。
例えば、歯周病は唾液を介して人にうつるため、放置することで家族や恋人にうつす危険性を生みます。

また、妊娠した女性が歯周病になると早産や低体重児の出産を招くとも言われており、
実際に早産になるリスクは7倍以上になるというデータも存在するのです。
どちらも大きな問題であり、これらの点からも歯周病の放置は厳禁です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病を放置しておくとどうなってしまうのかについてまとめます。

  1. 初期段階 :歯茎が腫れてブラッシングで出血する。そもそもこの段階で気付くのは難しい
  2. 中期段階 :歯がグラつくようになる。口臭もあるため、日常生活に支障をきたす
  3. 重度の段階 :歯の根の骨が溶かされてしまい、やがて歯が抜けてしまう
  4. 治療内容の違い :進行するほど治療は大掛かりになり、重度になると歯を残せない可能性もある
  5. 歯を失った後の対処方法 :セラミックや銀歯、インプラント治療などを行う
  6. 歯を失う以外の問題点 :人にうつる危険性があり、さらに妊婦は早産や低体重児出産のリスクを生む

これら6つのことから、歯周病を放置しておくとどうなってしまうのかが分かります。
放置した際の問題点を大きく分けると三つです。
一つ目はいずれ歯を失ってしまうこと、二つ目は治療内容や治療期間に差が出ること、
三つ目は人にうつしたり妊娠している女性にリスクが生まれることです。
どれも深刻な問題ですし、その意味でも歯周病を放置してしまうのは厳禁です。