歯周炎と歯肉炎は違うものですか? blog

2017.03.09

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周炎と歯肉炎は同じなの?」です。
歯周炎も歯肉炎も歯肉の病気ですし、どちらも聞いたことがある病気でしょう。
また、どちらも同じ歯肉の病気であることから、二つの病気は全く同じようにも思えますよね。

しかし、病名が異なる以上これらは異なった病気だと予想できますし、
異なる病気なら具体的にどこが違うのかも気になるところです。
そこで、ここでは歯周炎の歯肉炎は同じ病気なのか?違うとしたら何が違うのかを解説していきます。

1. どちらも歯周病に含まれる

歯肉の病気と言えば、ここでテーマにしている歯周炎や歯肉炎よりも歯周病を連想する人が多いでしょうが、
実は歯周炎も歯肉炎も歯周病の中に含まれます。そこで、まず歯周病について触れていきます。
歯周病は進行する病気であり、引き起こされる症状も進行に応じて異なる部分があります。

まず歯周病になると歯肉が炎症を起こして歯周ポケットが深くなります。
これは歯周病の初期段階なのですが、この状態のことを歯肉炎とも呼ぶのです。
また、歯肉炎(歯周病の初期段階)が悪化して歯槽骨が溶かされてしまう状態を歯周炎と呼ぶのです。
つまり歯肉炎は歯周病の初期段階を示し、歯周炎は歯周病の中期段階を示すのです。

2. 歯槽膿漏について

歯周病の進行は3段階に分けられています。そして、上記で説明したとおり初期段階が歯肉炎であり、
中期段階が歯周炎です。ちなみに3段階目は重度段階の歯周病であり、
いつ歯が抜けてもおかしくない状態です。この重度段階の歯周病のことを歯槽膿漏とも呼びます。

歯槽膿漏も歯肉の病気として聞いたことがあるでしょうが、前述したとおりこれも歯周病に含まれます。
つまり歯周病は3段階に分けられており、初期段階を歯肉炎、中期段階を歯周炎、
重度段階を歯槽膿漏とも呼び、これらを歯周病とひとまとめにして呼ぶこともあります。

3. 歯周炎と歯肉炎はどちらが深刻な状態か

歯周炎と歯肉炎、症状として深刻なのは歯周炎です。これは上記の説明から分かりますが、
歯肉炎が歯周病の初期段階なのに対して、歯周炎は中期段階に該当するからです。
最も、歯肉炎も放置するのは厳禁ですが、歯周炎と診断されたらそれは歯槽骨が溶かされている状態です。
このため、そのまま進行すると歯周病の重度段階、つまり歯槽膿漏になって歯が抜け落ちてしまいます。

ちなみに、歯周炎や歯肉炎で厄介なのは目立った自覚症状がないことです。
虫歯のように痛めばすぐ気づきますが、特に歯肉炎には気付かない人も多いでしょう。
気付いた時には歯がグラついていて重度の歯周病になっていた…そんなケースも珍しくありません。
そうならないためにも、歯科医院で定期検診を受けて歯周病の予防や早期発見を心掛けましょう。

4. 歯周病にもっと危機感を持つべき

歯周病は歯を失う病気という点から、高齢の人だけがなる病気に思われがちです。
しかし、実際にはそうとは限りません。
例えば、小学校の歯科検診で歯肉炎と診断された経験のある人もいるでしょう。

そして、ここで説明してきたとおり歯肉炎は初期段階の歯周病とイコールです。
つまり、小学生でさえ歯周病になる可能性はあるのです。
若いうちは歯周病とは無縁だと軽視していると、近い将来歯を失うことになるかもしれません。

5. 歯周炎や歯肉炎の予防方法

歯周炎も歯肉炎も歯周病に含まれることから、歯周病を予防することがこれらの病気の予防になります。
まず、歯周病が起こる要因はプラークの中に潜む歯周病菌に感染することですから、
毎日の歯磨きでプラークを確実に除去することが大切です。

最も、歯磨きだけではプラークを除去しきれないでしょうから、
より精度の高い磨き方を実現するためデンタルフロスや歯間ブラシも使うといいでしょう。
また、定期的に歯科医院で検診を受けてお口の中をクリーニングしてもらうのも効果的です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周炎と歯肉炎は同じなの?についてまとめます。

  1. どちらも歯周病に含まれる :歯周炎は歯周病の中期段階、歯肉炎は歯周病の初期段階の状態を示す
  2. 歯槽膿漏について :歯周病の進行は3段階に分けられ、3段階目となる重度な状態を歯槽膿漏と呼ぶ
  3. 歯周炎と歯肉炎はどちらが深刻な状態か :歯周病の段階から判断すると歯周炎の方が深刻な状態
  4. 歯周病にもっと危機感を持つべき :子供でも歯肉炎になることから、子供でも歯周病になることが分かる
  5. 歯周炎や歯肉炎の予防方法 :デンタルフロスや歯間ブラシを併用した歯磨き、歯科医院での定期検診

これら5つのことから、歯周炎と歯肉炎は同じなの?について分かります。
分かりやすくまとめると、歯周炎と歯肉炎はどちらも歯周病に含まれます。
歯周炎は中期段階の歯周病、歯肉炎は初期段階の歯周病と同じです。
最近ではこうした分け方をせず全てひっくるめて歯周病と呼びますが、
歯周炎や歯肉炎といった言葉で歯周病の症状を区分することは、歯周病の進行状況を知る目安にもなります。