そもそも、なぜ虫歯になると歯が痛むのですか? blog
2016.11.08
虫歯になると歯が痛くなるのは、誰もが知っていることです。
しかし、なぜ虫歯になると歯が痛むのかという理由までは知らない人が多いと思います。
また、痛みにも変化があり、しみる程度の痛みだったのがやがて激痛を感じるようになります。
ここでは、こうした虫歯による歯の痛みをテーマにして説明していきます。
1. 歯の構造
本来、歯は刺激に対して非常に敏感です。日常生活で口にする冷たいものや熱いものでさえ、
歯によっては強い刺激になるのです。そして、この刺激が痛みとなって私達に伝わります。
では、実際に日常生活でそういった痛みがないのはなぜなのでしょうか?
その理由は、歯の表面にあるエナメル質が関係しています。歯の構造を簡単に説明すると、
歯の奥には刺激に敏感な象牙質があり、表面のエナメル質が象牙質を刺激から保護しているのです。
つまり、エナメル質が象牙質を刺激から守るバリアの役割を果たしているため、痛みを感じずにすむのです。
2. 虫歯
虫歯になると、虫歯菌が歯を溶かして侵入していきます。
上記で説明したように、歯が痛みを感じないのは表面にエナメル質があるからです。
しかし、虫歯が進行することでエナメル質の奥にある象牙質にまで虫歯菌が達します。
象牙質は敏感なので、虫歯菌が侵入することで痛みを感じるようになりますし、
象牙質にまで達する穴が空くことで、食事の際にも刺激を感じてしまいます。
このせいで、虫歯になると冷たいものや熱いものを食べた時にしみるようになるのです。
3. 歯髄
虫歯の痛みがちょっとしたものから激痛に変化するのは、虫歯菌と歯髄が関わっています。
歯髄とは歯の神経であり、虫歯が進行することで虫歯菌は歯髄にまで侵入します。
つまり、神経が虫歯菌に侵されるわけで、この状態になると痛みは激痛となるのです。
想像すれば分かりますが、最も敏感な神経の中を虫歯菌がかき回しているわけです。
そうなれば激痛を感じるのは当然のことですし、やがては神経まで破壊してしまいます。
一定以上虫歯が進行すると痛みを感じなくなりますが、それは神経が死んでしまったことを意味します。
4. 治療の痛み
虫歯の治療は、症状によって全く痛みがないこともあれば痛いこともあり、
これは虫歯がどの程度進行しているかによって変わります。
同じ削るにしても、痛みの感じないエナメル質だけ削るのと、象牙質まで削るのとでは全然違うのです。
象牙質は刺激に敏感なので、歯を削る行為に対しても痛みを感じてしまうのです。
最も、現在は歯科治療の技術が向上しているため、
象牙質にまで達した虫歯も痛みなく治療できることがありますし、麻酔を使用することも可能です。
5. 痛みを感じるのは大切なこと
痛みは自覚症状と言い換えることもでき、自覚症状があることは健康を知る上で大切なことです。
歯の痛みがなければ虫歯に気付かないでしょうし、
例え気付いたとしても痛みのない状態で歯科医院に行く人がどれだけいるでしょうか。
痛くないから大丈夫、そう判断してほとんどの人が治療を受けないのではないでしょうか。
一方、虫歯は痛みの有無に関わらずひたすら進行していくため、気付いた時には歯を失ってしまいます。
つまり、痛みは歯の健康が脅かされていることを示す危険信号でもあるのです。
このため、痛みを我慢せずにすぐ治療を受けなければならないですし、
痛みという危険信号を無視してしまえば、後悔するくらいの深刻な事態を招きかねないのです。
6. エナメル質
ここで説明してきたように、普段歯の痛みを感じないのは表面のエナメルの影響です。
歯の奥にある象牙質は刺激に敏感なので、ささいな刺激でも痛みとして感じます。
このため、仮に虫歯でなくても歯が痛む時は、何らかの原因でエナメル質が欠けている可能性があります。
例えささいなしみや痛みも無視せず、まずは虫歯の可能性を疑って歯科医院で診察を受けてください。
もし虫歯でない自信があったとしても、歯にしみや痛みを感じる以上、
エナメル質に問題が起こっている可能性が高く、それは日常生活に支障をきたしてしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、虫歯になると歯が痛むのはなぜかについてまとめます。
- 歯の構造 :歯の奥にある象牙質は刺激に敏感で、表面のエナメル質が象牙質を保護している
- 虫歯 :象牙質は刺激に敏感なため、虫歯菌が象牙質にまで達することで痛みを感じるようになる
- 歯髄 :歯髄は歯の神経。歯の神経が虫歯菌に侵されると痛みは激痛に変化する
- 治療の痛み :象牙質まで削るかどうかで痛みが異なる。表面を削るだけなら痛まない
- 痛みを感じるのは大切なこと :痛みは歯の異常を示す危険信号でもある
- エナメル質 :歯が痛む以上、虫歯はもちろん、そうでなくても何らかの異常があるのは確実
これら6つのことから、虫歯になると歯が痛むのはなぜかが分かります。
虫歯菌が象牙質にまで達すると、エナメル質による保護ができなくなります。
象牙質は刺激に敏感なため、虫歯菌の侵入によって痛みを感じてしまいますし、
エナメル質に穴が空いてしまうことで食事の際も象牙質に痛みとして伝わってしまうのです。