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ハイブリッドセラミックやメタルボンドなど、なぜ同じセラミックなのに種類がいくつもあるのですか? blog

2018.04.13

杉並区の歯医者さん、浜田山おとなこども歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「セラミックの種類について」です。
セラミック治療で使用するセラミックは、現状4つの種類が存在します。

もちろん患者さんは好きなセラミックを選択できますし、それぞれのセラミックは独自の特徴も持っています。
最も、歯科医としては〇〇がおすすめという意見はなく、
どの種類のセラミックがおすすめなのかは患者さんが何を重視するかによって異なります。

間違った選択をしないためにも、セラミックの種類ごとの特徴を知っておきましょう。

オールセラミック

セラミックの中で最も審美性が高いタイプです。
100%セラミックでできており、天然の歯と見分けがつかない白さと光沢を持っています。
何より審美性にこだわるのであれば、このオールセラミックがおすすめです。
欠点としては他の種類のセラミックより性能が高い分、費用も高めに設定されていることです。

ハイブリッドセラミック

セラミックとレジンが混ざったタイプです。レジンが混ざっていることが長所にも短所にもなっており、
長所は柔軟性があって隣接する歯を傷つけにくいことです。
一方短所は年数経過による変色が起こることで、元の審美性もオールセラミックに劣ります。
オールセラミックと比較すると劣る部分が多いですが、その分費用が安くお手軽なセラミックとされています。

メタルボンド

見える箇所をセラミック、見えない箇所を金属で仕上げたタイプです。
金属を使用していて頑丈なため、奥歯をセラミックにする場合におすすめです。
ただし見る角度によっては金属が見えてしまい、金属アレルギーの人はアレルギー対象になるのが欠点です。
また、年数経過によってセラミックが剥がれることがあります。

ジルコニアセラミック

セラミックの種類の中で最も新しいタイプです。
人工ダイヤモンドを使用しているので頑丈なため、メタルボンドの上位タイプと位置付けられています。
メタルボンドよりも優れているのは審美性で、オールセラミックに近い美しさを誇ります。
さらに金属を使用していないため、金属アレルギーも起こりません。欠点としては費用が高いことです。

セラミックに共通する特徴

上記で挙げたのはセラミックの種類とそれぞれの独自の特徴です。
それ以外にセラミックには共通するいくつかの特徴があります。

・審美性が高い
セラミックの最大の特徴が審美性の高さです。
白いだけでなく光沢まで天然の歯に近く、パッと見るだけでは天然の歯と見分けがつきません。
ちなみに上記で説明したとおり、中でも最も美しいのがオールセラミックです。

・二次虫歯になりにくい
セラミックはツルツルした感触のためプラークが付着しにくくなっています。
さらに歯との接着の相性も良くピッタリとくっつくため、詰め物として入れた時も隙間が生じにくいのです。
このため虫歯が再発しにくく、一度虫歯治療した歯を守ることができるのです。

・長持ちする
セラミックの寿命は一般的に10年以上とされています。
これは詰め物や被せ物の寿命としては非常に長くなっており、
銀歯の場合は3年~5年ほど、レジンの場合は5年ほどが寿命です。

・金属アレルギーが起こらない
セラミックは陶器ですから、銀歯のように金属アレルギーは起こりません。
ただし、これについては全てのセラミックが該当するわけではないので注意が必要です。
上記で紹介したメタルボンドは金属を使用しているため、メタルボンドは金属アレルギーの対象になります。

セラミックと健康保険

セラミックは基本的に健康保険が適用されません。
しかし健康保険の改定より、現在ではハイブリッドセラミックのみ健康保険が適用されるようになりました。
ただし、健康保険適用のためには以下の基準を満たす歯科医院で治療を受けなければなりません。

・厚生労働省に施設基準の届け出を行っており、認可された歯科医院である
・歯科補綴治療に関する専門知識があり、なおかつ3年以上の経験を有する歯科医が在籍している
・厚生労働省の定める歯科用のCAD/CAM装置や材料を使用して製作する
・製作する歯科技工所との連携がとれている

…また対象となる歯も限られており、詰め物ではなく被せ物でなければなりません。
さらに、健康保険が適用されるハイブリッドセラミックは従来のものより審美性と機能性が劣ります。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、セラミックの種類についてまとめます。

1. オールセラミック :セラミックの中で最も美しいが費用も高い
2. ハイブリッドセラミック :レジンが混ざっているので変色が起こるが費用は安い
3. メタルボンド :金属を使用しているため頑丈だが金属アレルギーの対象になる
4. ジルコニアセラミック :人工ダイヤモンドを使用して審美性も高いが費用も高い
5. セラミックに共通する特徴 :審美性が高い、二次虫歯になりにくい、長持ちするなど
6. セラミックと健康保険 :基本的に健康保険は適用されないが例外もある(本文参照)

これら6つのことから、セラミックの種類について分かります。
審美性、機能性、費用…セラミックに求めるものは患者さんによって異なります。
セラミックは現状4種類ありますが、何を求めるかによっておすすめのセラミックが決まります。
それぞれのセラミックのメリットとデメリットを考慮して検討しましょう。