セラミックは確かに審美性に優れていると思いますが、長所はそれだけですか? blog

2018.04.05

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「審美性の高さ以外のセラミックの長所」です。
セラミックのメリットは審美性の高さにありますが、あくまでそれは最大のメリットです。

つまりセラミックのメリットはそれだけではなく、他にもいくつかあるのです。
とは言え、ほとんどの歯科医院がセラミックのメリットに「審美性の高さ」を挙げているため、
ここでは敢えてセラミックの他のメリットについて説明していきます。

二次虫歯を予防できる

一度虫歯治療をした歯に虫歯が再発することを二次虫歯と呼びます。
これは決して稀なケースでなく、特に銀歯を使用している人は二次虫歯の経験があるのではないでしょうか。
本来虫歯治療をした歯は詰め物や被せ物で処置しますが、これは細菌が入り込むのを防ぐためです。

虫歯治療で削った歯は象牙質が剥き出しになっており、柔らかく非常に脆い状態です。
このため詰め物や被せ物で処置しますが、これらの接着が弱まると歯との間に隙間が生じます。
そうすると生じた隙間から細菌が入り込み、二次虫歯が起こるのです。

セラミックはそんな二次虫歯を予防しやすくなっており、その理由は2つあります。
1つは歯との接着の相性が良いことで、ピッタリ接着するため隙間が生じにくいからです。
もう1つは、セラミックはツルツルした材質のため、プラークが付着しにくくなっているからです。

金属アレルギーの心配がない

金属アレルギーの人は銀歯もアレルギー対象になります。
その点セラミックは金属を使用していないため、金属アレルギーの人でも安心して使用できます。
またセラミック自体が身体に優しいため、使用する上で一切の害がないのです。

ただし、全てのセラミックがそれに該当するわけではないため注意が必要です。
セラミックの中にはメタルボンドというタイプがありますが、このメタルボンドは一部金属を使用しています。
このため、メタルボンドはセラミックであるものの金属アレルギーの対象になります。

ちなみにメタルボンドは金属を使用いるため耐久性の高さが特徴のセラミックです。
金属アレルギーの人で耐久性の高さセラミックを希望する場合は、
人工ダイヤモンドを使用したジルコニアセラミックを選択すると良いでしょう。

寿命が長い

セラミックに限らず、詰め物や被せ物は永久には使用できません。
人工物である以上年数が経過すれば劣化しますし、使用していればいずれ寿命がくるのです。
ただし寿命の長さは材質ごとで異なり、最も長持ちするのがセラミックです。

一般的に銀歯は3年~5年ほど、レジンは5年ほど、セラミックは10年以上が寿命とされており、
特にオールセラミックはケア次第でさらに長く使用することも可能です。
また、オールセラミックは年数経過による変色も起こらず、使用している間はずっと美しさを維持できます。

ちなみに銀歯やレジンだと寿命が短いだけでなく、年数経過による変色も起こります。
レジンは変色しますし、銀歯は変色しないものの金属イオンが溶け出してくるため、
長く使用していると溶け出した金属イオンの影響で歯肉が黒く変色してしまいます。

セラミックのデメリット

審美性の高さ以外にもセラミックには上記のようなメリットがありますが、
その一方でデメリットがあることも把握しておかなければなりません。

・費用が高い
セラミックは健康保険が適用されないため費用が高くなりますし、
特に最も美しいオールセラミックや新しいタイプのジルコニアセラミックは費用が高く設定されています。
一方、ハイブリッドセラミックならレジンが混ざっているため比較的安く設定されています。

・欠けたり割れたりすることがある
陶器であるセラミックは、単純に強度で比較すれば金属である銀歯に劣ります。
このため、あまり強い力で噛んでしまうと欠けたり割れたりすることがあるのです。
ただしメタルボンドやジルコニアセラミックなど、強度に長けたタイプのセラミックもあります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、審美性の高さ以外のセラミックの長所についてまとめます。

1. 二次虫歯を予防できる :歯とピッタリ接着し、材質的にもプラークが付着しにくいため
2. 金属アレルギーの心配がない :セラミックは金属を使用していないため(メタルボンドを除く)
3. 寿命が長い :銀歯が3年~5年、レジンが5年ほどに対してセラミックは10年以上使用できる
4. セラミックのデメリット :費用が高い、欠けたり割れたりすることがある

これら4つのことから、審美性の高さ以外のセラミックの長所について分かります。
二次虫歯を予防できる、金属アレルギーが起こらない、寿命が長い、
まとめるとセラミックは審美性だけでなく機能性にも優れています。

費用が高いのがセラミックの欠点ですが、
機能性の長所も含めればその費用に見合った価値があるのも事実です。
特に二次虫歯を予防できる長所は大きな魅力で、自分の歯を守ることにつながります。