子供の歯がまだ乳歯なら、虫歯の予防はそれほど大切に考えなくても良いですか? blog

2020.10.23

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「子供の虫歯」です。
親とすれば子供の虫歯を予防したいと思うでしょうが、一方でそうではない考えもあります。

なぜなら乳歯はいずれ抜けるからで、抜けるからこそ虫歯になっても構わないと考える人もいるのです。
しかしそれは大きな間違い、乳歯の虫歯は将来生えてくる永久歯に影響してきます。
そのため、子供の虫歯は乳歯・永久歯関係なく徹底予防しなければなりません。

乳歯が生えている段階で永久歯も誕生している

子供の歯は乳歯が抜けてから永久歯が生えてきますが、では永久歯はどの段階で誕生しているのでしょうか。
実は、乳歯が生えている段階で既に永久歯は誕生しており、乳歯の下で生えてくる時をじっと待っているのです。
そのため乳歯が虫歯にかかると、すぐ下に位置する永久歯まで虫歯の影響が及んでしまいます。

例えば、乳歯の虫歯が歯の根まで進行した場合、虫歯の原因菌は永久歯のすぐ近くまで迫ります。
そうなると永久歯が変色する可能性がありますし、何より永久歯が虫歯の原因菌に感染してしまいます。
虫歯の原因菌に感染した永久歯は虫歯になりやすく、健康な永久歯に比べて脆くなってしまうでしょう。

乳歯の虫歯で永久歯の歯並びが悪くなる

現在、歯並びの悪さで悩んでいる人は多いと思いますが、
永久歯の歯並びが悪くなる原因の一つとして挙げられるのが乳歯の虫歯の放置です。
乳歯が虫歯で抜けてしまった場合、その乳歯は本来のタイミングよりも早く抜けたことになりますね。

そのため永久歯はまだ生えず、歯を失った状態が続いてしまいます。
そうなると隣接する歯が歯を失った箇所に動いてしまい、永久歯の生えるスペースの妨げになるのです。
スペースを失ったことで永久歯は正常な位置に生えることができず、歯並びが悪くなってしまいます。

乳歯の虫歯は顎の成長を妨げる

自分が虫歯になった場合の噛み方を想像してみてください。
例えば左の歯が虫歯になった場合、噛み合わせた時の痛みを避けようともう一方の歯で噛もうとしますね。
では左右両方の歯が虫歯になるとどうなるか、その場合はあまり噛まずに飲み込もうとするでしょう。

つまり、虫歯になると噛む動作が減少するのですが、成長期の子供にとってそれは深刻な問題であり、
噛む回数が減少することで顎が正常に成長しなくなってしまいます。
乳歯が虫歯になれば子供はその歯で噛まなくなり、噛まないことは顎の成長の妨げになるのです。

なぜ子供は虫歯になりやすいのか

大人と比較すると子供は虫歯になりやすく、その理由として次のことが挙げられます。

歯磨きが上手にできない

子供は歯磨きの技術が未熟であり、例えば奥歯を磨けない子供は多いでしょう。
また、そもそも歯磨きの大切さ・虫歯の怖さを知らない子供も多く、
歯磨きを面倒に感じて適当に磨いてしまうケースもあります。

糖を摂取しやすい

子供の大好きな食べ物であるお菓子には、糖が含まれています。
しかし、糖は虫歯の原因菌にとってエネルギーとなり、より多くの酸を出させてしまいます。
そうすると歯は溶かされてしまい、たちまち虫歯になってしまうのです。

ダラダラ食いをする

親ならおそらく、テレビを見ながらダラダラ食事する子供に注意した経験があると思います。
このダラダラ食いは虫歯の要因となり、長時間食事することで脱灰が促進されるのが理由です。
本来、歯は脱灰と再石灰化によって健康を保たれていますが、脱灰が優位になることで歯が溶かされてしまいます。

子供の虫歯を予防するには

子供の虫歯を予防するには、毎日の歯磨きにおいて親が仕上げをしてあげると効果的です。
もっとも、毎回の歯磨きで仕上げをするのは時間的に厳しいでしょうから、
余裕を持って歯を磨ける夜の歯磨き時に仕上げをしてあげる習慣を身につけると良いでしょう。

親が仕上げをすれば、子供は歯磨きの大切さを学びます。
また、定期的に検診を受けることも虫歯予防において重要で、
検診時にはフッ素塗布やシーラントなどの予防治療を受けられます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、子供の虫歯についてまとめます。

1. 乳歯が生えている段階で永久歯も誕生している :乳歯が虫歯になると、すぐ下に存在する永久歯にも影響する
2. 乳歯の虫歯で永久歯の歯並びが悪くなる :乳歯が早いタイミングで失われると、隣接する歯が動いてしまう
3. 乳歯の虫歯は顎の成長を妨げる :虫歯になることで噛む機会が少なくなり、顎が正常に成長できなくなる
4. なぜ子供は虫歯になりやすいのか :歯磨きが上手にできない、糖を摂取しやすいなどの理由が挙げられる
5. 子供の虫歯を予防するには :夜の歯磨き時に仕上げをしてあげる、定期的に検診を受ける

これら5つのことから、子供の虫歯について分かります。
確かに、乳歯で生活する時期はほんの数年のことですが、
だからと言って乳歯の虫歯が問題ないわけではありません。
乳歯の虫歯は既に存在する永久歯に影響を与え、歯並びが悪くなどの問題を引き起こします。