食事の時に歯が痛むのですが、それはなぜですか? blog

2017.12.27

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「食事の時に歯が痛むのはなぜか」です。
食事の時に歯が痛い…そんな悩みを聞くことがありますが、何が原因かは診歯が痛む原因として考えられるものを教えてほしいです

おそらく真っ先に挙がるのが虫歯で、確かに可能性としてこれが最も高いでしょう。
ではなぜ虫歯になると歯が痛むのか?…ここではその理由について説明し、
さらには虫歯以外の原因についても考えていきます。

歯の構造と刺激

虫歯で歯が痛む理由を知るには、まず歯の構造を知っておかなければなりません。
歯の組織を簡単に説明すると、表面はエナメル質に覆われており、その奥には象牙質があります。
本来象牙質は刺激に対して非常に敏感で、例えば熱さや冷たさの類ですら刺激となってしまいます。

しかし、みなさんが普段冷たいものや熱いものを飲食しても刺激を受けないのは、
歯の表面のエナメル質が象牙質を刺激から守ってくれているからです。
逆に言えば、エナメル質に守られていなければ歯は少し触れただけでも刺激となって痛むのです。

虫歯の進行

初期段階の虫歯は、歯の表面のエナメルだけが虫歯菌に侵された状態です。
しかし上記で説明したとおり、エナメル質は刺激を受けることがありません。
このため、例え虫歯になっても初期段階の時点では痛みを感じることがないのです。

しかし虫歯は進行する病気です。歯に穴があき、やがて虫歯が進行すれば虫歯菌は象牙質に到達します。
象牙質はエナメル質の保護が及ばないため、ここまで虫歯が進行すると痛みを感じてしまうのです。
また、この場合象牙質の一部が剥き出しになっているため、冷たいものや熱いものの飲食でも痛みを感じます。

虫歯で痛みが増す理由

虫歯の痛みは虫歯の進行に比例して増していき、やがて激痛を感じるようになります。
これは、虫歯がさらに進行して象牙質の奥にある歯髄にまで虫歯菌が到達するからです。
歯髄とは歯の神経のことですから、神経が直接刺激を受ければ激しい痛みを感じるのは当然です。

つまり虫歯の痛みが増した場合は、その時点で歯髄まで虫歯菌に侵されたと考えなければなりません。
これは虫歯の状態として非常に深刻です。歯髄まで虫歯が進行すると治療において神経の除去が必要ですし、
そのためには難易度の高いとされている根管治療を行わなければなりません。

歯周病の可能性

歯が痛む原因として、歯周病の可能性も考えられます。
歯周病に痛みはないとイメージを持っている人もいますが、進行度によってはそうとも限りません。
特に歯周病が進行して歯肉が退縮している場合は、冷たいものや熱いものの飲食で痛みを感じます。

この理由についてですが、歯肉が退縮すると歯肉全体が下がってしまい、その影響で歯の根元が露出します。
そしてこの歯の根元はエナメル質に覆われていないため、象牙質同様に刺激に対して非常に敏感です。
そんな刺激に敏感な歯の根元が露出することで、痛みを感じるようになってしまうのです。

その他の原因として考えられるもの

歯が痛む原因として最も考えられるものは虫歯、もしくは歯周病です。
しかし、その他の原因で歯が痛むことがあるのも事実です。
具体的には、虫歯と歯周病以外では以下のような原因が考えられます。

・食べかすが詰まっている
食べかすが詰まると歯肉が圧迫されてしまい、その影響で痛みを感じます。

・親知らず
親知らずの場合、生える方向や向きによって痛みを感じることがあります。
状態によっては抜歯した方が良いこともあるため、早めに歯科医院に行きましょう。

・二次虫歯
虫歯の一種ですが、二次虫歯とは虫歯の再発です。一度治療して詰め物や被せ物で処置した歯が痛む場合、患部に細菌が入り込んで虫歯が再発している可能性があります。

・歯がダメージを受けている
ぶつけるなどの衝撃で歯がダメージを受けているケースです。
歯が割れていたり欠けていたりすると、特に噛んだ時に痛みを感じるようになります。

・矯正治療
矯正治療では矯正装置を装着しますが、装着直後はどうしても痛みを感じることがあります。
痛みを感じないほど慣れたとしても、矯正装置を交換すれば交換直後はまた痛みます。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、歯が痛む原因として考えられるものについてまとめます。

1. 歯の構造と刺激 :表面はエナメル質に覆われており、エナメル質に保護されている限り痛みは感じない
2. 虫歯の進行 :虫歯が象牙質まで進行するとエナメル質の保護が失われ、痛みを感じるようになる
3. 虫歯で痛みが増す理由 :虫歯が歯髄まで進行すると痛みが酷くなる
4. 歯周病の可能性 :歯肉が退縮を起こすほど進行すると、歯周病でも歯が痛むことがある
5. その他の原因として考えられるもの :食べかすが詰まっている、親知らず、二次虫歯など

これら5つのことから、歯が痛む原因として考えられるものについて分かります。
原因として最も考えられるのは虫歯ですが、歯周病やそれ以外のことが原因の可能性もあります。
原因を断定するには診察が必要ですし、何より何が原因だったとしても治療しなければ治りません。
このため、歯が痛む時には原因を考えるよりもまず歯科医院に行くことが大切です。
断しないと断定できません。

