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歯が黒ずんで虫歯っぽいのですが痛くありません。今はまだ歯医者に行かなくても大丈夫ですか? blog

2016.11.10

虫歯と分かっていつつも、痛みがなければ歯医者に行かない人が多いのが事実です。
しかし、痛みの有無で歯医者に行くかどうかを決めるのは間違った考えです。
例えば、歯が黒ずんで虫歯を予感したなら、痛くなくてもその時点で治療を受けなければなりません。
なぜなら、痛くない時点で治療を受けることは本人にとってもメリットがあるからです。
一方、この時点で放置してしまうと、逆に様々なデメリットがあるのです。

1. 虫歯は自然には治らない

まず知っておかなければならないのは、基本的に虫歯は自然には治らないということです。
余程初期段階であれば治ることもありますが、それでもやはり治療するのが確実です。
患者さんにとって痛みのない虫歯は、風邪で例えれば軽い咳程度に思えるかもしれません。

最も、風邪の場合は自然に治ることもありますが、虫歯はそうではないのです。
治療しない限り治らないですし、それどころか症状はどんどん進行していきます。
このため、虫歯を予感したら痛みの有無で判断せず、その時点で治療しなければならないのです。

2. 早い段階で治療する利点

冒頭で説明したように、早く治療を受けることは患者さんにとってもメリットがあります。
最大のメリットは軽い治療ですむことで、本当の初期段階なら削らずに治療することも可能です。
また、軽い治療ですむということは治療期間も短くてすむということになります。

さらに言えば、治療期間が短くてすむということは、治療費も安くすむということにもなるのです。
つまり、初期段階で治療すれば苦しくて痛い治療をすることもないですし、
短期間でお金を掛けずに虫歯を完治させられるというメリットがあるのです。

3. 虫歯の進行

虫歯は進行していくと言いましたが、具体的にどう進行していくかを説明していきます。
今は歯が黒ずむ程度ですが、やがて進行すると歯に穴があき、虫歯菌が象牙質に到達します。
この時点で痛みを感じるようになりますし、多くの人がこの段階で歯医者に掛け込みます。

ここでもさらに放置した場合、虫歯菌は歯の神経まで侵してしまうのです。
神経を侵されると痛みは激痛に変化し、虫歯菌によって神経が死んでしまいます。
神経が死ぬと痛みを感じなくなるものの、ここからは虫歯菌が命を脅かすほどの脅威になってしまいます。

4. 思わぬ病気を招く可能性

虫歯の進行は止むことがなく、最終的には思わぬ病気を招く可能性があります。
なぜなら、神経まで破壊して虫歯菌はその後血液に侵入し、血管を通じて全身に回ってしまうからです。
もし脳に回ってしまえば脳梗塞、心臓に回ってしまえば心筋梗塞が起こる可能性があるのです。

必ずしもそうなるとは限らないものの、可能性があるのは事実ですし、実際にそうなった例もあるのです。
また、虫歯の進行が原因で大きな病気を招き、その末に死に至ったというケースもあるのです。
歯の黒ずみ程度の虫歯を放置することが、こうした結果を引き起こしてしまうのです。

5. 歯医者は予防するために行くべき

「痛んでから歯医者に行く」ではなく、「痛まなくても虫歯と気付いた時点で歯医者に行く」が正解です。
しかし、本当の理想を言えば「治療のため」ではなく「予防のため」に歯医者に行くことです。
ここでは、歯が黒ずんで痛くない状態でも歯医者に行くべきかどうかをテーマにしてきました。
これは虫歯の初期段階なのですが、そもそもこの時点で虫歯に気付いたのは幸運なことなのです。

箇所によっては歯の黒ずみに気付かず、知らない間に進行して痛みを感じてやっと虫歯だと気付きます。
初期段階で気付くためには、普段から歯の状態に気を配っておかなければなりません。
そうするためには、歯医者で定期検診を受ける習慣をつけておくのが一番です。
つまり、予防するために歯医者に通っておけば、虫歯になっても確実に初期段階で発見できるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯っぽくても歯が痛まなければ歯医者に行かなくていいかについてまとめます。

  1. 虫歯は自然には治らない :放置しても治ることはない。いずれ必ず治療しなければならなくなる
  2. 早い段階で治療する利点 :簡単な治療ですむ、治療期間が短くてすむため治療費も安くなる
  3. 虫歯の進行 :象牙質に達すると痛むようになり、やがて神経も侵されて激痛を感じるようになる
  4. 思わぬ病気を招く可能性 :虫歯菌が血液に侵入することで、脳梗塞や心筋梗塞になる可能性がある
  5. 歯医者は予防するために行くべき :予防のために歯医者に通えば、虫歯も初期段階で発見できる

これら5つのことから、虫歯っぽくても歯が痛まなければ歯医者に行かなくていいかが分かります。
歯医者に行くかどうかの判断基準を、歯の痛みの有無で考えることがそもそもの間違いです。
虫歯だと気付いた時点で歯医者に行けば、症状によっては簡単な治療で完治させられるからです。
どちらにしても治療が必要な以上、苦痛のない楽な治療ですんだ方が患者さんにとってもプラスです。