歯周病はどうやって治すのでしょうか? blog

2017.03.16

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。今回のテーマは「歯周病の治療方法」です。
歯周病は虫歯に並ぶほどお口の中の病気として知られていますが、
治療内容については知らないという人も多いのではないでしょうか。

例えば虫歯なら「歯を削って詰め物を入れる」という治療方法を誰もがイメージできるでしょうが、
歯周病の治療方法をイメージできる人は虫歯に比べて少ないでしょう。
そこで、実際に歯周病はどうやって治すのか?その治療方法についてここで解説していきます。

1. 進行状況によって異なる治療方法

歯周病の治療方法は1つだけではなく、進行状況によって異なります。
具体的に歯周病は初期段階、中期段階、重度段階の3段階に分けられており、
実際に行う治療はそれぞれの段階ごとで違うのです。

当然、進行して重症化するほど治療も大きなものになりますし、治療期間や治療費にも影響してきます。
最も、その点は歯周病に限ったことではなく虫歯の治療においても全く同じ特徴があります。
では、以下の項目で歯周病の段階ごとの治療方法を解説していきます。

2. 初期段階の歯周病

初期段階の歯周病は症状としても歯肉の腫れや変色のみなので、気付かない人も多いでしょう。
治療方法としては歯周病菌を駆除するために細菌が潜むプラークや歯石を除去します。
また、患者さんによるプラークコントロールも行い、お口の中を常に清潔な状態に保ちます。

プラークコントロールとは歯磨きのことで、精度の高い歯磨きができるよう、歯磨きの仕方も指導します。
つまりお口の中のクリーニングと患者さんによる精度の高い歯磨き、
この2つを徹底することで初期段階の歯周病は治せます。
非常に簡単な治療ですみますが、厄介なのはそもそもこの時点で歯周病だと気付きにくいことです。

3. 中期段階の歯周病

中期段階の歯周病は歯槽骨が溶かされはじめるため、歯肉の退縮や歯のグラつきが起こります。
治療方法としては初期段階の治療が基本となりますが、治るまでの期間は初期段階より長くなりますし、
お口の中の状態次第ではそれ以外に別の治療も必要です。

お口の中をクリーニングする際、歯周ポケットの中も綺麗にするのですが、
中期段階まで進行すると歯周ポケットの溝が深くなっていてクリーニングできない場合があるのです。
その際は歯周外科手術によって歯肉を切開し、そこから歯周ポケットの清掃を行います。

4. 重度段階の歯周病

重度段階の歯周病は歯槽骨も相当溶かされているため、いつ歯が抜けてもおかしくない状態です。
治療方法としては初期段階の治療と中期段階の治療の両方を行うのが基本です。
つまり、お口の中のクリーニングとプラークコントロール、さらに歯周外科手術です。

さらに、重度段階になると歯槽骨がほとんど溶かされていることから、骨の再生治療を行うこともあります。
重度段階になるとすぐには治らないため何度も検査を行いますし、それに比例して治療期間も長くなります。
また、治療不可と判断されることもあり、その際は抜歯が必要です。
ちなみに失った歯を取り戻すことはできないため、抜歯後は入れ歯やインプラントで対処します。

5. メンテナンスについて

それぞれ段階ごとの治療方法を解説しましたが、いずれの場合も治療後にはメンテナンスが必要です。
これを行わないとせっかくの治療がムダになってしまう恐れもあるため、
その意味ではメンテナンスも歯周病の治療に含まれると言っていいでしょう。

メンテナンスの内容もまた歯周病の段階ごとで異なっており、
進行状況が深刻な時ほどメンテナンスにも時間が掛かります。
せっかく治した歯周病を再度引き起こさないためにも、メンテナンスは必ず受けてください。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯周病の治療方法についてまとめます。

  1. 進行状況によって異なる治療方法 :歯周病は3段階に分けられており、段階ごとで治療方法が異なる
  2. 初期段階の歯周病 :お口のクリーニングと患者さんによるプラークコントロールで治せる
  3. 中期段階の歯周病 :初期段階の治療に加えて、状態次第では歯肉を切開する歯周外科手術を行う
  4. 重度段階の歯周病 :初期段階と中期段階の治療に加えて、状態次第では骨の再生治療を行う
  5. メンテナンス :治療後のメンテナンスを疎かにすると治療がムダになってしまう可能性がある

これら5つのことから、歯周病の治療方法が分かります。
治療方法はこのようになりますが、ここで歯周病の用語について若干補足しておきます。
歯科医によってはお口の中を診断した時、歯肉炎や歯周炎、さらに歯槽膿漏と表現することがあります。

これらは歯周病と呼び方が異なっているものの、歯周病とイコールだと思ってください。
正確には初期段階の歯周病は歯肉炎とも呼び、中期段階の歯周病は歯周炎とも呼びます。
さらに重度段階の歯周病は歯槽膿漏と呼ぶため、これらと診断されたらそれは歯周病だと思ってください。
自分が歯周病だと気付いたら、いち早く治療を受けることで結果的に簡単な治療で終えられます。