詰め物はずっと使用可能ですか?もし寿命があるならどのくらいもちますか? blog

2017.06.29

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「詰め物の寿命について」です。
虫歯治療の際に処置として使用する詰め物、これの寿命を考えたことはあるでしょうか。

「物はいつか壊れる」なんて言い方をすることがありますが、詰め物は人工物…つまり物なのです。
最も、詰め物の材質には複数の種類がありますから、寿命があるにしても材質ごとでそれは異なります。
そこで、ここでは詰め物の種類ごとの寿命について説明していきます。

1. 銀歯の寿命

銀歯の寿命は一般的に3年~5年ほどと言われています。
銀歯の材質は銀ですし、単純に耐久性自体はそれなりに高いのですが、
長年使用することで起こる金属イオンの溶け出し、さらに劣化によって歯との間に隙間が生じることから、
おおよそ3年~5年ほどで取り替えが必要だとされているのです。

もしそのまま使用し続けた場合、金属イオンの溶け出しによって歯肉が黒く変色してしまいますし、
歯との間に隙間が生じることで二次虫歯を引き起こしてしまいます。
ちなみに、金属であるため割れや欠けは起きにくく、破損が原因による寿命はまずありません。

2. レジンの寿命

レジンという材質自体は寿命が長く、一般的に10年は使用できると言われています。
しかし詰め物に使用した場合、「10年もつ=10年問題使用できる」というわけではありません。
確かに素材自体の寿命はそれくらいもちますが、それ以内に目に見える劣化が起こってくるからです。

歯との間に隙間が生じる可能性がありますし、長年使用することで変色も起こります。
また、変色はコーヒーや紅茶などが原因でも起こるため、
変色が起こり始めるまでの期間は患者さんのライフライスタイルによって異なります。
このため、あくまで美しさを維持できる期間までを寿命とするなら、5年ほどになってくるでしょう。

3. セラミックの寿命

セラミックの寿命は他の材質の詰め物よりも長く、10年~20年ほどと言われています。
また、セラミックは劣化や変色が起こりにくいため、壊れる寸前まで普通に使用できるのがメリットです。
ただ、前述したようにセラミックの寿命は10年~20年と人によって差が大きくなっています。
これは、定期的に歯科医院に通ってセラミックをきちんと管理するかどうかで変わってくるのです。

セラミックは二次虫歯になりにくい特徴がありますし、プラークも付着しにくい材質です。
しかし、だからといって歯磨きを疎かにすれば二次虫歯を招いてしまいますし、
二次虫歯になって時点でそのセラミックの詰め物は使用できなくなってしまうのです。
つまりセラミックを長持ちさせるためには、自身のお口の健康を維持する必要があるのです。

4. おすすめはセラミック

セラミックは保険が適用されないので高額になってしまいますが、
寿命を含めた特徴から総合的に判断すると、実は一概にも高額とは言えません。
寿命を比較すると分かるとおり、材質の中で最も長持ちするのはセラミックです。

しかもセラミックは二次虫歯になりにくい特徴があります。
銀歯は確かに安いですが、寿命が短いことで一定年数ごとでの取り換えが必要になりますし、
二次虫歯が起こればその分治療費も発生します。

何より二次虫歯が繰り返されればやがて歯を失うことになってしまいますし、
そうなると入れ歯やインプラントでまた費用が掛かってしまうのです。
そう考えると、長い目で見ればセラミックはむしろお得で安いという見方もできるのです。

5. セラミックについて

セラミックはおすすめと説明しましたが、
仮にセラミックの詰め物を希望する際は知っておかなければならないことがあります。
それは、セラミックにはいくつかの種類が存在することです。

例えば、最も審美性の高い100%セラミックとなるオールセラミック、
他の材質を混ぜてある分費用が安めのハイブリッドセラミックなどがあります。
このため、セラミックを希望する際はどのセラミックにするかも考えておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、詰め物の寿命についてまとめます。

  1. 銀歯の寿命 :3年~5年。劣化することで金属イオンが溶け出しで歯肉が変色してしまう
  2. レジンの寿命 :レジン自体は10年ほどだが、変色を含めた劣化はもっと早く起こるので実質は5年ほど
  3. セラミックの寿命 :10年~20年。お口のメンテナンス次第でいくらでも長持ちする
  4. おすすめはセラミック :寿命や機能性を考えると、長い目で見ればむしろ安くなる
  5. セラミックについて :セラミック自体にいくつか種類があるため、それらの把握が必要

これら5つのことから、詰め物の寿命について分かります。
詰め物の材質を選ぶ時、どうしてもその場でかかる費用だけに注目しがちです。
しかし、いくら費用が安くても長持ちしなければトータル的に高くついてしまいます。

そう考えると、一見高額に思えるセラミックが実は一番優れているのが分かります。
長持ちするだけでなく二次虫歯を予防しやすい、
そして何より銀歯やレジンでは得られない審美性の高さがあるのです。