しっかりと歯磨きしていれば虫歯は予防できますか? blog

2017.05.04

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯磨きだけで虫歯は予防できるのか」です。
虫歯を予防するには歯磨きは欠かせないですが、逆に歯磨きだけで虫歯は予防できるのでしょうか。

これについて答えはノーです。絶対に予防できないということはないもの、
歯磨きだけでは虫歯予防として不充分なのが事実です。
ではなぜ歯磨きだけでは不充分なのか?…ここではその理由を説明していきます。

1. 磨き残しの問題

歯磨きすれば確かに歯は綺麗になりますが、だからといって完全に綺麗にできるわけではありません。
虫歯を予防するにはプラークの除去が必要で、プラークは歯磨きによって除去できます。
では、歯磨きした時のプラークの除去率は一体どれくらいなのでしょうか?
実は歯磨きした時のプラークの除去率は6割ほどとされており、逆にいえば磨き残しが4割もあるのです。

プラークは目に見えないため、そもそも完全に除去することは不可能ですし、
歯並びや歯磨きの仕方によっては磨きにくい箇所もあるでしょう。
そうなるとその箇所には常にプラークが溜まってしまいますし、歯石になってしまう可能性だってあります。
このように、歯磨きだけではお口の中を完全には綺麗にできないため、虫歯を完全には予防できないのです。

2. 歯磨きの精度の問題

歯磨きだけで虫歯を予防するのは難しいですし、この場合、どんな歯磨きをしているのかも問題です。
と言うのも、歯磨きの効果を最大限に発揮させるためには、精度の高い歯磨きが必要だからです。
患者さんの中には、何かを食べるためにこまめに歯磨きをするという人もいます。
しかし、歯磨きにとって大切なのは頻度ではなく精度です。

極端な話、1日5回歯磨きするけど雑に磨く人と、1日1回しか磨かないけど丁寧に磨く人、
この2人の歯磨きを比較すると後者の人の方が虫歯を予防できる確率は高くなるのです。
また、歯磨きといっても歯ブラシによるブラッシングだけでは充分な予防はできません。
精度を高めるにはブラッシングだけでなく、デンタルフロスの使用が必要です。

3. 歯と歯の間を磨けない

歯磨きでは歯と歯の間を上手に磨けません。そして、歯と歯の間は最も虫歯が発生しやすい箇所なのです。
ではどうすればこの箇所を磨けるのか?…それは上記でも触れたとおり、デンタルフロスを使用することです。
元々、デンタルフロスはこうした歯と歯の間を磨くためのものであり、虫歯予防に効果的とされているのです。
ちなみに、デンタルフロスを使用することで歯磨き時の磨き残しを2割減らすことができます。

つまり、歯磨き時にデンタルフロスを使用すれば、プラークの除去率を8割まで高めることができるのです。
ちなみに、似たもので歯間ブラシというものがありますが、これは歯と歯肉の間を磨くためのものです。
歯磨きだけで虫歯を予防するのは難しいですし、それでも歯磨きだけで予防しようとするなら、
最低でもデンタルフロスや歯間ブラシを使用しなければ虫歯を予防できないでしょう。

4. 二次虫歯の予防の難しさ

虫歯は大きく分けて2つのパターンがあります。1つは健康な歯が虫歯になってしまうパターン、
もう1つは二次虫歯といって、一度治療した歯が再び虫歯になってしまうパターンです。
そして、歯磨きだけではこの二次虫歯を予防することはまず不可能です。
と言うのも、二次虫歯は詰め物や被せ物に生じた小さな隙間が原因で発生するからです。

詰め物や被せ物は、最初は歯とピッタリ接着しているものの、長期間使用することで接着が弱くなってきます。
そうすると隙間が生じ、そこから細菌が侵入することで二次虫歯が起こります。
詰め物や被せ物に覆われていることでその箇所を歯磨きすることはできないですし、
隙間を綺麗に磨くのも難しいため、歯磨きだけで二次虫歯を予防するのは特に難しいのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯磨きだけで虫歯は予防できるのかについてまとめます。

  1. 磨き残しの問題 :歯並びなどが原因で磨きにくい箇所があるため、歯磨きしても必ず磨き残しが出る
  2. 歯磨きの精度の問題 :歯磨きで重要なのは頻度ではなく精度。そしてブラッシングだけでは精度は低い
  3. 歯と歯の間を磨けない :最も虫歯が発生しやすのが歯と歯の間。ここを磨くにはデンタルフロスが必要
  4. 二次虫歯の予防の難しさ :詰め物や被せ物に隙間が生じて二次虫歯が起こるが、ここは上手に磨けない

これら4つのことから、歯磨きだけで虫歯は予防できるのかが分かります。
確実に虫歯を予防するには歯磨きだけでは不充分であり、その理由はここで説明したとおりです。
ではどうすれば虫歯を予防できるのか?…それには2つのことを実践する必要があります。

1つはここでも説明したとおり、歯磨き時に歯ブラシだけでなくデンタルフロスを使用することです。
もう1つは歯科医院で定期検診を受けることです。定期検診ではお口の状態も細かくチェックします。
このため詰め物や被せ物の異常にも気付き、通常の虫歯はもちろん二次虫歯も予防できるのです。