入れ歯を使用する上で注意点はありますか? blog

2016.11.29

入れ歯には、使用する上でのいくつかの注意点があります。
もちろん、そういった注意点は担当の歯科医がしっかりと説明してくれますが、
改めてここでも説明するので、入れ歯を検討している人はぜひ参考にしてください。
また、注意点を守ることは口腔内の安全はもちろん、入れ歯自体の寿命にも関わってくるのです。

1. 手入れ時の注意点

洗面所で入れ歯を洗うことが多いと思いますが、この時、落としてしまわないように注意してください。
入れ歯は丈夫にできていますが、洗面台の材質によっては意外に脆く、落としただけで割れてしまいます。
さらに、消毒のためと熱湯につけてしまうと変形してしまうので要注意です。
また、入れ歯洗浄剤を使用する際ですが、入れ歯の材質によって使用してはいけないものもあります。

保険適用の部分入れ歯や総入れ歯ならまず問題ないですが、金属を多めに使用した金属床義歯や、
入れ歯と分かりにくいのが特徴のスマイルデンチャーは注意が必要です。
例えば、スマイルデンチャーの場合はアルカリ性の洗浄剤は使用できなくなっています。
「洗浄剤=どんな入れ歯でも使える」と考えてしまうのは禁物です。

2. 紛失の注意点

入れ歯の紛失などあり得ないと思うかもしれませんが、環境によっては起こり得る問題です。
特別養護老人ホームなど、多くの高齢者集まる場所ではたびたび入れ歯を紛失してしまう人がいるのです。
紛失し場合、当然新たに入れ歯を製作してもらう必要があるのですが、この際の費用が問題です。

と言うのも、入れ歯は製作してから半年間は、保険を適用して新たに製作することができないからです。
故意でないにしても保険を適用するには何らかの証明書が必要になったり、
さらには市町村によって対応が違うこともあります。このため、製作直後は特に紛失への注意が必要です。

3. 定期検診の注意点

入れ歯の使用の有無に関わらず、本来は歯科医院で定期検診を受けることをおすすめしています。
しかし、入れ歯を使用している場合はおすすめ程度ではなく、必ず定期検診を受けるようにしてください。
使用するにつれて微妙に噛み合わせが合わなくなることもありますし、それは自身では気付きません。

また、入れ歯の留め金を引っかけている歯の健康状態も重要で、
もし虫歯や歯周病になってしまえば、治療して歯を削ることで再び調整が必要になるのです。
健康のため、入れ歯の寿命を延ばすためにも、歯科医院での定期検診は必ず受けてください。

4. 劣化による注意点

どんなに丁寧に手入れして、どんなにピッタリの調整ができていても、入れ歯は使用すると劣化していきます。
噛むことによって次第にすり減っていきますし、使用年数の経過とともに緩くなっていくのです。
こうした場合は修理、もしくは新品を製作してもらって交換しなければなりません。

無理に使用していると歯茎にも影響を及ぼし、入れ歯を安定させることができなくなってしまうのです。
また、衛生面から考えても同じ入れ歯を10年も20年も使うのはとてもおすすめできません。
ちなみに、入れ歯の寿命は一般的に4年から5年ほどと言われています。

5. 食事の注意点

いくら入れ歯とは言え、さすがに天然の歯と同じ感覚で使用することは不可能です。
それを最も実感するのが食事です。まず、入れ歯と粘膜の間に食べ物が入りこまないよう、
食材の大きさを考える必要があります。また、あまりに硬いものを食べるのも問題です。

さらに、総入れ歯の際は上顎が温度を感じにくいため、熱さへの感覚が若干鈍くなるのです。
それに気付かずに熱すぎるものを食べてしまうと、火傷してしまう危険性があります。
食材を限定しすぎるのも栄養不足を招くため、食事に関しては慣れないうちは不自由に感じます。

いかがでしたか?
最後に、入れ歯を使用する上での注意点についてまとめます。

  1. 手入れ時の注意点 :落とすことで割れてしまうこともある。入れ歯の材質によっては洗浄剤にも注意
  2. 紛失の注意点 :製作してから半年間は保険を適用して新たに製作できないため、紛失には注意する
  3. 定期検診の注意点 :入れ歯を使用するなら定期検診は欠かせない。入れ歯の寿命にも影響する
  4. 劣化による注意点 :どうしても劣化する。無理に使用し続けると歯茎に影響して入れ歯が不安定になる
  5. 食事の注意点 :噛みやすさ、食材の大きさ、温度に注意。慣れないうちは若干不自由に感じる

これら5つのことから、入れ歯を使用する上での注意点についてまとめます。
入れ歯を検討する場合、どうしてもメリットばかりに注目しがちです。
しかし、デメリットを含めてこうした注意点を知っておくことも、判断する上では重要なポイントです。

できれば、入れ歯だけでなくインプラントと比較してそれぞれの特徴や注意点を把握することで、
本当に自身に合った義歯の治療方法を見つけることができます。
また、ここで紹介した注意点を意識することが、入れ歯を長く使用できる秘訣にもなるのです。