熱いものや冷たいものがしみて痛いです。これって虫歯か歯周病かどちらですか? blog

2017.12.04

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「熱いものや冷たいものがしみる場合」です。
熱いものや冷たいものがしみる場合、真っ先に考えられるのが虫歯か歯周病です。

また、別の可能性としては知覚過敏のケースもあり、
特に虫歯や歯周病の場合はどちらもある程度進行している可能性が高いでしょう。
さて、ここでは熱いものや冷たいものがしみる場合の歯の状態について説明していきます。

虫歯が原因でしみる場合

本来なら歯の表面はエナメル質に覆われており、それによって歯が刺激から保護されています。
さて、エナメル質の奥には象牙質と呼ばれる組織がありますが、
この象牙質はエナメル質とは全く逆で刺激に対して非常に敏感です。

虫歯になると最初は表面のエナメル質が虫歯菌に侵されますが、
進行することで歯に穴があき、やがてその穴は象牙質まで届きます。
そうなると患部はエナメル質の保護が失われ、熱さや冷たさの感触でしみるようになります。

つまり、虫歯が原因で熱いものや冷たいものがしみる場合、
その虫歯は少なくとも象牙質まで進行していることになるのです。
さらに正確に言えば、熱いものがしみる場合は冷たいものがしみる場合に比べて虫歯が進行しています。

歯周病が原因でしみる場合

歯周病は痛みやしみを感じないイメージがありますが、実際にはそうではありません。
確かに初期段階の歯周病では痛みもしみもなく、症状としては歯肉の変色や腫れなどが挙げられます。
しかし、歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされていき、それに伴って歯肉が全体的に下がってきます。

そして歯肉が下がることで歯の根元が露出し、結果的に歯が長くなったように見えるのです。
さて、この歯の根元は元々エナメル質に覆われておらず、象牙質が剥き出しの状態になっています。
このため歯の根元は刺激に対して敏感であり、熱いものや冷たいものがしみてしまうのです。

つまり、歯周病が原因で熱いものや冷たいものがしみる場合、
その歯周病は少なくとも歯肉が下がるほど進行していることになるのです。
この場合、早く治療しなければ歯がグラついてしまい、最終的には抜け落ちてしまいます。

知覚過敏が原因でしみる場合

冷たいものや熱いものがしみる原因として、最も想像しづらいのがこの知覚過敏でしょう。
知覚過敏はエナメル質が破損していることによって起こるもので、
そもそもの原因としては歯ぎしりや食いしばりなど、いわゆるクセの類による悪影響が考えられます。

例え虫歯や歯周病でないとしても、エナメル質が破損すれば象牙質が剥き出しになり、
虫歯や歯周病によって象牙質が露出した場合と全く同じ状態になります。
このため刺激に対して敏感になり、冷たいものや熱いものでしみるようになるのです。

知覚過敏の場合、軽いものであれば知覚過敏用の歯磨き粉の使用、
もしくは専用の薬剤による歯の表面のコーティングで治ります。
しかし、酷い場合は神経治療をする必要がありますし、状態によっては被せ物を立てなければなりません。

歯を健康に保つために

熱いものや冷たいものがしみる場合、常に歯が痛んでいるわけではありません。
だからこそ、ほんの一瞬のこうしたしみに対して放置してしまう人も少なくありません。
しかし、冷たいものや熱いものでしみるのはお口の中に何らかの問題が起こっているのは確実です。

このため、この自覚症状が起こったらすぐに歯科医院に行って治療を受けてください。
仮に虫歯の場合、放置すればさらに虫歯が進行して今度は常に痛むようになり、それも激痛に襲われます。
また歯周病の場合、放置すればやはり進行して最終的に歯が抜け落ちてしまいます。

さらに知覚過敏の場合、症状が酷くなればそれだけ大きな治療が必要になってきます。
つまりどのケースにおいても放置すればさらなる症状の悪化を招いてしまうのです。
熱いものや冷たいものによって歯がしみる…それは歯が発しているSOSのサインです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、熱いものや冷たいものがしみる場合についてまとめます。

1. 虫歯が原因でしみる場合 :進行して象牙質まで到達しており、刺激に対して敏感になっている
2. 歯周病が原因でしみる場合 :進行して歯肉が下がり、象牙質が剥き出しの歯の根元が露出している
3. 知覚過敏が原因でしみる場合 :エナメル質が破損しているため、刺激に対して敏感になっている
4. 歯を健康に保つために :熱いものや冷たいものによってしみるのは、歯が発しているSOSのサイン

これら4つのことから、熱いものや冷たいものがしみる場合について分かります。
可能性として考えられるのは、虫歯か歯周病か知覚過敏です。
いずれの場合も放置して治るものではないため、歯科医院に行っての治療が必要です。

また、放置すれば治らないどころか症状はさらに悪化します。
熱いものや冷たいものがしみるだけでも充分な辛さがありますが、
悪化すればそれ以上の痛みや辛い治療をしなければならず、それを防ぐためにも早く治療を受けましょう。