インプラントは将来、体に害はないですか? blog

2016.12.20

インプラントは人工物で歯の根を再現できる技術の高さが目立ちますが、
言い換えればこれは体に人工物を埋め込むことでもあるのです。
そう考えた時に気になるのが「体への害」です。顎の骨に金属を埋め込むことは本当に体に無害なのか?
それが気になる人のために今回はインプラントの体への害について説明していきます。

無害な事実とその理由は?

結論から言うと、インプラントは安全性の高いもので体への害はありません。
この理由を分かりやすく説明すると、まず使用している金属がチタンであり、
チタンは優れた生体親和性を持っているからです。つまり、体に優しい金属を使っているということです。
ちなみに、チタンが優れた生体親和性を持っているのは以前から知られていた事実です。

このため、外科治療で用いる人工骨でもチタンが使用されていますし、
「金属アレルギーでも大丈夫」と謳ったチタン製のアクセサリーをお店で見かけたという人もいるでしょう。
また、インプラントの材料は厚生労働省からも認可されており、
言わば国からも安全性が確かであることが認められているのです。

金属アレルギーの心配は?

上記で説明したとおり、インプラントで使用されている金属はチタンで、
チタンは体に優しいというだけあって金属アレルギーの人でも反応は起こりません。
ただ、100%アレルギーが起こらないというわけではなく、
ごく稀にチタンアレルギー反応が見られる人がいることも事実です。

最も、インプラントではそんな例外的なパターンへの対処も万全になっています。
具体的には、金属を使わないジルコニア製のインプラントも導入されているのです。
ただし、ジルコニア製のインプラントはどの歯科医院でも扱っているわけではないので、
全ての歯科医院でジルコニア製のインプラントを希望できるまでには至っていないのが現状です。

持病が悪化する可能性は?

持病がある人は、体に金属を埋め込むことで持病が悪化しないかも気になると思います。
これも先に結論を言うとインプラントが原因で持病が悪化することはありません。
最も、患者さんが心配するとおり持病によってはインプラント治療に支障をきたすケースがあるのは事実です。
しかし、そういった場合はそもそもインプラント治療が受けられないようになっています。

例えば、インプラント治療できない例を確認していくと、その中には病気のキーワードもいくつか見られます。
重度の全身疾患や糖尿病や高血圧など、持病によってはインプラント治療ができないですし、
治療前にも従来の歯科治療と違ってCTを用いた本格的な精密検査も行います。
また、持病とは無関係ですが年齢によってはやはり安全上、治療が受けられないことがあるのです。

事故や死亡例があるが大丈夫なのか?

インプラント治療による事故や死亡例があるのは事実です。
これについて順に説明していくと、インプラント治療では手術が必要となりますし、
手術を行う以上、病気やケガの手術と同様にどうしても失敗するリスクがあるのです。
ただし、この失敗のリスクを最大限抑えることも可能であり、そのポイントの一つが歯科医院選びです。

インプラント治療の実績に長けている、もしくはインプラント専門医が勤めている、
そういった信頼のある治療技術の高い歯科医院で治療を受けることで失敗のリスクは激減します。
また、治療後のメンテナンスを欠かさないことで定期的にインプラントの状況をチェックでき、
インプラントが抜け落ちるなどの事故を防ぐことができるのです。

体に有益なことはあるのか?

インプラントが体の害になることはないですし、害どころかむしろ有益になる部分もあります。
例えば食生活です。入れ歯と違って食生活に不自由がなくなることで、基本的に何でも食べられます。
これによって食事の満足感を得られるのはもちろん、何でも食べられることは栄養の摂取にも繋がります。

また、天然の歯と同様に食べ物を噛み砕けることで顎の骨の減少も防ぐことがあります。
しっかり噛むことはアンチエイジングにおいても効果がありますし、
脳にもプラスの刺激となるため認知症などの病気の予防にもなるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントは体に害はないのかについてまとめます。

  1. 無害な事実とその理由は? :優れた生体親和性を持つチタンを使っているため
  2. 金属アレルギーの心配は? :チタンはアレルギーが起こりにくい。金属を使わない素材も使用可能
  3. 持病が悪化する可能性は? :悪化する可能性のある持病があると、そもそもインプラント治療はできない
  4. 事故や死亡例があるが大丈夫なのか? :リスクがあるのは確かなので、歯科医院選びが重要になる
  5. 体に有益なことはあるのか? :よく噛めることで栄養を摂取しやすく、アンチエイジングの効果もある

これら5つのことから、インプラントは体に害はないのかが分かります。
インプラントに害があるなら、同じチタンを使用する人工骨や心臓ペースメーカーも有害になってしまいます。
金属を埋め込む点で害のあるイメージを受けがちですが、
肝心の金属は体に優しいチタンを使っており、それが体に害のない最大の理由です。