甘いものを食べると虫歯になりやすいのはなぜですか? blog

2016.10.04

「甘いものを食べると虫歯になりやすい」と言うのは、子供から大人まで知る一般常識になっています。
しかし、なぜそうなのかという理由を求められると、それに答えられる人は少ないのではないでしょうか。
そこで、ここでは甘いものを食べると虫歯になりやすい理由を説明していきます。
子供の絵本のように分かりやすく説明していくので、
甘いものばかりを食べがちなお子様に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1. 虫歯になる過程

虫歯は細菌による病気の一つで、この場合は虫歯菌によって虫歯が引き起こされます。
ではどうやって虫歯菌が生まれるかですが、これは口内のプラークに潜んでいるのです。
プラークとは歯の表面に付着しているヌルヌルしたもので、中には無数の細菌が含まれています。

そして、そんな無数の細菌の中に虫歯菌も潜んでいるのです。最も、プラークは歯磨きで除去できるものの、
磨き残しがあるとプラークも残り、その中にいる虫歯菌も当然残ってしまいます。
やがて、口内に残った虫歯菌が悪さをすることで、虫歯が引き起こされてしまうのです。

2. 虫歯菌の働き

虫歯菌が行う悪さとは歯に穴をあけることで、それがイコール虫歯でもあります。
しかし、虫歯菌単体では丈夫な歯に穴をあけることはできないため、
虫歯菌は武器を使って歯に穴をあけようとするのです。

その武器とは「酸」です。プラークの中に酸を出し、その酸によって歯を溶かしてしまうのです。
絵本などでは、虫歯菌が工具を持って歯に穴をあけている絵が描かれていますが、
実際には「工具=酸」であり、虫歯菌が出す酸で歯が溶かされて穴があいてしまうのです。

3. 虫歯菌のエネルギー

私達人間が仕事をするためには、必ずエネルギーが必要です。
食事や水分補給することで身体にエネルギーがみなぎり、それだけいい仕事ができます。
これは、虫歯菌においても全くことが言えます。

虫歯菌の仕事は酸を出すことですが、エネルギーがなければ酸をたくさん出すことはできません。
そして、そのエネルギーとなるのが「糖」です。つまり、虫歯菌は糖を吸収することでより活発になり、
自分の仕事である酸を出す行為を積極的に行うようになるのです。

4. 糖は甘いものに含まれる

言うまでもないかもしれませんが、糖は甘いものに含まれています。
そして、上記で説明したように虫歯菌は糖を吸収することでたくさんの酸を出します。
それはつまり、「甘いものを食べる=虫歯菌がたくさん酸を出す」ということになります。

このイコールで結んだ事実こそ、甘いものを食べると虫歯になりやすいという理由です。
まとめると、甘いものを食べることでそこに含まれる糖を虫歯菌が吸収し、
それによってたくさんの酸を出して虫歯を発生させるのです。

5. 虫歯菌は仕事が遅い

糖を吸収して酸を出す、その繰り返しが虫歯菌の仕事ですが、幸いにも虫歯菌は仕事が早くありません。
このため、糖を吸収してから酸を出すまでに一定の時間が必要になるのです。
と言うことは、甘いものを食べても虫歯菌が糖を出すまでにプラークを除去すれば虫歯は防げます。

子供の頃、誰もが「食べたらすぐ歯磨きしなさい」と教育されてきたと思います。
それは、表現を変えれば「虫歯菌が酸を出す前にプラークを除去してしまいなさい」と言う意味なのです。
歯磨きしなければプラークも虫歯菌もそのまま残るため、虫歯菌は悠々と酸を出せてしまうのです。

6. 虫歯の予防

ここで説明してきた点から分かるとおり、虫歯になるポイントは虫歯菌とプラークです。
ということは、虫歯菌が潜むプラークを歯磨きで除去すれば、虫歯にはならないことになります。
歯磨きで虫歯が予防できると言うのは、この事実が根拠になっているのです。
しかし、完全な予防と考えると歯磨きだけでは不充分です。

何しろプラークは目に見えないですし、毎日のように口内に付着するからです。
目に見えないプラークを全て除去し、磨き残しの一切ない歯磨きを毎日することができるでしょうか?
現実的に考えれば、それはまず不可能でしょう。このため、虫歯予防のためには歯磨きだけでなく、
歯科医院で定期検診を受けることがすすめられているのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、甘いものを食べると虫歯になりやすいのはなぜかについてまとめます。

  1. 虫歯になる過程 :虫歯菌によって虫歯は引き起こされ、虫歯菌はプラークの中に潜んでいる
  2. 虫歯菌の働き :虫歯菌の働きは歯を虫歯にすることだが、具体的には「酸」を出して歯を溶かす。
  3. 虫歯菌のエネルギー :酸をたくさん出すにはエネルギーが必要。そしてそのエネルギーは「糖」
  4. 糖は甘いものに含まれる :「糖」は甘いものに含まれている。つまり、甘いものは虫歯菌のエネルギー
  5. 虫歯菌は仕事が遅い :すぐには「酸」を出せないため、その間に歯磨きすれば虫歯は予防できる
  6. 虫歯の予防 :完全に虫歯を予防するなら歯磨きだけでは不充分。歯科医院で定期検診を受けるべき

これら6つのことから、甘いものを食べると虫歯になりやすいのはなぜかが分かります。
虫歯の元となる虫歯菌は、実際には酸を出して虫歯を引き起こします。
そして、虫歯菌がたくさん酸を出すためにはエネルギーとなる糖が必要です。
糖は甘いものに含まれているため、「甘いもの=虫歯菌のエネルギー」となってしまうのです。