セラミックは陶器ですから割れそうなイメージがあります。実際はどうですか? blog
2017.11.15
杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「セラミックの耐久性」です。
最近では、詰め物や被せ物の材質にセラミックを選択する人が増えています。
人気の理由は審美性の高さにありますが、詰め物や被せ物である以上は耐久性も重要なポイントです。
その点セラミックの材質は陶器ですから、銀歯に比べて耐久性を心配する意見も耳にします。
割れるのではないか?欠けるのではないか?…今回は、そんな脆さを心配する人に向けた説明をします。
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強度について
硬さ…つまり強度においては、セラミックは銀歯に劣ります。
実際、冒頭で触れたようにセラミックは割れることもありますし、欠けることもあります。
しかし脆いというわけではなく、こうした事態が起こるのは強く噛みすぎた場合などに限られます。
特にオールセラミックはひと昔前に比べると格段に強度が増しており、
簡単に割れたり欠けたりすることはありません。
また、一部が欠けた程度の状態なら歯科医院で簡単に修復することができます。
硬いセラミックの存在
セラミックは決して脆くはないため、余程強く噛むクセがない限りはそこまで強度の心配はいりません。
また、セラミックの中には割れや欠けを防ぎやすい…いわゆる硬いセラミックも存在します。
それは、メタルボンドとジルコニアセラミックです。
メタルボンド
メタルという名称から連想できるとおり、一部金属を使用したセラミックです。
セラミックの利点は審美性の高さにありますが、
メタルボンドは見える表側がセラミックになっており、見えない裏側が金属で仕上げられています。
このため、セラミックの美しさを持ちつつ金属の頑丈さも兼ねそろえているのです。
ただし金属を使用している点から、金属アレルギーの人にはすすめられないセラミックです。
ジルコニアセラミック
ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれており、硬すぎるといっても過言ではないほどの硬さを誇ります。
見た目もオールセラミックに匹敵する美しさを誇っており、
メタルボンドのように金属を使用していないことから金属アレルギーの心配もいりません。
比較的新しいタイプのセラミックですから、取り扱っていない歯科医院が多いのと費用の高さが欠点です。
ジルコニアセラミックなら奥歯に使用しても安心できる硬さです。
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耐久性について
セラミックは銀歯に比べて強度の点では劣るものの、耐久性の点では優れています。
つまりセラミックは銀歯よりも劣化しづらく、長持ちするということです。
実際、銀歯は一般的に5年ほどが寿命といわれており、数年経過することで劣化が見られます。
一方セラミックの寿命は一般的に10年以上、特にオールセラミックにおいてはさらに寿命が長いです。
さらに使用することによる劣化や変色も起こらないため、
銀歯と違って審美性と機能性を維持したまま、なおかつ10年以上も使用できるのです。
歯を保護する力について
そもそも詰め物や被せ物は、虫歯治療をした歯を細菌の感染から守るために必要なものです。
つまり、銀歯もセラミックも役割の根本となるのは「その下にある歯を保護すること」にあります。
そして、このような歯を保護する力においては銀歯よりもセラミックの方が断然優れているのです。
既に銀歯を使用している人は経験があるかもしれませんが、
銀歯の詰め物や被せ物は接着が剥がれやすく、歯との間に隙間を生じさせて二次虫歯を引き起こします。
これによって虫歯の再発と治療が繰り返され、そうなればやがてその歯を失う可能性もあるのです。
一方セラミックは歯との接着の相性が良く、目立った劣化も起こらないため容易に隙間が生じません。
さらにツルツルとした感触のセラミックにはプラークが付着しにくいため、二次虫歯を予防しやすいのです。
このため、歯を保護しやすいのは銀歯よりもセラミックになるのです。
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まとめ
いかがでしたか?
最後に、セラミックの耐久性についてまとめます。
1. 強度について :硬さは銀歯の方が上だが、セラミックも脆いわけではなく充分な強度は誇っている
2. 硬いセラミックの存在 :メタルボンドは金属を使用している、ジルコニアセラミックは硬すぎるほどの硬さ
3. 耐久性について :セラミックは耐久性に優れているため、銀歯に比べて長持ちする
4. 歯を保護する力について :セラミックは詰め物や被せ物としても優秀で、二次虫歯を予防しやすい
これら4つのことから、セラミックの耐久性が分かります。
まず問題となる硬さですが、割れや欠けは起こり得るものの心配が必要なほどの脆さではありません。
それでも心配な人は、メタルボンドやジルコニアセラミックを選択すれば安心です。
また、強度以外にセラミックは耐久性にも優れており、
特にオールセラミックにおいては目立った劣化も起こることなく10年以上の使用が可能です。
二次虫歯の予防効果も高いことから、トータルで判断すればやはり銀歯よりもセラミックの方が優秀です。
セラミックは陶器ですから割れそうなイメージがあります。実際はどうですか?