インプラントの手術後は歯が抜けたままですか? blog

2017.01.26

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「インプラントの手術後の歯について」です。
インプラントの手術で行うのは、顎の骨にインプラント体を埋め込むことです。

つまり手術をした時点では上部構造は完成しておらず、言わばまだ歯がない状態になります。
ここで気になるのが、手術後は歯が抜けたままなのかということです。
最終的には人工の歯が装着できるものの、一時的とは言え歯がない状態に抵抗を感じる人は多いでしょう。
そこでインプラントの手術後、手術した箇所の歯はどうするのかについて説明していきます。

1. 仮歯の装着

インプラントの手術後は、埋め込んだインプラント体と骨が結合するのを待つ定着期間に入ります。
この期間中は仮歯を装着することができるため、歯が抜けた状態にはなりません。
ただしあくまで仮歯であるため、インプラント治療で得られるような耐久性や実用性はありません。

また、治療の段階に合わせて仮歯も変えていくため、常に口に合った仮歯を装着することが可能です。
素材はプラスチックですからすり減りも早く、短期間で噛み合わせもすぐ変わってしまいます。
このため、もし治療を中断するような場合は決して仮歯のまま放置してはいけません。

2. 仮歯の役割

仮歯は噛むことにおいては力不足ですし、役割自体はむしろ別の点にあります。
まず見た目の審美性を保つことで、特に目立つ前歯をインプラント治療した場合仮歯は必須でしょう。
また、仮歯を使用することで歯肉の状態を整えたり隣接する歯が動くのを防いだりする役割も果たします。

だからこそ、一定期間ごとに微調整する必要があるのです。特に治療の最終段階に近い状態での仮歯は、
日常生活に支障がないかを確認するシミュレーションにもなるのです。
このため、もし歯磨きや食事の際に違和感や不自由な点に気付いた時は、その旨を歯科医に伝えてください。

3. 奥歯について

前歯はともかく、奥歯の場合は仮に歯がない状態だとしてもそれほど目立ちません。
このため、骨との結合に問題があると判断された場合は仮歯を使用しないこともあります。
これは歯科医の判断ですし、歯科医院によっては必ず仮歯を装着するというところもあるでしょう。

奥歯は噛んだ時に強い力が掛かるため、どうしてもこういったケースがあるのです。
ただし、患者さんが強く要望する場合は仮歯を装着することがほとんどですし、
歯がない状態が困るという人は歯科医に相談してください。

4. 仮歯を装着するタイミング

できるかできないかの話で言えば、手術当日に仮歯を装着することは可能です。
しかし、理想で言うなら抜糸する2週間後くらいのタイミングでの装着がベストです。
これは、インプラントを埋め込んだ箇所に過度な刺激を加えないにするためです。

最も、ほとんどの患者さんが手術当日の仮歯を希望しますし、前歯をインプラントした場合は尚更です。
このため、タイミングとしてはあくまでも理想と捉えて構わないですし、
このタイミングで仮歯を装着するなら元々目立たない奥歯などをインプラント治療した時でしょう。

5. 1回法と2回法

インプラント治療には、1回法と2回法の2つの方法があります。
数字は手術の回数を示しており、1回法は1度の手術、2回法が2度の手術を行う治療方法です。
元々は2回法だけでしたが、治療期間の長さや手術による精神的負担を考慮して1回法が誕生したのです。
そして、1回法では1度の手術で仮歯まで装着することが可能です。

この点だけ見れば仮歯においては1回法が優れているものの、
1回法は細菌感染のリスクが高まるデメリットを持っています。
このため、1回法か2回法かを決める際には仮歯に関してだけでなく、
それぞれのメリットとデメリットを全て把握して考慮した上で決めてください。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントの手術後の歯についてまとめます。

  1. 仮歯の装着 :手術後に仮歯を装着することは可能。治療の段階に応じて仮歯も変えていく
  2. 仮歯の役割 :見た目の審美性、隣接する歯の移動を防ぐなど、噛む役割がメインではない
  3. 奥歯について :奥歯は目立たない上に噛む力が強いので、仮歯がおすすめできないこともある
  4. 仮歯を装着するタイミング :理想は手術後の抜糸の2週間後くらい。患部に刺激を与えたくないため
  5. 1回法と2回法 :1回法は1度の手術で仮歯の装着まで可能だが、それだけで治療方法を決めてはいけない

これら5つのことから、インプラントの手術後の歯について分かります。
見た目の審美性を考えると、歯がない状態で過ごすのは嫌だという患者さんがほとんどです。
このため、インプラントの手術後は仮歯を使用して生活することができます。

ただし、手術直後に仮歯を使用するのはデメリットもあるため、歯科医と相談しながら決めるのがいいでしょう。
最も、仮歯の有無は患者さんの希望が考慮されることが主なので、
余程問題がない限り仮歯の使用は認められます。