虫歯の痛みがある日突然治まりました。なぜ急に痛まなくなったのですか? blog

2016.10.25

虫歯は進行すると痛みが増していき、やがては激痛を感じるようになります。
しかし、その後はピタリと痛みが止み、それ以降は一切痛まなくなるのです。
虫歯の痛みに悩まされている人にとっては、これを嬉しく思うかもしれません。
しかしこれは、虫歯の本当の怖さが訪れる前触れになるのです。

1. 神経が死んでしまった

虫歯が急に痛まなくなるのは、神経が死んでしまったのが原因です。
虫歯が発生して進行すると、象牙質に達してそれが原因で痛むようになります。
さらに進行することで今度は神経にまで達し、神経が虫歯菌に侵されると痛みは激痛に変化します。

やがて神経は虫歯菌によって破壊され、死んでしまうのです。
この時、神経が死ぬと痛みを感じなくなるのです。つまり、虫歯で痛みを感じなくなるのは、
その時点で神経が虫歯菌に侵されて死んでしまったことになるのです。

2. その先はどうなるか

神経が死ぬほど虫歯が進行すると、既に歯はボロボロの状態になっているでしょう。
しかし、歯と神経を破壊したからといって虫歯菌が消滅するわけではありません。
今度は虫歯菌が顎の骨に侵入し、やがて炎症や膿みを引き起こします。

また、虫歯菌が血液に侵入すると血管を通じて全身に虫歯菌が回ります。
これは最も危険なケースであり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすきっかけになるのです。
どちらも命に関わる病気ですし、実際に虫歯が原因で病気を引き起こし、死に至ったという事例もあるのです。

3. 神経が死ぬとどうなるか

中には神経が死んだことで痛みを感じなくなるため、それを利点と思う人もいるかもしれません。
しかしそれは大きな間違いで、神経が死ぬことで様々な問題が起きるのです。
まず、痛みを感じなくなることで自覚症状を得られなくなります。

そうなると、今度その箇所に問題が起こった場合は気付かなくなってしまうのです。
また、神経が死んだ歯には栄養が届かなくなるため、黒ずんで脆くなってしまいます。
さらに、そこまで虫歯が進行した状態になると、初期段階に比べて治療も長くつらいものになるのです。

4. 歯が残せない可能性が高い

神経が死んでしまうということは、虫歯は相当進行していることになります。
このため、例えすぐに歯科医院で治療を受けたとしても、歯を残せる確率は低いでしょう。
そもそも綺麗な歯の形は完全に失われているでしょうし、治療不可と判断されるケースもあります。

そういった場合はまず抜歯を行い、傷が癒えた後で別の対処をすることになります。
一般的なのは銀歯ですが、今ではセラミックを希望する人が増えています。
ただ、どちらにしても天然の歯は失われてしまうのです。

5. それでも治療は受けるべき

神経が死に、歯も残せない、だったら治療する意味はないと思ってしまうかもしれません。
しかし、虫歯菌は治療しない限り生き続けて進行していきます。
上記で説明したように、ここから進行すると顎の骨の炎症や命に関わる病気に発展する恐れがあるのです。

このため、いくら歯が残せない状態だったとしても治療は受けなければなりません。
最も、治療期間は長くなりますし、抜歯を伴う治療は誰だって嫌だと思います。
しかし、ここまで虫歯を放置してしまった以上、どうしても大掛かりな治療になってしまうのです。

6. 神経を残すためには

虫歯になっても神経を残す方法、それは簡単です。少しでも早く歯科医院に行けばいいのです。
ただし、虫歯の進行状況によっては例え神経が生きていても、抜かなければならないこともあります。
虫歯の痛みはやがて激痛になりますが、激痛になるまで放っておくとそうなる可能性が高いでしょう。

一方、歯が黒ずんでいる程度の初期段階で治療すれば、ほとんど歯も削らずに治療可能です。
そういう意味では、早く治療するかしないかで治療内容も未来も大きく変わってくるのです。
もっと言えば、歯科医院で定期検診を受ければ確実に虫歯の予防や早期発見と治療が可能です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯の痛みが急に治まった理由についてまとめます。

  1. 神経が死んでしまった :虫歯で激痛を感じた後、急に痛みが治まるのは神経が死んだことを示す
  2. その先はどうなるか :虫歯菌はさらに進行し、最終的には血液に入って全身に菌が回る
  3. 神経が死ぬとどうなるか :歯に栄養が届かなくなるため、歯が変色して脆くなる
  4. 歯が残せない可能性が高い :神経が死ぬほど虫歯が進行すると、治療しても歯はまず残せない
  5. それでも治療は受けるべき :神経も歯も失ったとしても、治療しない限り虫歯菌はなくならない
  6. 神経を残すためには :もっと早く歯科医院に行って治療すればいい。定期検診を受けるのが確実

これら6つのことから、虫歯の痛みが急に治まった理由について分かります。
虫歯の痛みが急に治まるのは、喜ぶべきことではありません。
むしろ危険を伝えるサインであり、ここから虫歯の本当の恐ろしさが姿を現してくるのです。
脳梗塞や心筋梗塞、そんな病気を招いてしまわないよう、
痛みがなくなった場合は危機感を持ってすぐに治療を受けてください。