予防歯科に通っていれば虫歯や歯周病にかかることはないですか? blog

2017.06.08

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「予防歯科に通えば虫歯や歯周病にかからないか」です。
歯科医院の中には、診療科目として「予防歯科」を設けているところもあります。

これは文字どおり虫歯や歯周病を予防する…つまり治すためではなく予防するための治療を行います。
予防歯科を受ける患者さんからすれば、それを受けている以上、
虫歯や歯周病にかからないのは当然と考えるでしょうが、絶対にかからないと言い切れるのでしょうか。

1. 予防歯科は予防のメインではない

いくら歯科医による予防治療でも、予防歯科は虫歯や歯周病の予防のメインではありません。
予防の主役はあくまでも毎日の歯磨きであり、予防歯科の治療は劇でいうなら脇役に位置するのです。
いくら予防歯科に通っていても、歯磨きを疎かにしていれば虫歯も歯周病も予防できないですからね。

このため、「予防歯科に通えば虫歯や歯周病にかからないのか」と問われれば、その答えは「歯磨き次第」です。
最も、だからといって予防歯科が無意味というわけではありません。
精度の高い歯磨きさえしていれば、予防歯科に通うことで虫歯や歯周病の予防効果は一層高まるからです。

2. 予防歯科に通う頻度の問題

予防歯科の効果を発揮するために必要なのは、定期的に治療を受けることです。
最も、いくら定期的に受けるといってもさすがに虫歯治療のように毎週通う必要はありません。
予防歯科に通うにおいて決められたペースはないですが、少なくとも半年に1回の頻度で通うべきでしょう。

理想は1ヶ月に1回、でもそれは難しいという人も多いと思うのでできれば3ヶ月に1回、
それも無理というなら長くても半年に1回…これが正直な意見です。
1度行けばその直後は予防できるでしょうが、その時の予防効果は永久には続かないのです。

3. 予防歯科で学んだことを実践できるかの問題

予防歯科では、フッ素塗布やPMTCなど歯科医院ならではの治療をいくつか行います。
また、それだけでなくブラッシング指導や生活習慣改善のアドバイスなども行います。
そして、ブラッシング指導や生活習慣改善のアドバイスは、患者さんが実践してこそ効果があるのです。

フッ素塗布、お口のクリーニングであるPMTC、ブラッシング指導、生活習慣改善のアドバイス、
予防歯科に行ってこれら4つを行ったとします。しかし、適当な歯磨きではブラッシング指導の意味がなく、
生活習慣改善のアドバイスを守らなければせっかくアドバイスを受けた意味がありません。
この場合、得られる効果はフッ素塗布とPMTCのみになり、予防歯科の効果が半減するのです。

4. 予防歯科に通うメリット

ここまでの説明で、予防歯科に通っても虫歯や歯周病にかかる可能性があることが分かったと思います。
ただ、そうなると予防歯科に通う意味があるのかと疑ってしまう人もいるでしょうが、
定期的に通ってなおかつ予防歯科のアドバイスを実践していれば、高い確率で虫歯も歯周病も予防できます。

また、予防歯科に通うことで虫歯や歯周病にかかった時に初期段階で発見できるのもメリットです。
特に歯周病はハッキリと分かる自覚症状がないため、気付いた時には進行していることがほとんどです。
予防歯科に通っていればそういった事態は起こりにくいため、
予防だけでなくいざかかった時に早期発見と早期治療できるという大きなメリットもあるのです。

5. 予防歯科で行うこと

予防歯科の治療を受けたことのない人からすれば、予防歯科で行う治療内容が気になると思います。
そこで、予防歯科で行うことをここでお伝えしておきます。まずはPMTC、これはお口のクリーニングです。
プラークを綺麗に除去できますし、歯がツルツルするのを実感できる気持ちの良い治療です。
次にスケーリング、これは歯石の除去です。歯石は歯磨きで除去できないため、その意味でも重要な治療です。

また、私生活の過ごし方次第で虫歯や歯周病にかかるリスクが高まるため、
それを防ぐために生活習慣改善のアドバイス、さらに歯磨きの精度を高めるブラッシング指導も行います。
そしてフッ素塗布、フッ素が虫歯予防に効果的なことは知っていると思いますが、
フッ素塗布では歯科医が扱える濃度の高いフッ素を塗布するため、より高い予防効果が得られます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、予防歯科に通えば虫歯や歯周病にかからないかについてまとめます。

  1. 予防歯科は予防のメインではない :メインはあくまで歯磨き。予防歯科に通うだけでは予防できない
  2. 予防歯科に通う頻度の問題 :最低でも半年に1回は通わないと予防歯科の効果は得られない
  3. 予防歯科で学んだことを実践できるかの問題 :ブラッシング指導などを受けても実践しないと無意味
  4. 予防歯科に通うメリット :予防効果が高い上で、虫歯や歯周病を早期発見できる
  5. 予防歯科で行うこと :PMTC、スケーリング、ブラッシング指導、生活習慣改善のアドバイスなど

これら5つのことから、予防歯科に通えば虫歯や歯周病にかからないかが分かります。
絶対にかからないとまでは言えませんが、歯磨きだけの予防に比べて遥かに予防効果が高いのは事実です。
ただしそのためには、「予防しかで指導してもらったことをしっかりと実践する」、
「毎日の歯磨きを丁寧に行う」、これら2つを守ることが必須です。