歯周病とは、どんな病気なのですか? blog

2017.03.14

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯周病とはどんな病気なのか」です。
お口の中の病気と言えば、誰もが虫歯や歯周病を真っ先に想像するでしょう。
ただ、ほとんどの人は虫歯を予防する意識を持っていても、歯周病をそれほど警戒していません。

その理由の一つとして考えられるのが、「歯周病がどんな病気かよく知らないから」というものです。
しかし、歯周病は歯を失う要因として最も可能性が高い怖い病気です。
そこで、ここでは歯周病がどんな病気なのかについて説明していきます。

1. 歯周病の要因

歯周病は歯周病菌という細菌によって引き起こされる病気であり、
細菌に感染することで起こるという点では虫歯と同じ特徴を持っています。
そして、歯周病菌はこれも虫歯菌同様プラークの中に潜んでいます。

さて、プラークは歯磨きで除去できますから、
その考えると歯周病になる要因はお口の中が細菌で汚れていることが第一に挙げられます。
逆に言えば、毎日しっかり歯磨きをしてプラークを除去することが歯周病の予防になるわけです。

2. 歯周病の症状

初期段階は目立った症状はなく、歯肉に炎症を起こして変色や腫れといった症状をもたらします。
そして、進行することでただ歯肉に炎症を起こすだけでなく、顎の骨を溶かしてしまうのです。
顎の骨と聞いてもピンとこない人が多いでしょうが、顎の骨は歯を支える土台に等しい役割を持っています。

そんな顎の骨が溶かされるということは、歯は支えとなってくれる土台を失うことを意味します。
当然歯は不安定になってグラつくようになり、やがて完全に抜け落ちてしまうのです。
「歯周病になると歯を失う」と聞いたことがある人もいるでしょうが、
それは歯周病によって顎の骨が溶かされてしまうことが原因です。

3. 歯周病の自覚症状

虫歯は「痛み」という分かりやすい自覚症状がありますが、歯周病には目立った自覚症状がありません。
正確には歯周病になると歯肉が変色や腫れを起こすため、歯肉をチェックすれば異変に気付きます。
また、歯周ポケット内に細菌が溜まり、膿みが出ることも合わさって口臭がするようになります。
そして中期段階になると顎の骨が溶かされることで歯肉が退縮し、歯が長くなったように見えます。

これは歯肉の退縮によって歯の根元が露出するためですが、
歯の根元は刺激に敏感なので、同じくらいのタイミングで冷たいものや熱いものがしみるようになるでしょう。
さらに歯もグラつくようになり、指で触ったり押したりすると歯が動いてしまいます。

4. 歯周病の治療方法

基本的はお口の中のクリーニングで、プラークや歯石の除去、さらには歯周ポケットの清掃を行います。
また、患者さんによるプラークコントロールでお口の中を清潔な状態に保ちます。
初期段階の歯周病であればこうした基本的な治療で治りますが、中期段階になるとそう簡単にはいきません。
これらの基本的な治療はもちろんですが、状態次第では歯肉を切開する歯周外科手術を行います。

この手術は、歯周病の進行によって歯周ポケットが深くなりすぎて清掃できない場合に行うもので、
外側から清掃ができないため、歯肉を切開してそこから歯周ポケットを清掃するのが目的です。
ちなみに、重度の段階になると場合によっては治療不可となり、その際は抜歯で対処することになります。

5. 歯周病の予防方法

基本は毎日の歯磨きですが、仮に歯磨きでプラークを完全に除去できるなら、それだけで予防は可能です。
しかし、現実的には歯磨きだけで歯周病を予防することは困難です。
まずプラークは食べカスのように目に見えないため、それを全て除去するのはまず不可能でしょう。

また、プラークは時間が経つことで石灰化して歯石へと変化しますが、
一旦歯石になってしまうといくら歯磨きしても除去できないのです。
そこでおすすめなのが、歯科医院で定期検診を受けることです。口の中のクリーニングによって予防できますし、正しい歯磨きの仕方の指導も受けられます。また、仮に歯周病になっても初期段階で発見することが可能です。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病とはどんな病気なのかについてまとめます。

  1. 歯周病の要因 :プラークの中に存在する歯周病菌によって起こる。つまり、細菌に感染することで起こる
  2. 歯周病の症状 :歯肉に炎症を起こし、進行することで歯を支えている顎の骨を溶かしてしまう
  3. 歯周病の自覚症状 :歯肉の腫れや変色、口臭、歯が長くなって見える、冷たいものや熱いものがしみる
  4. 歯周病の治療方法 :基本はお口のクリーニングとプラークコントロール。進行すると手術が必要になる
  5. 歯周病の予防方法 :毎日の歯磨きだけでなく、歯科医院で定期検診を受けると効果的

これら5つのことから、歯周病とはどんな病気なのかが分かります。
歯を失うという点から、歯周病は高齢の人に起こる病気のイメージがありますが、それは違います。
歯を歯肉があれば歯周病は起こり得るため、その意味では子供にも起こる病気です。
このため、虫歯同様に徹底した予防が必要ですし、その予防が将来自分の歯を守ることに繋がるのです。