入れ歯の寿命はどれくらいですか? blog

2016.11.22

一つの入れ歯をずっと使い続けることは不可能です。物である以上どうしても劣化は避けられないですし、
口腔内のトラブルによって作り直しが必要なこともあるからです。
また、入れ歯の寿命は必ずしも一定ではなく、使用方法や手入れによっても大きく変化するのです。
そういった寿命に関わる点の説明も合わせて、実際の入れ歯の寿命について説明していきます。

1. 平均寿命

入れ歯の平均寿命は4年から5年と言われています。ごく稀に、10年以上使用しているという人もいますが、
医学的にも3年から5年ごとに新品にするのが一般的です。
これは、単に古くなったから新品にするわけではなく、使用するにつれてどうしても劣化するからです。

長期間使用すると起こり得るのは、緩くなる、すり減るといった症状です。
こうした状態で無理に使用すると歯茎に悪影響を及ぼし、入れ歯自体を安定させるのが難しくなります。
入れ歯の寿命は長くて5年、そう思っておけば確実です。

2. 手入れ

入れ歯の寿命は長くて5年、上記でそうまとめました。しかし、それは何も問題がないことが前提です。
と言うのも、寿命を短くしてしまう要因がいくつかあるからで、その中の一つが手入れの方法です。
まず基本となるのは、洗浄時にうっかり落としてしまわないことです。

丈夫な入れ歯でも、洗面台の材質によっては落とすことで簡単に割れてしまうのです。
また、欠けたりするだけでも使用できなくなってしまいますし、熱湯につけてしまうことで変形します。
正しい方法で丁寧に手入れすることは、入れ歯の寿命を延ばすコツの一つです。

3. 口腔内のトラブル

入れ歯そのものでなく、口腔内の状態も入れ歯の寿命に影響してきます。
これは、入れ歯の構造や仕組みが関わってくる問題です。
入れ歯は、周囲の歯に留め金を引っかけて固定させる仕組みになっています。

その一方で、留め金を引っかけている歯が虫歯や歯周病になってしまうと問題が起こるのです。
治療によって歯を削れば、留め金の調整が狂って安定しなくなってしまうからです。
この場合、入れ歯自体に劣化はなくても再び作り直さなければなりません。

4. 劣化

どんなに丁寧に手入れを行っても、使用しているからにはどうしても劣化していきます。
噛むことですり減っていきますし、使用するにつれて緩くなっていくのです。
また、他の歯の状態によっては噛み合わせが合わなくなり、そうなるとよりすり減ってしまいます。

劣化を防ぐことはできないものの、少しでも長く使うのであれば使用後の定期検診は欠かせません。
定期検診では口腔内の健康状態や噛み合わせの調整を確認するため、
これをおろそかにしていると入れ歯の寿命は格段に短くなってしまいます。

5. 紛失への注意

特別介護老人ホームや入院など、高齢の方が多く出入りする環境では入れ歯の紛失に注意してください。
と言うのも、一度製作してから半年以内で新しく入れ歯を製作する場合は保険が適用できないのです。
製作してもらうことは可能ではあるものの、その場合は保険を適用せずに実費での負担が必要になります。

入れ歯の費用が安いのは、入れ歯自体が安いわけでなく保険が適用できることにあります。
このため、製作直後に紛失してしまうと、高額な費用で再製作してもらわなければならないのです。
特に、製作してからの半年間は間違っても紛失してしまわないようにしてください。

6. 寿命を延ばす方法

単純に入れ歯を少しでも長持ちさせたいなら、そのための手段はいくつかあります。
基本となるのは、ここで紹介してきた内容に注意することです。
手入れを怠らず、他の健康な歯をそのままの状態で保つことが、入れ歯の寿命を延ばしてくれます。

そして、それ以外として入れ歯の材質にこだわる方法もあります。
例えば、入れ歯の材質はプラスチックが一般的ですが、頑丈な金属を多めに使用することも可能です。
ただし、この場合は保険が適用できないため、安いという入れ歯のメリットは失われてしまいます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、入れ歯の寿命はどれくらいなのかについてまとめます。

  1. 平均寿命 :大体4年から5年、医学的にも3年から5年が一般的と言われている
  2. 手入れ :手入れをおこたることで寿命に影響する。洗浄時に落とすと割れてしまうことがある
  3. 口腔内のトラブル :留め金を引っかけている歯が虫歯などになると、再調整が必要になる
  4. 劣化 :噛むことでどうしても劣化する。噛み合わせが悪いと劣化が激しくなる
  5. 紛失への注意 :製作したから半年間は、保険を適用して新たに製作することができない
  6. 寿命を延ばす方法 :入れ歯の材質にこだわる方法もあるが、その場合は保険適用外になる

これら6つのことから、入れ歯の寿命はどれくらいなのかが分かります。
正しい使用や手入れ、しっかりと定期検診に通うことで5年近く使用することができます。
一概に確実な寿命は断言できないものの、一般的に4年から5年と把握しておけばいいでしょう。