金属アレルギーの人が虫歯治療をすると、詰め物はどうなるのですか? blog

2017.07.01

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「金属アレルギーを持つ人の詰め物について」です。
虫歯治療をした際、通常なら最終的に患部に詰め物をつめて処置します。

では、金属アレルギーを持つ人はこの場合どうなるのでしょうか。
と言うのも、最も一般的な詰め物は銀歯ですし、銀歯は金属なのでアレルギー反応の対象になるのです。
そこで、ここでは金属アレルギーを持つ人の詰め物について説明していきます。

1. 歯科金属アレルギー

歯科金属による金属アレルギーはお口の中の粘膜が荒れるだけでなく、
金属アレルギーの症状として全身のかゆみ、さらには湿疹を引き起こす可能性があります。
歯科金属には様々な種類がありますが、これらの歯科金属の金属イオンが溶けて全身に広がっていくのです。

こうした歯科金属アレルギーが起こった際、対処としては有害な金属をお口の中から除去します。
そして、金属アレルギーの起こらない害のない材質の詰め物に替えなければなりません。
さて、金属アレルギーが起こらないための詰め物の材質には2つのパターンがあります。

1つは非金属…つまり金属ではない材質の詰め物です。
もう1つは金属アレルギーが起こりにくい金属…これは身体の中でイオン化が起こりにくい、
言わば生体親和性の高い金属です。では、これらの材質の詰め物を以下で紹介していきます。

2. レジン

歯科用のプラスチックで、金属でないことから非金属の詰め物に該当します。
大半が保険適用となりますし、見栄えが良いとは言えないものの銀歯よりも目立ちません。
このため、金属アレルギーの有無関係なく詰め物にレジンを使用する歯科医院は多いです。

特徴としては銀歯同様に安くてお手軽な点がメリットで、その反面審美性は高くありません。
また、レジンの強度は決して高くないですから、噛む力が強い人や虫歯の穴が大きい人には不向きです。
小さな虫歯のちょっとした穴に詰める場合に向いています。

3. セラミック

名前のとおり陶器が素材の詰め物で、金属でないことから非金属の詰め物に該当します。
特にオールセラミックは天然の歯と変わらない美しさを誇っており、審美性の高さは相当なものです。
このため、見た目の美しさを求めるために銀歯からセラミックへの交換を希望する人もいます。
保険が適用されないので高額になりますが、セラミックは見た目だけでなく詰め物としても優秀です。

と言うのも、セラミックは二次虫歯になりにくい、プラークが付着しにくいという特徴を持っているからです。
ちなみに1つ注意点を挙げておくと、セラミックにはいくつかの種類があり、
その中にはメタルボンドというものがあります。このメタルボンドは裏側に金属が使用されているため、

セラミックとは言え金属アレルギーの対象になってしまいます。

4. 金

金属ではあるものの、イオン化しにくいことから金属アレルギーが起こりにくい金属に該当します。
詰め物の材質として選択することはできますが、正直おすすめはできません。
と言うのも、金は保険が適用されないので費用が高額になってしまうのです。

ひと昔前は高級感を示す意味で金歯を希望する人もいましたが、
金歯も銀歯同様に審美性が高くないことから、最近では自費の素材は金歯よりもセラミックが主流です。
どのみち費用が高額になるなら美しいセラミックを選ぶ…これが一般的な意見になりつつあります。

5. チタン

金属ではあるものの、イオン化しにくいことから金属アレルギーが起こりにくい金属に該当します。
さらに、チタンは金属の中でも最も生体親和性が高いと言われているのです。
アクセサリーショップでチタン製の商品が多く並んでいるのは、この生体親和性の高さが理由です。

ただし見た目は金属そのものですから、チタンにはセラミックのような美しさはありません。
好みはあるものの、あくまで「身体に優しい」が最大の特徴になっています。
やはり金歯同様、チタンよりもセラミックを選ぶという人がほとんどです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、金属アレルギーを持つ人の詰め物についてまとめます。

  1. 歯科金属アレルギー :非金属の材質にする、生体親和性の高い金属にする、解決方法はこの2パターン
  2. レジン :歯科用プラスチック。安くてお手軽だが強度は低く、噛む力が強い人には向いていない
  3. セラミック :審美性も高く詰め物としての質も高い。メタルボンドには金属が使用されているので注意
  4. 金 :金属アレルギーは起こりにくいが、審美性は低く費用も高いので希望する人は少ない
  5. チタン :生体親和性が最も高い金属だが、やはり見た目はそれほどよくない
  6. これら5つのことから、金属アレルギーを持つ人の詰め物について分かります。
    セラミックが主流になりつつあるため、
    金属アレルギーの人も以前ほど詰め物に不自由さを感じることはありません。

    銀歯を選択できなくなるものの、最近では目立つ銀歯を選択する人は少なくなっていますし、
    費用の安さを最優先するのであればレジンという選択肢も用意されています。
    このため、実際には詰め物のことでそこまで悩む必要はなく、歯科医に気軽に相談してください。