入れ歯は一度作ってもらえばずっと使い続けることができるのでしょうか? blog

2016.11.24

入れ歯は、歯を失った際の選択肢として最も手軽な方法です。
比較されることの多いインプラントに比べて、費用の安さや治療の簡単さがメリットになっています。
しかし、長く使用することを考えると、どれくらいの期間使用し続けられるのかも気になるところです。
そこで、ここでは入れ歯はずっと使い続けることができるのかどうかを説明していきます。

1. 入れ歯の平均寿命

入れ歯を一生使い続けることは不可能で、一般的には4年から5年が寿命と言われています。
また、口腔内の状態によっても入れ歯の寿命は変化します。
例えば、部分入れ歯で入れ歯を引っかけている歯が歯周病や虫歯になって治療したとします。

この時、被せ物などを使用することで入れ歯に掛けている留め金が合わなくなるのです。
この場合、新たに入れ歯を作り直して調整し直さなければなりません。
また、総入れ歯で噛み合わせが悪い場合、歯がすり減って消耗するのでこれも寿命に影響してきます。

2. 手入れの影響 

入れ歯は手入れしなければならないですし、手入れの仕方によっても寿命が短くなります。
基本としては、手入れの際に落としてしまわないことです。
洗面台の材質によっては入れ歯が割れてしまい、こうなると使用できなくなります。

また、入れ歯の洗浄剤は入れ歯の材質によって使っていいものと悪いものがありますが、
この点に関しては担当の歯科医から説明があるでしょう。後は、入れ歯の留め金の変形に要注意です。
自身で曲げるのはもちろん厳禁ですし、熱湯につけることで変形の原因にもなります。

3. 入れ歯の劣化

どんなに丁寧に使用していても、入れ歯は徐々に劣化していきます。
これは、噛み合わせることで人工の歯の部分がすり減ってしまうからです。
ただし、このすり減りに関しては以前に比べて耐久性が格段に高くなっています。

入れ歯は人工の歯にプラスチックの材質を使うことが多かったのですが、
すり減りによる劣化を考慮して、今では同じプラスチックでもより硬いものを使用しているのです。
とは言え、すり減りを完全になくすことは不可能なので、使用による劣化は避けられないのです。

4. 定期検診

入れ歯の寿命や状態、これは自身で判断するものではありません。
入れ歯を使用すると、その後は定期検診に通って入れ歯の状態をチェックすることになります。
他の歯の健康状態はもちろん、噛み合わせも確認して必要であれば調整を行います。

特に噛み合わせは微妙な変化が起こるため、自身で気付きにくいという問題があります。
このため、最低でも半年に一度は歯科医院で定期検診を受けるべきですし、
そうしないと入れ歯の寿命どころか、歯そのものの健康状態にも影響してきます。

5. 入れ歯の寿命が短い理由

10年以上使用できるインプラントと比べると、平均5年という入れ歯の寿命は短く感じます。
では、なぜ入れ歯の寿命はインプラントに比べて短くなってしまうのでしょうか?
その理由の一つは使用する材質で、入れ歯は保険が適用できる範囲の材質で作られているからです。

最も、これは材質が悪いと言っているわけではありません。
インプラントなどで使用するセラミックは審美性や耐久性を必要以上に高めているからです。
保険が適用できる範囲の材質を使用する、だからこそ入れ歯は安く治療ができるのです。

6. 入れ歯は得か損か

入れ歯は永遠に使用することはできないものの、その分費用が安いという特徴があります。
では、入れ歯にすることは得なのでしょうか?それとも損なのでしょうか?
それは、自身が義歯に何を求めるかで答えが変わってくるでしょう。

いくら掛かってもいいから長く使いたい、美しさも耐久性も求めたい、
もしそう思うのであれば、正直入れ歯はおすすめできません。
一方、手軽な治療で安くすませたいのであれば、平均寿命5年というのは充分な期間です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、入れ歯は一度作ればずっと使い続けられるかについてまとめます。

  1. 入れ歯の平均寿命 :平均寿命は5年ほどなので、ずっと使い続けるのは不可能
  2. 手入れの影響 :手入れや口腔内の状態によって寿命は変化する。破損や変形には注意が必要
  3. 入れ歯の劣化 :いくら丁寧に使っても噛み合わせることですり減るため、どうしても劣化してしまう
  4. 定期検診 :調整や口腔内の状態を確認する意味でも、使用後の定期検診は欠かせない
  5. 入れ歯の寿命が短い理由 :インプラントに比べて使用している材質に差がある
  6. 入れ歯は得か損か :何を重視するかで答えは異なる。手軽さや安さを重視するならおすすめ

これら6つのことから、入れ歯は一度作ればずっと使い続けられるかが分かります。
結論を言うと、ずっと使い続けるのは不可能です。劣化した場合はどうしても交換が必要になりますし、
噛み合わせの問題で作り直しが必要なケースもあるのです。
ただし、以前に比べると入れ歯の寿命も長くなっており、
保険が適用できる上に5年使用できると考えれば、それは充分な期間と言えます。