インプラントの手術をしてから、噛み心地が少し違うのですが…… blog

2017.02.07

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。今回のテーマは「インプラントの噛み心地」です。
インプラントは失った歯を取り戻せると言うだけあり、基本的に何でも食べられます。
よほど硬いものでなければ普通に噛めますし、入れ歯のようにガムや餅が付着することもありません。

しかし、中には天然の歯と噛み心地が違うという人もいます。
確かにいくら失った歯を取り戻せるとは言え、天然の歯とインプラントは別物です。
と言うことは、噛み心地にも違いがあるのでしょうか?今回はその点について説明します。

1. 咬合力について

噛んだ時の力を咬合力と言いますが、天然の歯を100%として考えるとインプラントは90%と言われています。
つまり、ほぼ天然の歯に近い強さで噛むことはできますが、全くイコールと言うわけではないのです。
この10%の差を感じる人はほとんどいないのですが、同じではないと言うことだけは知っておいてください。

最も、インプラントの咬合力の高さは他の治療方法に比べて圧倒的に高いのは事実です。
同じ基準で咬合力を考えるとブリッジは70%ほどですし、総入れ歯に至ってはおよそ10%です。
このため天然の歯と比べた時の咬合力は、全くイコールではないとは言えインプラントが最も高いのです。

2. 歯根膜の影響

インプラントをして噛み心地に違和感がある場合、その原因として最も可能性が高いのが歯根膜の影響です。
本来天然の歯には歯と顎の骨の間に歯根膜があり、これが衝撃を和らげるクッションの役割を果たします。
しかし、インプラントにはこれがないため噛んだ時の衝撃が直接骨に伝わり、噛み心地の違和感に繋がります。

また、歯根膜には触覚や痛覚などの感覚があるため、それによって噛む力を制御する役割も持っています。
この歯根膜がないことで、噛んだ際の力加減がうまくできないのです。
このため、噛む力が強すぎる人はそれが原因で周辺組織にダメージを与えてしまうこともあります。
特に歯ぎしりなどのクセがある人においては、マウスピースを活用することで対処できます。

3. 噛み合わせが合っていない

治療後のメンテナンスを疎かにしていると、徐々に噛み心地に違和感を覚えるようになります。
これは、噛み合わせが合っていないことが考えられます。治療時に噛み合わせの調整を行うものの、
日常生活の中でその調整は少しずつ狂ってきますし、噛み合わせのバランスに対してインプラントは敏感です。

ほんのコンマ数ミリの狂いでさえ、インプラントにとっては大きなダメージになってしまうのです。
メンテナンスを欠かしてはいけないのは、インプラント周囲炎などの病気を予防するのはもちろんですが、
それだけでなく噛み合わせを調整することでこうした噛み心地の違和感を失くすためでもあるのです。

4. 食事における制限はない

ここでテーマにしているのはあくまで違和感ですし誤解のないように言っておきます。
インプラントは歯根膜の影響で噛み心地に違和感を覚える人がいるものの、
だからと言って食事に制限がつくわけではありません。

元々噛む力に優れているため極端に硬いものでなければ普通に食べられますし、
入れ歯のようにガムなどが付着してしまうこともありません。
このため、噛み心地の違いによって食事に制限がつくことはなく、食生活自体は快適に過ごせます。

5. 噛むことにおいては最も優れた治療方法

現状の歯を失った際の治療方法を考えると、噛むことにおいてはインプラントが最も優れた治療方法です。
歯根膜は再生できないため、それが原因での噛んだ違和感は調整を行うしかないですが、
肝心の咬合力においてはブリッジや入れ歯を上回っていますし、安定性にも長けています。

確かにインプラントにも欠点はありますが、その多くは費用の高さや治療の大掛かりさにあります。
つまり、人工の歯としての機能性は入れ歯やブリッジ以上に快適ですし、
見た目の美しさにおいてもインプラントが最も優れているのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントの噛み心地についてまとめます。

  1. 咬合力について :インプラントの噛む強さは天然の歯の90%。全く同じではないがほぼ天然の歯と同様
  2. 歯根膜の影響 :インプラントは歯根膜がないため、噛んだ時の衝撃がそのまま伝わって違和感を覚える
  3. 噛み合わせが合っていない :メンテナンスを疎かにしている場合、噛み合わせが合っていないこともある
  4. 食事における制限はない :歯根膜による違和感があっても、食事自体に制限はなく何でも食べられる
  5. 噛むことにおいては最も優れた治療法 :噛むことや実用性においては、インプラントが最も優れた治療法

これら5つのことから、インプラントの噛み心地が分かります。
噛み心地が違うのは歯根膜がないことによる影響の可能性が高いです。
現状歯根膜を再生することはできないものの、将来的にはそれを可能にする治療も研究されています。
最も、噛むことにおいてインプラントは申し分ない数値や天然の歯に近い感覚があるため、
歯を失った際の治療方法として最も優れているのは確実です。