インプラントの手術後に注意することはありますか? blog

2017.02.14

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「インプラントの手術後の注意点」です。
インプラント治療では手術を行いますが、大きな病気の手術の際と違って入院の必要はありません。

当日帰宅することができますし、翌日からなら仕事をすることも可能です。
とは言え、手術後に何でもしていいというわけではなく、いくつか注意点があるのも事実です。
そこで、ここではインプラントの手術後の注意点を説明します。

1. 食事について

手術後の食事においてはいくつか注意することがあります。
まず食事するタイミングで、麻酔が切れるまでは控えるようにしてください。
これは、麻酔が効いた状態で食事すると感覚がマヒしているせいで唇を噛んでしまう可能性があるからです。
また手術後の1週間ほどは、噛まなくてもよくてなおかつ栄養のあるゼリーやお粥などを食べてください。

それから徐々にやわらかいものを食べ、慣らしていってください。
治療が終われば最終的には何でも食べられますし、ここで敢えて硬いものに挑戦する意味はありません。
硬いものはもちろんですが、刺激物も傷口の悪化や痛みに繋がるので控えてください。

2. 薬について

手術後は薬が処方されますが、痛み止めに関しては痛い時に飲むだけで構いません。
ただし、他の薬に関しては最後まで飲み続けてください。風邪を引いた時など、
よく病院で処方された薬を風邪が治ったと自覚して2日ほどで飲むのを止めてしまう人がいます。

本来これは禁止行為であり、必ず最後まで飲むようにしてください。
また、まれに処方された薬が合わないという人もいます。
このため、症状の改善が見られなければ一旦飲むのを止め、その時は歯科医に相談してください。

3. 入浴について

手術当日の入浴は控えた方がいいですし、どうしても入りたいなら、軽くシャワーを浴びる程度にしてください。
これは、入浴して身体を温めることで血行がよくなってしまうからです。
血行がよくなると手術の腫れが悪化したり、出血してしまったりする恐れがあるのです。

このため、手術当日は例え短時間だとしても湯船に入るのは控えてください。
翌日からは普通に入浴できますが、元々長時間入浴の習慣がある人はその点は注意が必要です。
また、手術後の2日~3日は再出血してしまう可能性があるため、その際は歯科医に連絡してください。

4. 飲酒について

手術後の3週間ほどまでは、できるだけ飲酒も控えましょう。上記の入浴の項目で説明しましたが、
手術後は血行がよくなる行為に注意する必要があり、飲酒もそれに含まれるのです。
同じ意味で言うなら、運動や日焼けも血行がよくなってしまうため避けてください。

手術後は、インプラントと骨がしっかりとくっつくのを待つための定着期間です。
この定着期間は手術後から3週間が最も大切な時期と言われているため、
その間は飲酒や運動を含め、血行がよくなる行為全般を控えるのが確実です。

5. 仕事について

さすがに手術当日は安静にすべきですが、翌日から仕事をすることは可能です。
ただし、仕事内容によっては控えた方がいい場合もあるため、その点は自身の仕事内容を考えてください。
例えば一定の運動量が必要な重労働、それ以外にはお酒を飲むような仕事です。

これらはいくら仕事とは言え、上記で控えるべきと説明した運動や飲酒に含まれます。
こうした仕事に就いている場合は復帰時期を歯科医に相談すべきですし、
会社の担当者にも事情を伝え、一定期間休養や別の仕事内容を任せてもらうなどの対処が必要です。

6. 歯磨きについて

全く歯磨きをしないようでは口の中で細菌が繁殖してしまうため、歯磨き自体は必要です。
ただし、手術した箇所をゴシゴシと磨くのが厳禁です。磨くことで痛むのはもちろんですが、
手術後は血液の塊が出血を抑える役割を果たしています。

このため、その箇所を磨いてしまうと血液の塊がはがれて再び出血を招く恐れがあるのです。
もちろん他の歯においては従来どおり磨いて構いませんが、患部には触れないようにしてください。
また、血液の塊をはがさない意味で強いうがいにも注意が必要です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、インプラントの手術後の注意点についてまとめます。

  1. 食事について :やわらかくて噛まなくてもいいものを食べる。栄養のあるゼリーやお粥などがおすすめ
  2. 薬について :痛み止めは痛い時だけ飲めばいい。他の薬は処方された分は必ず最後まで飲みきる
  3. 入浴について :血行がよくなると出血を招くため、手術当日は控えるかシャワー程度にしておく
  4. 飲酒について :飲酒も血行がよくなるので禁物。同じ意味で運動や日焼けも控えるべき
  5. 仕事について :手術翌日から仕事は可能だが、運動や飲酒が必要な仕事は歯科医に相談する
  6. 歯磨きについて :患部を直接磨かない、強いうがいをしない。他の歯は従来どおり磨ける

これら6つのことから、インプラントの手術後の注意点が分かります。
入院が必要ないとは言え、手術後にはこうした注意点があります。
不自由な点もあるでしょうが、これらを守ってこそしっかりとした定着期間が過ごせるのです。
治療期間が長引く、インプラントに失敗する、こうしたリスクを回避するためにも、
手術後の注意点は必ず守って生活してください。