歯が痛くないのは口の中が健康な証拠と言えますか? blog

2017.11.24

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「歯が痛くなければ口の中は健康だと言えるのか」です。
口の中で何か問題が起こっているのではないか?…そう気付くきっかけの大半は歯の痛みです。

例えば虫歯治療のために歯科医院に行こうとする人の場合、
虫歯に気付いたきっかけとなったのは歯の痛みでしょう。
では逆に、歯が痛くなければ口の中は健康だと言えるのでしょうか。

健康な証拠とは言えない

結論から言うと、歯が痛くないからといって口の中が健康とは限りません。
もちろん健康である可能性もありますが、そうでない可能性もあります。
この理由は簡単で、歯の痛みというのはあくまで自覚症状の1つにしか過ぎません。

そして、お口の病気や症状の中には歯の痛みという自覚症状がないものもあるのです。
このため、歯の痛みの有無だけでは口の中が健康だと断言することはできず、
実際に健康かどうかは歯科医院の検診を受けてみなければ分からないのです。

では実際に歯に痛みがないのに健康でなかった場合、
どんな病気や症状が起こっている可能性があるのでしょうか。

歯周病

歯周病は歯肉の病気です。歯肉が炎症を起こし、進行することで歯槽骨が徐々に溶かされていきます。
この歯槽骨は歯を支える役割を果たしており、歯槽骨が溶かされることで歯は支えを失ってしまいます。
歯周病には歯の痛みという自覚症状がないため、歯の痛みの有無だけでは判断できません。

ちなみに、歯周病には以下のような自覚症状があります。

歯肉が腫れている、変色している
・歯肉から出血することがある
・口臭がする
・歯肉が下がり、歯が長くなったように見える
・歯石が増えてきた
・歯が動く、グラつく

…歯の痛みがなくてもこうした自覚症状があれば、歯周病になっている可能性があります。

虫歯

「虫歯=歯が痛む」というイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。
虫歯の進行状況などによっては、痛みを全く感じないこともあるのです。例えば、以下のような場合です。

二次虫歯

虫歯の再発のケースです。最初の虫歯治療で神経を除去した場合、その歯は痛みを一切感じなくなります。
このため、虫歯が再発しても歯が痛まないのです。
しかも虫歯は詰め物や被せ物で隠れているため、目で見て虫歯に気付くことも困難です。

初期段階の虫歯

初期段階の虫歯は歯の表面だけが虫歯の状態で、この状態では痛みがありません。
これは、歯の表面のエナメル質が歯を刺激から守っているためです。
進行して虫歯が象牙質まで到達することで痛みを感じるようになります。

神経が死んだ場合

虫歯が進行して神経が死ぬと痛みを感じなくなります。
最も、それまでには激しい痛みを感じているため、このケースに至っては自分でも虫歯を自覚しているでしょう。

…こうしたケースの虫歯では痛みはありません。
つまり、例え歯が痛くなくてもこのようなケースの虫歯が発生している可能性があるのです。

噛み合わせの問題

噛み合わせが悪いというのは病気とは違うため、虫歯や歯周病に比べて軽視されがちです。
しかし、噛み合わせが悪いことで様々な問題が起こります。
例えば、噛む筋肉が悪影響を受けることで頭痛や肩こりを引き起こす可能性があります。

また、歯並びの悪さが原因となっている場合、
歯磨きのしづらさから虫歯や歯周病になるリスクを高めてしまいます。
こうした噛み合わせの良し悪しは、歯の痛みの有無から知ることはできないのです。

健康状態を確実に知る方法

口の中の健康状態を確実に知るには、歯科医院で検診を受けることです。
多くの人は、歯科医院は口の中の病気を治すために行くものだと考えているかもしれませんが、
予防や健康状態の確認のために歯科医院に行くこともできるのです。

特に初期段階の虫歯や歯周病は自分で気付くことは難しく、
気付いた時にはある程度進行してしまっているケースが大半です。
しかし、定期検診を受けていればこうした初期段階の虫歯や歯周病を発見でき、早期治療できるのです。

ちなみに、早期治療できることは患者さんにとっても大きなメリットがあります。
まず簡単な治療で治せることで、完全な初期段階なら虫歯の場合、歯を削らずに治せることもあります。
また、簡単な治療で治せる点から治療期間…つまり通院の回数も少なくて済むメリットがあるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯が痛くなければ口の中は健康だと言えるのかについてまとめます。

1. 健康な証拠とは言えない :口の病気や症状の中には、歯の痛みを発生させないものもあるため
2. 歯周病 :歯周病は虫歯のように歯が痛むことはないが、歯肉の腫れや変色などの自覚症状がある
3. 虫歯 :神経を除去した歯の虫歯など、虫歯のケースによっては歯が痛まないことがある
4. 噛み合わせの問題 :噛み合わせの悪さは歯の痛みの有無から知ることはできない
5. 健康状態を確実に知る方法 :定期検診を受けること。初期段階の虫歯や歯周病も発見できる

これら5つのことから、歯が痛くなければ口の中は健康だと言えるのかが分かります。
口の中の病気といえば虫歯を連想しますし、虫歯といえば歯の痛みを連想します。
だからこそ、「歯が痛くない=口の中が健康」というイメージを抱いてしまうのです。

しかし、歯周病などは歯の痛みといった自覚症状は起こらないですし、
虫歯のケースによっては歯が痛むことがありません。
このため、歯が痛くないからといって口の中が健康とは断言できないのです。