虫歯の治療の際に根管治療が必要と言われたのですが、どういう意味ですか? blog

2016.11.17

虫歯の治療に対して、大抵の人は「歯を削って詰め物をする」というイメージを持っています。
確かにそのイメージは正しいものの、虫歯の治療方法はそれ一つだけではないのです。
と言うもの、虫歯の進行度によって治療方法は全く変わってくるのです。
症状次第では聞き慣れない治療が必要になることもあり、その一つが「根管治療」です。
では、根管治療とは一体どんなものなのか、どんな時に必要な治療なのかを説明していきます。

1. 根管治療とは

歯髄、つまり歯の神経を除去した後に根管内の消毒や清掃を行う治療です。
これによって痛みや炎症を抑え、要するに歯の根の治療のことを示します。
歯の神経が虫歯菌に侵された時、それを放置してしまうと周囲に炎症が広がります。

それを抑えるためのもので、流れとしては根管治療で歯の根を綺麗に洗浄した後、
薬剤を詰めて被せ物や詰め物を取りつけます。治療内容で想像できるとおり大掛かりな治療ですし、
虫歯が一定以上進行した時のみ必要となる治療です。

2. どんな時に必要か

根管内の治療だけあって、歯の神経が虫歯菌に侵された時に必要となります。
本来、虫歯で歯が痛むのは虫歯菌が象牙質に達した時ですが、この時点であれば必要のない治療です。
つまり、虫歯を放置することさえなければ、まず行う機会のない治療と言えるでしょう。

具体的には、虫歯菌が神経にまで達している、もしくは神経を除去した場合、
さらには神経の近くまで虫歯菌が達している場合などに行われる治療です。
また、根管治療を行ってもその後の状態がよくないと、再治療として行われることもあります。

3. 根管治療の流れ

まず、歯や詰め物などを切削して神経や根管部分を露出させます。
この時、神経が残っている場合は除去することが大半です。
次に、虫歯菌に感染した歯質や神経を除去して清掃を行います。

そして、清掃後は薬剤を使って消毒し、必要に応じて薬を詰め込みます。
その後は細菌の侵入を予防するために薬剤で根管を埋め、問題がなければ被せ物や詰め物で対処します。
ちなみに、歯科医院によって専用のレーザーで根管内の殺菌を行っているところもあります。

4. 治療期間

大掛かりな治療内容である分、根管治療はそれなりの治療期間が掛かります。
とは言え、具体的な治療期間は炎症や根管の状態によって異なります。
根管の形も人それぞれ違うため、中にはすんなりと治療できないケースもあるのです。

これらの点で考えると、スムーズに治療できれば1週間から2週間で治療可能ですし、
何らかの問題があれば3ヶ月ほど掛かってしまうこともあります。
このため、正確な治療期間は炎症や根管の状態を見ないことには何とも言えないのです。

5. 治療による痛み

患者さんにとって根管治療で最も気になるのは、治療による痛みの有無だと思います。
治療による痛みがあるのは確かであり、残っている神経や周囲の神経に触れることで痛みを感じます。
こうした神経に全く触れずに治療するのはまず不可能なので、痛みがあると思っておいた方が確実です。

最も、あまりにも痛む場合は麻酔で対処できることもあるため、その点は担当の歯科医に相談してください。
脅かすわけではないですが、一般的に根管治療は痛いと言われているのも事実です。
また、根管治療は難易度の高い治療となるため、歯科医の技術によっても痛みに差が出ます。

6. 治療後の痛み

根管治療における最大の注意点がこれです。治療後に痛むことがあり、その理由は様々です。
例えば、神経や細菌を完全に除去しきれていないことで痛むこともありますし、
ひび割れや欠けなど、歯の状態そのものに問題がある可能性もあるのです。

また、該当する歯の周囲の神経に刺激が加わってしまっていることもありますし、
治療後に痛む場合はすぐに担当の歯科医に相談してください。
場合によっては再治療が必要となるため、痛むにも関わらず放置するのは厳禁です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、根管治療とは何かについてまとめます。

  1. 根管治療とは :歯の神経の治療で、根管内の清掃や消毒を行う。最終的には薬剤を詰め込む
  2. どんな時に必要か :虫歯が歯の神経、もしくはその近くまで進行した際に必要になる
  3. 根管治療の流れ :神経や根管部分を露出させて虫歯菌に感染した部分を除去。その後、消毒する
  4. 治療期間 :早ければ1週間から2週間だが、炎症や根管の状態によっては3ヶ月掛かることもある
  5. 治療による痛み :残っている神経や周囲の神経に触れることで痛む。麻酔で対処することも可能
  6. 治療後の痛み :場合によっては再治療が必要になることがあるため、痛む場合はすぐに相談する

これら6つのことから、根管治療とは何かについて分かります。
ストレートに感想を言うと、「痛そうでやりたくない治療」と答える人がほとんどだと思います。
確かに簡単な虫歯治療に比べて雲泥の差がある大掛かりな治療ですが、
虫歯をすぐに治療する習慣さえつけていれば、根管治療とは無縁になります。