しかし、可能性として考えられる原因はいくつかあるので予測することは可能です。
そこで、ここでは食事の時に歯が痛む原因として考えられるもの、
さらにはなぜそれが原因で歯が痛むのかについても説明していきます。

1. 虫歯
可能性として最も考えられるのは虫歯です。
虫歯の場合は常に歯が痛むイメージがありますが、状態によってはそうとは限りません。
例えば象牙質まで虫歯が進行した状態では、常に歯が痛むことはないのです。

ただし象牙質は刺激に対して敏感ですから、文字どおり刺激を受けることで痛みを感じます。
食事の際は噛みますから、まずこの噛むことが刺激となって痛むことがありますし、
さらに温度…つまり冷たいものや熱いものを飲食した時にも刺激となって痛むのです。

2. 歯周病
虫歯の次に考えられるのが歯周病です。歯周病は歯肉の病気ですから、歯の痛みとは一見無関係に思います。
しかし、食事の時に歯が痛むとなると歯周病である可能性もあります。
まず歯周病が進行すると歯肉が下がり、その影響で歯の根元が露出してしまいます。

この歯の根元は象牙質同様に刺激に対して敏感なので、
噛むことや冷たさや熱さが刺激となって痛みを感じることがあるのです。
また、歯周病によって歯がグラついて状態であれば、その歯で噛んだ時には痛みを感じます。

3. 歯髄炎
歯髄とは歯の神経ですから、歯髄炎とはすなわち歯の神経に炎症が起こることを意味します。
歯髄炎の痛みの度合いと原因は様々で、虫歯による細菌感染が最も一般的です。
しかしそれだけでなく、歯の打撲などの外傷や虫歯治療による刺激が原因で起こることもあります。

症状が酷ければズキズキと常に痛みを感じるほどですが、
軽い場合は甘いものや冷たいものの飲食が刺激となって痛むこともあるのです。
このため、食事の時に歯が痛むのであれば軽度の歯髄炎になっている可能性があります。

4. 食片圧入
フードインパクションと呼ばれることもある症状です。
食片圧入の原因は歯と歯の間に食べカスが詰まることで、これ自体は珍しくありません。
しかし、その状態が長く続いてしまうと食片圧入を引き起こしてしまいます。

起こる症状としては歯肉が下がる、歯槽骨が破壊されるなどがあり、その点は歯周病に似ています。
さらに、食べカスが詰まったままだと歯肉が圧迫されるため、その影響で痛みを感じることがあります。
つまり、食事の際に食べカスが詰まったことで歯肉が圧迫されて痛んでいる可能性があるのです。

5. 噛み合わせが悪い
食事では噛む動作をするため、噛む動作によって痛みが起こっている可能性があります。
そこで考えられる原因が、噛み合わせの悪さです。
噛み合わせが悪い場合、特定の歯が他の歯に比べて高い位置にあることがあります。

この状態で噛んでしまうと、高くなっている歯のみ過剰な力が掛かります。
これによって歯がダメージを受けて痛みを感じることがありますし、
こうした噛み合わせの悪さによってエナメル質が傷つき、象牙質が直接刺激を受けて痛むこともあります。

6. 知覚過敏
元々歯は刺激に対して敏感ですから、食事の時に歯が痛む場面は多々あります。
噛むことで歯と歯がぶつかる、さらには冷たいものや熱いものの飲食、
これらはいずれも痛みを感じるだけの刺激になるのです。

普段それを感じないのは、歯の表面のエナメル質が歯を刺激から保護しているからです。
しかし、何らかの理由でエナメル質が破損していれば歯が直接刺激を受けて痛みを感じます。
これが知覚過敏で、エナメル質の破損によって噛むことや冷たさや熱さが刺激となって痛むのです。

いかがでしたか?
最後に、食事の時に歯が痛むのはなぜかについてまとめます。

1. 虫歯 :最も可能性が高い。象牙質まで進行した虫歯は、食事の時に冷たいものや熱いもので痛みを感じる
2. 歯周病 :歯周病が進行して歯の根元が露出すると、冷たいものや熱いものが刺激となって痛みを感じる
3. 歯髄炎 :軽度の歯髄炎は甘いものや冷たいもので痛むため、「食事の時に痛む」という症状に合致する
4. 食片圧入 :食べカスが長期間詰まっていることで起こる。食べカスが歯肉を圧迫して痛みを感じる
5. 噛み合わせが悪い :噛み合わせが悪いと、噛んだ時に特定の歯に過剰な力が掛かって痛みを感じる
6. 知覚過敏 :エナメル質が破損しており、食事の時に冷たいものや熱いものを飲食すると痛みを感じる

これら6つのことから、食事の時に歯が痛むのはなぜかが分かります。
食事の時の行為を連想すると、痛みを感じる行為として2つのことが挙げられます。
1つは噛む動作、もう1つは冷たいものや熱いものの飲食です。
食事の時に歯が痛むのであればこれらのどちらか、もしくは両方が痛みを招く原因になっており、
そう考えると今回挙げたものが可能性として考えられます。